“仕切り直し”の一本【評価・感想】『アサシン クリード オリジンズ』レビュー

4.5
オープンワールドゲーム
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【評価・感想】『アサシンクリード オリジンズ』レビュー【ゲーム紹介/Cevio】
タイトル Assassin’s Creed Origins
機種 PC,PS4,Xbox One
プレイ/クリア時間 30時間~

👍Good

  • 古代エジプトを再現した広大な世界
  • アクションRPGとしてのアサクリ

👎Bad

  • 特に煩雑に感じられる戦闘
  • 反復的なゲーム内容

パルクール系オープンワールドゲーム。

剣戟と【パルクール(人間の身体能力を活用するスポーツ)】を取り組んだ作品になっており、プレイヤーは建物を登り、飛び回り、そして敵と戦っていく。

なお、今作から”アクションRPG化”された。

シリーズとしてはメインシリーズの十作目。

上記事ではこのシリーズのストーリーを詳しく解説している。

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評価

新生アサシンクリードの誕生

今作は一年に一作という発売スケジュールを中断して初めてのアサシンクリードとなる(だった)。

アサシンクリードと言えば、『アサシンクリード2』以降は”一年に一作”のペースで新作が発売され、出せば確実に売れるUbisoftのドル箱タイトルだったわけだけれど、ゲームとしては同じ型を何度も使いまわしたものだった。

言わば、前作『アサシンクリード シンジケート』までは”増改築を繰り返した屋敷”のような作品だった。

Ubisoftが発売スケジュールを見直すと発表した際、同社は”ユーザーから寄せられた声を受け、開発プロセスを見直し、ゲームメカニクスを進化させる”と明言しており、Ubisoft側にもゲーム全体を刷新する時期だという認識があったものと思われる。

その上で、Ubisoftは今作の開発に”シリーズの中でも特に高く評価されている”『アサシンクリードIV ブラックフラッグ』のチームを抜擢した。

  • シリーズ自体を再検証する
  • 今作の開発に傑作、ブラックフラッグのチームを抜擢する

今作はそうした経緯を経て、登場したアサシンクリードになっている。

海戦は後半に少しだけ登場する

さて、今作をクリアした今、「待った価値はあったか?」と聞かれれば、私は「あった」と答える。

これまでのアサシンクリードが”増改築を繰り返した屋敷”だとすれば、今作はイチから設計された新築と言える。

ナンバリングを重ねる毎に複雑化していたストーリーは、(発売当時は)シリーズでもっとも古い時代を描くことでリセットし、名ばかりのソーシャル・ステルス、いたずらにプレイスタイルを縛っていたフルシンクロなども綺麗さっぱり姿を消している。

ただ、シリーズの伝統的な要素をリストラする一方で、古代エジプトを再現した広大なオープンワールドや、山ほど用意されたクエスト、本格的なRPG要素、ハクスラ要素など、新しいものを貪欲に取り入れている。

要するに、贅肉を削ぎ落としつつ、しっかりと肉付けもしている。

また、今作では戦闘メカニックもイチから作り直されている。

今作では『ウィッチャー3 ワイルドハント』を想起させる戦闘メカニックが導入されており、これまでの無双っぽさを感じさせるものから、よりアクションを重視するものに生まれ変わっている。

今作の戦闘では、敵の攻撃を盾や回避で防ぎつつ、ステップして敵の背後に回って切り刻む、もしくは敵の攻撃を跳ね返して致命傷を与えるなどする必要があり、正確な操作や立ち回りを意識させられる。

さらに、敵の強さはレベル差によって変化し、同レベル~やや高いレベルでも気を抜くと倒されるし、高レベルでは瞬殺されるなど、RPG的な要素が色濃く反映されている。

当然、フリーランも刷新されており、こちらは初期シリーズのシンプルなフリーランをベースに、『アサシンクリード ユニティ』以降の下方向への移動を加えたものになっており、シンプルで、軽快なフリーランを実現している。

