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【評価/感想】アサシンクリード シンジケート【批評/レビュー】

ゲームレビュー

今作は有料betaとも言える状態で発売され、そして大炎上した『Assassin’s Creed Unity』の続編。

メインとなる過去編では、シリーズで最も新しい時代である産業革命期のLondonへ舞台を移し、2人の主人公を登場させるという新たな試みが特徴と言える作品。

前回までのアサシンクリードのストーリーを紹介/解説
※続き物なので前作未プレイの人は必読!

▼ストーリー▼

産業革命の幕開けとともに、驚異的な発明の数々が、人々の生活に大きな変化をもたらしていた。

(中略)

アサシンであるジェイコブ・フライは、双子の姉エヴィーとともに、数百万もの労働者たちの運命を変えるべくロンドンの闇を暗躍する。

アサシンの信条のもとに、この陰謀と暴力に満ちた世界を打ち破るのだ。

公式サイト

▼過去作のレビュー▼

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過去作の路線に回帰

よりカジュアルに

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ストイックな方向へシフトした前作と比べると、今作は過去作よりに戻っている。

  • キル ストリークの廃止
  • 受け流しを多用する戦闘

上記の通り、戦闘メカニック自体はUnityのそれを継承しているが、「逃げるのも手」だった前作よりも、カジュアルな方向に振り切っており、コアなアクションゲームファンでなくとも手に取りやすい内容になっている。

今作では、敵の攻撃を知らせるアイコンの自己主張が強くなり、攻撃を「受け流す」ハードルが大きく下がり、厄介だった敵の銃撃もYボタンのみで回避可能。

前作で理不尽に思えたものが徹底的に排除されており、過去作の無双ゲー色が戻っている。
おそらく前作ファンは物足りないだろうが、過去作ファンからすれば嬉しい「回帰」と言えるだろう。

「待ち」の復活はテンポを悪くする

前作では、こちら側から攻撃を仕掛けないと防戦一方、ジリ貧の戦いになることが多かった。
しかし、今作では敵の攻撃を防ぎ、そこから自分の攻撃に転じる”過去作の戦法が通用することで、テンポの悪い「待ち」の戦闘が復活している。

ちなみに、メリットが多い”敵の銃撃”の回避だが、実は「待ち」の戦闘が増える要因になっている。
というのも前作では、ライフル兵を素早く始末することが攻略のカギとなっており、そのためには積極的に敵を斬り倒していく必要があったから。

それもあり、今作の戦闘はテンポが悪いと感じる瞬間が多々ある。

剣ではなく、己の拳で

Assassin’s Creedと言えば、華麗な剣術が一つの見所だったわけだが、今作の戦闘は泥臭い殴り合いや、杖などを使った殴打戦が中心。

急な反撃を素早く防いでコンボを繋げていく楽しさや、決め技が炸裂した際の爽快感が心地よく、小気味良いHit音と軽快なアクションも癖になり、たとえ剣を捨ててもアクションゲームとしての面白さは何一つ変わっていない。

また、難易度は程よく高めに設定(主観)されており、油断すると倒されるスリルも良い。
さらに今作では、エリア毎や敵毎にレベルが割り当てられているので、高レベルな敵に喧嘩を売ることで、何倍もハードな格闘戦が楽しめる点も気に入っている。

大味なステルスプレイも復活

良い意味で大味な”アサクリの”ステルスプレイが復活。
さらに「口笛」も復活したことで、カバーキルで敵を静かに排除することが容易になり、ステルス状態を維持したままエリアを制圧することは前作ほど難しくない。

ゆるいステルスプレイの復活は素直に歓迎したい。

次の記事>>>“全作制覇”の私がオススメするアサシンクリードを紹介。

無駄のないスキル システム

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今作でも、スキルを習得して主人公を強化していく。
前作『Assassin’s Creed Unity』では、”イスに座る”や”現金をバラ撒く”ことすらスキルで習得する必要があり、”スキルを通して主人公化にしていく”タイプだったが、今作では主人公を強化していくタイプに変更されている。

これに合わせて、スキルの大半が”必須ではないが、あると助かる”ものに一新。
スキル習得は、プレイヤーの欲しい能力を追加していくものとなり、スキルを吟味する楽しさが生まれている。

