原題 | Assassin’s Creed Valhalla |
対応機種 | PC,PS5,Xbox(S-S/X) etc |
プレイ/クリア時間 | 40時間~ |
👍Good
- カジュアルに楽しめるRPG要素
- 量と質を両立したコンテンツ
- シリーズのルーツに配慮した作風
- ヴァイキングごっこができる
👎Bad
- 表現規制
- (発売時は)バグ
パルクール系オープンワールドゲーム。
剣戟と【パルクール(人間の身体能力を活用するスポーツ)】を取り組んだ作品になっており、プレイヤーは建物を登り、飛び回り、そして敵と戦っていく。
なお、今作は”アクションRPG化”された新生アサシンクリードの三作目。
シリーズとしてはメインシリーズの十ニ作目。
上記事ではこのシリーズのストーリーを詳しく解説している。
評価
カジュアルに楽しむRPG要素
前作『アサシンクリード オデッセイ』は、その前作『アサシンクリード オリジンズ』が確立したアクションRPG路線をさらに推し進めた作品であり、プレイ内容はレベル差やスキルなどに大きく左右された。
その点、今作はアクションRPGとしては「オリジンズ」と、それより前のアサシンクリードの中間辺りにあり、今作のRPG要素はカジュアルに楽しめるものになっている。
今作も、ベース部分は「オリジンズ」であり、アクションRPGだけれど、過去二作ほどRPG要素は強くなく、今作ではメインクエストを中心に遊んでいても戦闘力(レベルに相当するもの)は十分上がっていくし、スキルポイントを得るコストも決して高くない。
(スキルポイントを使ってスキルを取得することで、戦闘力が上がっていく)
さらに、敵の戦闘力と差があっても、過去二作ほど苦戦させられることはない上に、スキルの組み合わせによってある程度その差が埋められ、そのスキルはいつでも振り直しができる。
このように、今作ではメインクエストを進めているだけできちんとレベルアップしてゆき、スキルに関しても、過去の失敗に引きづられることがないので、カジュアルにRPG要素を楽しみながら遊べる。
確かに、「オデッセイ」をアクションRPGとして楽しんでいた人は、今作の軽いRPG要素は物足りないかも知れないが、少なくとも私は、アクションRPGとしてのアサシンクリードは「オデッセイ」を遊んでお腹いっぱいだったので、この軽さが良かった。
アサクリ要素が復活
今作では「ヒドゥン・ブレード(アサシン・ブレード)」の扱いが初期シリーズに近くなったことで、ステルス・キルで敵をテンポよく排除でき、オプションからオンにすればスキルを取得せずとも”ボス以外は一撃で倒せる”ようにもなる。
私は後半は”一撃暗殺”をオンにして遊んだけれど、「ヒドゥン・ブレード」を使ってどんな敵でもステルス・キルしていくステルスプレイは、遊んでいて『アサシンクリードIV ブラックフラッグ』や『アサシンクリード シンジケート』を思い出した。
※弓矢もオリジンズくらい使えるものになっている
他にも、ベンチに座って周囲に溶け込んだり、他人を使って敵を誘導したりなど、「オリジンズ」以降は姿を消していた要素も復活しており、こちらも”アサシンクリードを遊んでいる”という気分にさせてくれる。
さらに、過去編では過去作を意識したと思われるシーンが用意されていたり、現代編ではショーンやレベッカが再登場しているなど、その面でもシリーズのルーツを意識しているように感じる。
主人公の風貌はさておき、今作は「オリジンズ」以降ではもっとも以前のアサシンクリードに近い作風になっており、「オリジンズ」以降の新生アサクリと、それより前の旧アサクリを上手くミックスしている。
また、今作にも「オデッセイ」と同じく”選択によってストーリーが変化する”要素が用意されているが、「オデッセイ」のようにプレイヤーが何から何まで選ぶのではなく、”選べるがストーリー主導で進んでいく”。
この辺りも、「オデッセイ」ではなく、「オリジンズ」やそれより前のアサシンクリードっぽさを感じさせるところになっている。
より一層、探索させるゲーム世界
今作は、『アサシンクリード オデッセイ』よりも“プレイヤーにゲーム世界を探索させる”点に力が入っており、最低限の情報をもとに目的地まで馬を走らせる。
目的地が「川が合流している近くの村」なら、マップを開いてその川の合流地点を探し、「この辺りだろう」という場所にピンを打ち、「砦から北西に進んだ辺り」ならその砦まで移動し、そこから北西に向けて進んでいく。
確かに、親切丁寧に誘導してくれた方が快適ではあるけれど、多少面倒であっても広大なマップから目的地を絞り込み、周囲を注意深く観察しながら馬を走らせるのは、ゲーム世界との距離を縮めてくれるし、様々な出会いや発見ももたらしてくれる。
約四ヶ月前に発売されたオープンワールドゲーム『ゴースト・オブ・ツシマ』では、ゲーム世界そのものにHUDの役割を持たせることで、プレイヤーがゲーム世界をじっくり観察できるように工夫していた。
方法は違うとは言え、今作も「オリジンズ」をベースにしながらも探索の面白さを追求しており、移動を単なるマーカー間の行き来ではなく、”旅”という一つの体験に昇華させている。
こうしたオープンワールドゲームの在り方は、今作最大の魅力と言える。
大半のコンテンツに”遊び”がある
今作では小さなコンテンツにも”遊び”が用意されており、他のアサシンクリードでは見て見ぬ振りしていたようなものでも、今回は気になってついつい遊んでしまう。
例えば、大半の「ビュー・ポイント」が断崖絶壁や高い塔などになっており、「ビュー・ポイント」自体が一種のクライミング用の小さなチャレンジと言え、マップの更新とセットでクライミングも楽しめる。
他にも、収集物は『ファークライ5』の「プレッパーの宝」のような簡単なパズルになっており、収集物の回収とセットで簡単なパズルも楽しめる。
これまでのアサシンクリードは、どちらかと言えば「数だけは用意されている」という状態だったけれど、今作の場合は量と質が両立されており、手が込んだコンテンツが多い。
また、サイドクエストに関しても、見逃すのはもったいと感じる面白い小話と、その場で解決する(お使いをさせられない)手軽さのおかげで、こちらもついつい遊んでしまう。
【一部解決】最大の欠点は表現規制
2020年12月15日のアップデートにて、流血表現は有効化された。
以下、アップデート前の記事
今作、というか日本語版の最大の欠点は表現規制。
(現時点では)敵を斬ったりした際の流血表現がカットされているので、ビジュアルが貧素で、ヴァイキングの戦闘が今ひとつパッとしない。
『アサシンクリード オデッセイ』では主人公が持っていた武器が「イスの武器(特殊な武器)」ということで、ビジュアル的にも派手な戦闘が展開されたが、今作はリアル重視なので、敵の血飛沫が戦闘を彩るわけだけれど、日本語版だとそれがない。
また、切り落とされた首をヘルメットに置き換えたことで、ブタがヘルメットをむしゃむしゃ食べているみたいな不自然なシーンもあり、表現規制はゲームの良さを損なわせている。
総評
今作は『アサシンクリード オリジンズ』『アサシンクリード オデッセイ』の欠点をきちんと修正した続編であり、かつ、非常に完成度の高いオープンワールド系アクションRPGでもある。
この規模とクォリティの作品は”アサシンクリードじゃないと遊べない”。
それだけにゲームの良さを損なわせる表現規制が本当に残念。
関連記事>>>【2020年版】オススメの「アサシンクリード」を全て紹介/未プレイでも遊べる?プレイする順番は?なども
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