こうしたシリーズの大胆な改革は、”イチからの再設計が許されたから”こそであり、発売スケジュールを見直して時間的な猶予を得た意味はとても大きいと感じる。

オープンワールド系アクションRPGとして

オープンワールド系アクションRPGとしては、オーソドックスな作りをしており、広大なマップがあり、たくさんのクエストがあり、現在のレベルに合わせて好きな順番でクエストが遊べる。

この辺りは「アサシンクリード」としては新しい試み。

一方で、「アサシンクリード」的な要素もしっかりと残っている。

今作は『アサシンクリードIV ブラックフラッグ』以降のアクションでも、ステルスでも遊べる柔軟なゲームプレイを前面に押し出した作風になっており、どちらか一方の遊び方を強制されることはない。

同時期に発売された同じくUbisoftのオープンワールド系アクションゲーム『ゴーストリコン ワイルドランズ』のように、今作でも広めに切り取られたエリアをミッションエリアとして、「ゴーストリコン」ではドローンを、今作では鷹(セヌ)を飛ばして偵察&(敵を)タグ付けし、あとは各々のプレイスタイルに合わせて遊ばせる。

このオープンワールド系アクションRPGと、「アサシンクリード」的な自由度の高いゲームプレイとの組み合わせは、類似作と比べた際に際立つ今作の強みになっている。

説得力のあるゲーム世界

「アサシンクリード」シリーズは、当時の町並みを忠実に再現したオープンワールドも一つの魅力になっており、一種のバーチャル観光ゲーム的な側面がある。

今作では”古代エジプトを忠実に再現した”というオープンワールドが用意されており、大ピラミッドからアレクサンドリアまで、見るべきロケーションがたくさんある。

ただ、今作は単に”町並みがリアル”というだけではなく、ゲーム世界に説得力があり、画面の向こう側に生きた世界があり、その中にいるという感覚がある。

例えば、プレイヤー抜きでもゲーム世界は動き続けているので、水辺で住民がワニに襲われていたり、プレイヤーが倒すはずだった盗賊が別の盗賊に倒されていたりなどする。

また、現実世界の法則が、”ある程度”反映されたゲーム世界でもあり、乾燥した草木に火を近づけると燃え広がり、敵の亡骸を放置していると動物が寄ってくるなどする。

加えて、一部のサイドクエストでは、クリアした後も依頼主がゲーム世界から消えずに残っており、クリアした後にプレイヤーが自発的に戻って「全て終わった」と伝えてあげることもできる。

要するに、今作のゲーム世界は”いるべき人がそこにいて、あるべきものがそこにある”という世界になっており、それによってゲーム世界に説得力が生まれている。

こうした”ゲーム世界の在り方”も、今作の長所になっており、説得力があり、プレイヤーと相互作用する今作のゲーム世界は、高い没入感にも繋がっている。

欠点は反復的なところ

メインクエストも、サイドクエストも、基本的には”セヌで偵察&(敵を)タグ付け=>敵を殲滅 or アイテム等を回収”というテンプレートに沿ったものばかり。

経験値や入手できるアイテムなど、プレイヤーのモチベーションを維持させる仕組みはそれなりに用意されているが、”同じことを繰り返す”という根本的な部分は最後まで解消されない。

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オデッセイとの比較

上記事では今作と続編「オデッセイ」を比較して、それぞれの特徴を紹介している。

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総評

今作は、このシリーズを次のステージへと押し上げる野心的な一作。

オープンワールド系アクションRPGへと転換する大胆な改革によって、このシリーズを覆っていた停滞感を見事に払拭しており、なおかつ、新しいストーリーを用意することでシリーズの仕切り直しにも成功している。

シリーズファンとしては、アサシン教団の”起源”を体験できる点は特に魅力的であり、このシリーズの数々の名場面も、この”起源”から始まった壮大な歴史ストーリーの一部である事実に感動する。

また、オープンワールド系アクションRPGとしても、非常に完成度の高い作品だった。

関連記事>>>【2020年版】オススメの「アサシンクリード」を全て紹介/未プレイでも遊べる?プレイする順番は?なども

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初版:2017年12月10日 00:14

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