余談だが、今作では初期状態の時点でダブルアサシンやエアーアサシンと言った高度な技が可能。

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新要素は不発気味

とくに意味はない主人公2制

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単刀直入に言えば、主人公が2人である意味が感じられない。

一応、姉Evieはステルス特化、弟Jacobはアクション特化という具合に差別化されているが、正直に言って“どっちを選んでも同じ”なので、結局は好みや気分で使い分けるだけになる。

それに加えて、一足先に複数の主人公を登場させた『Grand Theft Auto V』とは異なり、これのメリットを活かしたミッションや演出もほぼない。

例えば、主人公の切り替えはとても機械的で、単にモデルが変更されるだけに近い。
『Grand Theft Auto V』のそれには主人公の人物像を補完する役割があり、彼らの人生を垣間見ることが出来た。

さらに複数主人公の利点とも言える、一つのミッションを多角的に進めていく演出や、ミッションもなく、この辺りは非常に残念な点。

ユニークなゲームプレイを実現するためのツールというよりも、単にプレイヤーの選択肢を1つ増やしただけに過ぎない点は、あまりにも無難すぎる。

ロープ ランチャーはルーツを否定

確かに、ロープ ランチャーは楽しくてテンポが良い。
大通りを挟んだ向かいの建物にロープランチャーを発射すれば、後は自動的に渡ってくれるので、向こう側へ渡る時間を大幅に短縮できるし、頭上への移動もかなり楽になる。

けれども、これは諸刃の剣。
Assassin’s Creedの代名詞とも言える「フリー ランニング」を、過去のものにするアイテムであり、このシリーズを唯一無二のアクションゲームにしたルーツの否定にもなる。

私としては「フリー ランニング」の面白さを突き詰めて欲しい。

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各ミッションのクォリティは低い

制圧アクティビティは重い

良くも悪くもアサクリのテンプレートに沿った内容。

メインミッション以外にも…

  • ビューポイント
  • エリアの制圧
  • お使い

…等と言ったアクティビティが用意されており、既視感は強烈だがどれもしっかり遊べる。

ただ、今作から登場する”制圧アクティビティ”は「重い」。

制圧アクティビティが「重い」ワケ

まず、制圧アクティビティとは、簡単に言えば「縄張り争い」。
今作のマップは各ブロック毎に分かれており、それぞれのブロックが敵の支配下にあり、それらを一つ一つ開放していくのが、このアクティビティになる。

そして、たった一つのブロックを開放するだけなのに…

  1. 児童解放
  2. 賞金稼ぎ
  3. テンプル騎士団狩り
  4. ギャングの拠点

上記の4個のミニゲームを全て消化し、その後に出現する「ギャングウォー」も制する必要があり、これがとても「重い」のだ。

そして、これを他のブロックでも繰り返す…。

確かに無視することも出来る。
しかし、やっておいた方がプレイは数倍も楽になる。

ほぼ必須の「制圧アクティビティ」の下に、別のアクティビティを置くことで、それらを”プレイするモチベーション”を高める意図があると思われるが、残念ながら“質よりも量”なので、現状では水増し行為に見えてしまう。

反復的なミッションが目立つ

メインミッションもあまり質が高くない。

『Assassin’s Creed IV Black Flag』でも不評だった「尾行ミッション」や「護衛ミッション」が復活しており、今作でもやはり面白くない。

また、演出を見せるために、プレイヤーを不自然な形で足止めする瞬間もあり、所々で作りの甘さが露呈する。

最初から最後まで同じ顔の敵と戦い、内容的にも代わり映えしない反復的なミッションが多い。
そしてボス戦はかなり酷い出来。

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総評

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散々ネガティブなことを書いたが、実際のところ今作は見事に軌道修正した一作。

プレイ面は「いつものアサクリ」だが、アクションゲームとしては手堅い作りとなっており、個々の出来はさておき、ここまでのボリュームを一つのパッケージに収めている手腕は見事。

私としては『Assassin’s Creed IV Black Flag』以来の当たりであり、律儀に第一作目から追っているファンのみならず、新規プレイヤーも手を出しやすい一作だろう。

次の記事>>>未プレイでも安心/オススメのアサシンクリードを紹介。

▼過去作のレビュー▼