【評価/感想】アサシン クリード オリジンズ【批評/レビュー】

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タイトルAssassin’s Creed Origins
販売元Ubisoft
開発元Ubisoft Montreal

一年一作のリリーススケジュールを中断して初めてのAssassin’s Creed。商業的にも批評的にも高評価を得た『Assassin’s Creed IV: Black Flag』の開発チームを迎え、シリーズの仕切り直しを図った一作。

▼ストーリー▼

力と陰謀が渦巻く古代エジプトは、非情な権力争いの末、崩壊の危機を迎えていた。
アサシン教団の起源となる時代に立ち戻り、暗き秘密と失われた伝説を解き明かせ。

公式サイト

▼過去作のレビュー▼

Good

  • 広大かつ多様性に満ちた古代エジプト
  • 刷新された戦闘メカニック
  • コンテンツ量
  • リプレイ性の高さ

Bad

  • 詰めの甘いレベル制度
  • それでも易しい戦闘
  • 暴走するロックオンシステム
  • 進展のない現代編
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仕切り直しの1本

年刊リリースを中断したワケ

現代編も仕切り直し。

今作は年刊リリースを中断して初めての新作である。
これまでAssassin’s Creedと言えば、”一年一作”のペースで新作が発売され、毎年確実にヒットを飛ばす、Ubisoftのドル箱タイトルだったわけだが、実態は同じ雛形の使い回しであり、前作までは”無理な増改築を繰り返した長屋”のような作品だった。

私はシリーズの熱心なファンを自負しているが、それでも『Assassin’s Creed Syndicate』でのマンネリ化は無視できないレベルだと感じており、プレイ当時はシリーズの限界を予感させた。

Ubisoft自身も公式ブログで同様のことを述べており*1、マンネリ化の解消を目的とした”シリーズの再検証”をすべく、年刊リリースを中断すると書いている。

『Assassin’s Creed Origins』は、その末に満を持して登場した一作なのである。

イチから再設計

「1年待った甲斐はあったか?」と聞かれれば「あった」と答える。

過去作が”無理な増改築を繰り返した長屋”だとすれば、今作はイチから設計された一軒家だ。

ナンバリングを重ねる毎に複雑化していたストーリーは、シリーズで最も古い時代を描くことでリセットし、名ばかりのソーシャル ステルス、いたずらにプレイスタイルを縛っていたフルシンクロも綺麗さっぱり姿を消している。

その一方で、”終わりを感じさせない”広大なオープンワールドとミッション群、リプレイ性の向上を狙ったRPG要素とハクスラ要素の初導入などによってボリュームは増し、無駄な贅肉を削ぎつつもしっかりと肉付けもしている。

さらにパルクールや基本的なアクションの数々も、大胆に変更が加えられており、これまでの煩雑さとは無縁のゲームプレイを実現している。

当然、こうしたシリーズの抜本的な改革は”イチからの再設計が許されたから”こそであり、年刊リリースを中断した意味はとても大きいと感じる。

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新たな試みの多くは発展途上

新たな戦闘メカニックはハードコア

TW3より。

何よりも変わったのは戦闘メカニックだろう。
前作まではハードさと引き換えに非常に”爽快な無双ゲーム”だったが、今作では『The Witcher 3: Wild Hunt(TW3)』的な戦闘メカニックが導入されている。

今作の新たな戦闘では、敵の攻撃を盾で防ぎ、ステップで背後に回って切り刻む、もしくは敵の攻撃を跳ね返して致命傷を与えていく。
言い換えれば、敵を斬り刻む前の段階に戦略性が持ち込まれているのが特徴であり、いくつもの手順を踏んだ上で決着が付く内容に刷新されている。

さらに難易度はレベルに基づいて変化し、同レベルまたはそれよりも上の敵との戦闘では、過去作とは比較にならないほど手強い戦闘が楽しる。

少なくとも私はこの路線を大歓迎したい。

ただし、スマートではない

主人公を狙う”執行人”。彼らは高レベルの敵なので苦戦必至。

けれども、遊べば遊ぶほど「発展途上」という事実にも気づく。

度々暴走するロックオンシステムは、乱戦に余計な混乱を持ち込み、上手く視点移動できないことによるストレスと、余分なダメージを受ける原因を生んでいる。
また、戦闘時の操作方法は煩雑で、LBで盾を構えてBで弾き返すという二重操作はスマートとは言えず、敵の攻撃に対してワンボタンで反応できるTW3の方が断然遊びやすいと感じた。

これと同じことが”レベル制度”にも言える。
というのも、今作では低レベルエリアと高レベルエリアが隣接されているため、気づかぬうちに高レベルエリアに足を踏み入れてしまい、敵に瞬殺されることがよく起きる。
さらに、レベルに依る敵の強さもアンバランスで、同レベルないし高レベルの敵は手強いが、低レベルは瞬殺できるほど弱く、緊張感を最後まで持続させる*1レベルスケーリングが無いと物足りなくなってくる。

新要素を試す姿勢は歓迎だが、その多くは次回作以降への課題となっている。

*1 レベルスケーリングはアップデートで追加された(ニュース記事)。

一国を再現する贅沢さ

今作のオープンワールドは、シリーズで最も広大かつ多様性に満ちている。

広大なオープンワールドには、冒険心を刺激するギザの大ピラミッドや、多様な文化を持つ大都市アレクサンドリア、さらには果てしない砂漠まで存在し、運河にはワニやカバ、ジャングルにもライオンやシカ等が生息しており、そこでは互いに襲い襲われるダイナミックな生態系を垣間見ることが出来る。

そんなオープンワールドには、上記のピラミッドや野生動物のみならず、膨大な数のコンテンツが所狭しと配置されており、1歩進めばサイドミッションやランダムミッションを目にできる。
さらに、今作ではハクスラ要素が初導入され、回収できる武器の収集にも意味が生まれており、一度足を踏み入れると抜け出せない沼地のようなオープンワールドになっている。

今作の古代エジプトを丸々再現し、そこへ大量のコンテンツを投入する手法は、潤沢な資金と人員を持つ大手スタジオだからこその力技であり、“この世界を探索できる”だけでも値打ちものである。

ただし、コンテンツは質素

豪華な見た目とは裏腹に、個々のサイドミッションやランダムミッションの質は決して高くない。
というのも、基本的にサイドミッションは似たり寄ったりな内容になっており、ランダムミッションはほぼほぼ同じ内容の繰り返しだからだ。

今作のオープンワールドはとにかく”贅沢”ではあるのだが、その一方で肝心のコンテンツは質素であり、ここも次回作以降の課題となるだろう。

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総評

まだまだシリーズには可能性が残っていることを示した一作。
決して100点満点ではないが、次回作以降にも期待が持てる仕切り直しの内容になっており、すでに次回作が待ち遠しい。

シリーズファン的には、過去10年に渡って描かれて来た物語の”起源”に触れられる点は感動的で、シリーズの数々の名場面も、この起源から始まる壮大な歴史の運河の一部であるという事実に感動することだろう。

次の記事>>>“全作制覇”の私がオススメするアサシンクリードを紹介。

Q&A

Q.オンラインプレイは?
A.非搭載

Q.パピルスの場所は?
A.IGN(US)のまとめが分かりやすい。

Q.ストーンサークルの場所は?
A.Youtubeにアップされてる動画が分かりやすい。

Q.アップデート内容は?
A.公式フォーラム(英語)を参照

Q.アルタイルやエツィオの衣装は?
A.Uplayのリワードとして入手可能。

*1 A MESSAGE FROM THE ASSASSIN’S CREED TEAM