【評価/感想】アサシンクリード シンジケート【批評/レビュー】

オープンワールドゲーム
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【短評】
やや野心的なアサクリ。
シリーズで初めて2人の主人公を登場させ、「ロープ・ランチャー」などのユニークなツールも用意しており、これまでとは一味違うアサクリが楽しめる一作。
原題Assassin’s Creed Syndicate
発売日2015年10月23日
開発元Ubisoft Québec
ジャンルオープンワールドゲーム
備考公式サイト

アサシンクリード ユニティ』の続編。

今作は”産業革命期のロンドン”というアサクリシリーズで最も新しい時代*を描く一作であり、さらには男女(姉弟)の主人公も登場させるなど意欲的な内容になっている。

*2018年現在。

前回までのアサシンクリードのストーリーを紹介/解説
※続き物なので前作未プレイの人は必読!

▼ストーリー▼

産業革命の幕開けとともに、驚異的な発明の数々が、人々の生活に大きな変化をもたらしていた。

(中略)

アサシンであるジェイコブ・フライは、双子の姉エヴィーとともに、数百万もの労働者たちの運命を変えるべくロンドンの闇を暗躍する。

アサシンの信条のもとに、この陰謀と暴力に満ちた世界を打ち破るのだ。

公式サイト

▼過去作のレビュー▼

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過去作の路線に回帰

よりカジュアルに

主人公の一人エヴィー。

ストイックな方向へシフトした前作と比べると、今作は過去作よりに戻っている。

  • キルストリークの廃止
  • 受け流しを多用する戦闘

戦闘メカニック自体は前作『アサシンクリード ユニティ』のそれを継承しているが、「逃げるのも手」だった前作よりも、カジュアルな方向に振り切っており、コアなアクションゲームファンでなくとも手に取りやすい内容になっている。

今作では…

  • 敵の攻撃を知らせるアイコンがより強調されて表示。
  • 「(敵の攻撃の)受け流し」がより楽に。
  • (厄介だった)敵の銃撃がYボタン一回で回避可能。

などの改善点が盛り込まれ、前作で理不尽に思えたものが徹底的に排除されている。

その結果、過去作の無双ゲー色が戻って来ている。
おそらく前作ファンは物足りないだろうが、過去作ファンからすれば嬉しい「回帰」と言えるはずだ。

「待ち」の復活はテンポを悪くする

今作の戦闘シーン。剣や銃は不要、今回は杖と拳で戦う。

一方、テンポの悪い”待ち”の戦闘が復活している。
前作では”こちら側から攻撃を仕掛けない限り防戦一方”になることが多かった。だが、今作では敵の攻撃を防ぎ、そこから自分の攻撃に転じる”過去作の戦法が通用するようになり、自分から攻撃を仕掛けるアグレッシブさが薄れているのだ。

また、敵の銃撃がYボタンで回避可能になったことも大きい。
というのも、前作では”ライフル兵を素早く始末することが攻略のカギ”になっていたので、積極的に敵を斬り倒してライフル兵に対処する必要があったから。

剣ではなく、己の拳で

暴走列車上での戦闘シーン。

今作の戦闘は泥臭い殴り合いや、杖などを使った殴打戦が中心。

急な反撃を素早く防いでコンボを繋げていく楽しさや、決め技が炸裂した際の爽快感が心地よく、小気味良いHit音と軽快なアクションも癖になり、たとえ剣を捨ててもアクションゲームとしての面白さは何一つ変わっていない。

また、難易度が程よく高めに設定されているのも良い。
今作ではエリアや敵毎にレベルが割り当てられているので、高レベルな敵に喧嘩を売ることで、何倍もハードな格闘戦が楽しめる。

大味なステルスプレイも復活

今作のステルスプレイ。

良い意味で大味な”アサクリの”ステルスプレイが復活。
さらに「口笛」も復活したことで、カバーキルで敵を静かに排除することが容易になり、ステルス状態を維持したままエリアを制圧することは前作ほど難しくない。

ゆるいステルスプレイの復活は素直に歓迎したい。

次の記事>>>“全作制覇”の私がオススメするアサシンクリードを紹介。

無駄のないスキル システム

ユニティに続いてスキルが再登場。

今作でも、スキルを習得して主人公を強化していく。
前作『アサシンクリード ユニティ』では、”イスに座る”や”現金をバラ撒く”ことすらスキルで習得する必要があり、”スキルを通して主人公化にしていく”タイプだったが、今作では主人公を強化していくタイプに変更されている。

タイトルスキルの扱い
前作(ユニティ)主人公に近づけていく
今作主人公を強化していく

これに合わせて、スキルの大半が”必須ではないが、あると助かる”ものに一新。
スキル習得は、プレイヤーの欲しい能力を追加していくものとなり、スキルを吟味する楽しさが生まれている。

