【評価/感想】良い点も悪い点も/ウィッチャー 3 ワイルドハント【批評/レビュー】

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原題The Witcher 3: Wild Hunt
発売日2015年5月19日
開発元CD Projekt RED
備考公式サイト

硬派なオトナ向けRPG作りに定評がある、ポーランドのCD PROJEKT REDの一作。
ダークファンタジーな世界を舞台に、プレイヤーはWitcherと呼ばれ忌み嫌われる「モンスタースレイヤー」として、この危険で過酷な世界を生き抜く。

なお、Witcher 「3」とあることからも分かるように、今作は「続きモノ」。
なので、過去作や原作の知識がないとストーリーを読むものは厳しいかも知れないが、一応は新規層にも配慮されているので、さほど問題にはならないはずだ。

▼過去作▼

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前作との違い

オープンワールドの導入

今作では、シリーズで初めてオープンワールドが導入されている。

ただ、今作のオープンワールドは地続きではなく、”エリア毎”に分割されており、エリア間を移動する際にはロード画面が入る形だが、個々のエリアが十分過ぎるほど広大”。

さらに各エリアのロケーションは多彩。
今作のマップは、ノヴィグラドに代表される大都市を始め、邪悪な魔女が支配する森や激戦の後が残るヴェレンなど、”3個の大マップと膨大な地域”から構成されており、それらがシームレスに繋がるのでとても壮大だ。

また、ただ歩き回るだけでも十分楽しめるほど作り込まれている。
今作はフル日本語化されているので、住民のささやき声さえも感じ取りながら遊べる。

霊薬や操作性も変更

霊薬はいつでも飲める

The Witcher(1)より。

まず、【霊薬】は戦闘中でも飲める仕様に変更されている。
そもそも、ウィッチャーたちは【霊薬】と呼ばれる”特殊な薬”を飲み、自らの能力を強化できる。彼らは相手に合わせて霊薬を使い分け、自分の何倍以上もの大きさのモンスターと張り合うのだ。

しかし、なぜか前作『ウィッチャー2』では戦闘中に飲むことは出来なかった。
【霊薬】は戦闘前に飲むことしか出来ず、敵に強襲された際は”飲めないまま”戦闘に入ることがあり、非常に苦労させられたが、今作ではいつでも飲める。

洗練された操作性

今作はよりコントローラフレンドリー。
前作『ウィッチャー2』では、妙にカクカクした動きと、一歩目がやや遅れる点に違和感を覚えたが、今作の主人公は自分の思った通りに動いてくれるので快適の一言(まあ、若干独特な動きではあるが)。

中でもジャンプの追加は大きい。
前作では、膝ほどの段差さえもジャンプできず、無駄に迂回することが多かったのだが、それは過去の話である。

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注目すべき3点

重厚なストーリー

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メインクエストはその「構成」が特徴だ。。
まず、このシリーズの特徴として”複雑な分岐”が挙げられるのだが、今作でも各クエストでの選択がストーリーを変化させ、キャラクターの生死さえも左右する。

目の前にいる人物を「殺害するか、見逃すか」というものから、相手の話を「全て聴くか、要点だけ聞か」というものまで、まさに膨大な数が用意されており、どちらを選んでも違った反応が返ってくる。

そして、常に「選択と結果」が付きまとう。
私たちの世界と同じく、ゲーム世界も”視点を変えれば見え方が変わる”ものが多く、「楽な選択」が用意されていることは稀であり、それゆえに「選ぶ行為」はとても重い。

最後は己の倫理観に照らし合わせて選択していくのだが、それら選択の数々がストーリーに反映され、”自分の選択がゲーム世界を一変させる”ダイナミックさは今作ならではの点だ。

ゆえに2周目も面白い

1周目とは異なる選択を繰り返せば、同じクエストであっても別の結末を迎えることが多い。
※今作には3種類のエンディングと、36種類の細かな変化が存在する

圧倒的なコンテンツの量と質

コンテンツの質と量に圧倒される。

  • メインクエスト
  • サイドクエスト
  • ウィッチャーへの依頼
  • トレジャーハント

どれ一つとして同じ物がないのは賞賛されるべき点。
例えば、”勝ち進んでいくだけの”トーナメント系クエストや、トレジャーハントにさえ洒落の利いた小話が用意されおり、「単なる水増し」に思えるコンテンツは存在しない。

開発者いわく”メインとサイドのコンプには約100時間”とのことだが、決してウソではない。

今作の丹念な作り込みには驚かされる。
どれだけ小さなクエストにも、”何かしらの”小話や仕掛けが用意されているのだ。

モンスターとの一進一退の攻防

このシリーズのもう一つの特徴は、凶暴なモンスターとの死闘。
今作では、DARK SOULS風とも言われる戦闘メカニックが導入され、これまで以上に「攻撃」や「防御」と言った基本動作を重視する、通好みのハードコアなアクションゲームに進化している。
また、スキルの取捨選択や霊薬の使い分けなど、戦闘の準備段階から既に戦いが始まっている点も面白く、その二段構えの戦闘はとても白熱している。

(狭い空間でのリンチさえ除けば)硬派で泥臭い戦闘はよく出来ており、Griffinに代表されるボス級モンスターとの戦いは、過去作以上に手に汗握る場面の連続だ。

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欠点は一部の「縛り」

1本道的なシリ編

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シリ編は一本調子でやや退屈する。
このパートでは、一時的に操作キャラクターがシリに切り替わり、1本道的なクエストが展開されるのだが、個人的には引き継きオープンワールドベースのクエストの方が良かった。

理想的なのは、操作キャラクターのみが切り替わる『バットマン アーカム・シティ』スタイルだ。

関連記事>>>Ciri視点からストーリーを考察。

進行を縛る、推奨レベル

ゲラルトとエムヒル。ゲラルトの養女であり、エムヒルの実娘でもあるシリが行方不明に。

今作では推奨レベル以下のクエストはプレイ不可に近い。
推奨レベルとは、要するに「このクエストはxレベルになってから遊んでね」ということなのだが、低レベルの時分から高難易度のサイドクエストが次々と発生するので、プレイしたいのに出来ない”もどかしさ”を感じることが多い。

今遊べるクエストが順番に開放されていく方式の方が分かりやすい。

単調な捜査パート

捜査パートはひと工夫が欲しかった。
主人公ゲラルトはモンスタースレイヤーである一方で、優秀な追跡者でもあるので現場の痕跡からターゲットを追跡するクエストは割と多い。

これが基本的に「透視する→インタラクション」という味気ないパターンの繰り返しになっており、もっとパズルやギミックを駆使した捜査があればなお良かった。

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総評

オープンワールド系RPGとしては今世代で一番の作品だろう。
複雑に分岐するダイナミックなストーリー、技術の進歩を感じさせるグラフィックや、質と量で攻めるコンテンツには圧倒される。圧倒されっぱなしだった。

今作は、後続の作品が超えるべきハードルを一気に押し上げた傑作。

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