初期状態でも「ダブルアサシン」や「エアーアサシン」が可能
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新要素は不発気味

とくに意味はない主人公2制

右はもう一人の主人公ジェイコブ。エヴィーの弟。

はっきり言って主人公が2人いる意味が感じられない。

キャラクター名特徴
エヴィー・フライ(姉)ステルス特化型
ジェイコブ・フライ(弟)アクション特化型

一応、姉弟はそれぞれステルス特化、アクション特化というように差別化されているが、実際は”どっちを選んでも同じ”なので、結局は好みや気分で使い分けることになる。

また、2人の主人公を活かしたミッションもほぼ無い。
一つのミッションを同時進行的に進めたり、お互いに協力してミッションを進めたりすることはなく、『グランド・セフト・オート5』の後にしては新鮮味に欠ける。

『グランド・セフト・オート5』ではプレイヤーが一人三役的に3人の主人公を操作したり、同時進行的に大掛かりな作戦を実行するなどのミッションが用意されていた。

それに加えて、キャラクター変更が非常に機械的なのも気になる。
『グランド・セフト・オート5』ではキャラクター変更する度に主人公の人物像を補完する演出が用意されており、彼らの人生を垣間見ることが出来たが、今作の場合は単にモデルが瞬時に変更されるだけ。

2人の主人公が”ユニークなゲームプレイを実現するためのツール”ではなく、単にプレイヤーの選択肢を1つ増やしただけに過ぎない点は、あまりにも無難

ロープランチャーはルーツを否定

「ロープ・ランチャー」が初登場。パルクールがこれまで以上に快適に?

確かに、ロープランチャーは楽しくてテンポが良い。
大通りを挟んだ向かいの建物にロープランチャーを発射すれば、後は自動的に渡ってくれるので、向こう側へ渡る時間を大幅に短縮できるし、頭上への移動もかなり楽になる。

けれども、これは諸刃の剣。
アサシンクリードの代名詞である「フリーランニング」を”過去のものにするアイテム”であり、このシリーズを唯一無二のアクションゲームにしたルーツの否定にも繋がる。

私としては「フリーランニング」の面白さを突き詰めて欲しい。

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各ミッションのクォリティは低い

制圧アクティビティは重い

「制圧アクティビティ」。

サイド要素は良くも悪くもアサクリ的。

  • ビューポイント
  • エリアの制圧
  • お使い

…等と言ったアクティビティが用意されており、既視感は強烈だがどれもしっかり遊べる。

ただ、今作から登場する【制圧アクティビティ】は「重い」。

制圧アクティビティが「重い」ワケ

アクティビティの一つ「児童解放」。

まず、制圧アクティビティとは、簡単に言えば「縄張り争い」。
今作のマップは各ブロック毎に分かれており、それぞれのブロックが敵の支配下にあり、それらを一つ一つ開放していくのが、このアクティビティになる。

そして、一つのブロックを開放するためには

  1. 児童解放
  2. 賞金稼ぎ
  3. テンプル騎士団狩り
  4. ギャングの拠点

上記のミニゲームを全て消化。
さらにその後に出現する「ギャングウォー」も制する必要がある。

これを他のブロックでも繰り返す…。

なので、【制圧アクティビティ】は非常に重い。
たった一つのブロックを開放するだけなのに合計5個のミニゲームを攻略しないといけない。

ほぼ必須の【制圧アクティビティ】の下に、別のミニゲームを置くことで、”各ミニゲームをプレイする動機づけ”をしていると思われるが、残念ながら“質よりも量”なので、現状ではプレイ時間の水増し行為に見えてしまう。

悪い意味で過去作のまま

ターゲットを尾行する図。

そもそも、メインミッション自体の質があまり高くない。
アサシンクリード4 ブラックフラッグ』でも不評だった「尾行ミッション」や「護衛ミッション」が復活しており、今作でもやはり面白くない。

最初から最後まで同じ顔の敵と戦い、内容的にも代わり映えしない反復的なミッションが多く
そしてボス戦も”無くても困らない”程度の出来栄え。

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総評

主人公の一人ジェイコブ。

シリーズの軌道修正に成功した一作。
前作『アサシンクリード ユニティ』のことを思えば、指摘した欠点も些細なことに過ぎない。

確かに、プレイ面は「いつものアサクリ」ではあるものの、アクションゲームとしては手堅い作りとなっており、ここまでのボリュームを一つのパッケージにまとめ上げた手腕はお見事。

私としては『アサシンクリード4 ブラックフラッグ』以来の当たりであり、律儀に第一作目から追っているファンのみならず、新規プレイヤーも手を出しやすい一作になっている。

オススメのアサシンクリードを全て紹介
未プレイでも遊べる?プレイする順番は?

▼過去作のレビュー▼