【評価/感想】過去作には遠く及ばない / アサシンクリード3【批評/レビュー】

【評価/感想】過去作には遠く及ばない / アサシンクリード3【批評/レビュー】

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新生アサシンクリードとも呼べる一作。
散々使い倒した1作目『アサシンクリード』の雛形を一新しており、格段に向上したグラフィック、アニメーションやゲームプレイが最大のウリとなる、久しぶりのナンバリングタイトルである。

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▼ストーリー▼

▼過去作のレビュー▼

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評価できる2点

プレイ面の大幅な刷新

今作は「新生アサシンクリード」とも呼べる一作。
要するにプレイ面の大幅な刷新が断行されており、アニメーションや操作方法に至るまでほぼ全ての要素が新しく作り替えられている。実質的には『アサシンクリード』の発展版だった前作アサシンクリード リベレーション』までのアサクリとは「別物」と言っても差し支えないほど根本から見直されている。

戦闘はよりアクション寄りに

今作ではBボタンで敵の攻撃を防ぎ、カウンターキルへと繋げる。
前作『アサシンクリード リベレーション』までは、ほぼワンボタンで完結する戦闘になっており、それと比べれば若干難しくなっていると言えるが、個人的には“無双感”とアクション性を両立させた改善に感じる。

賛否両論だが、私はカウンターが利かない敵兵の存在も「アリ」。
確かにテンポを悪くしている面はあるのだが、咄嗟にAボタンを押して相手の体勢を崩すプレイは、ワンパターンになりがちなアサクリの戦闘に必要だった変化であり、緩急の付いた戦闘は面白い。

パルクールは”ノンストレス”

これまでのパルクールは、言わば”建物に特化した”ものだったが、今作では木々や崖っぷちでもスイスイと登れるので、パルクールを駆使した移動は過去作以上に無駄がなくて爽快。

アサシンクリード ブラザーフッド』では、”登れない崖っぷちを迂回させられる”ストレスがあったが、今回はそんなストレスとは無縁だ。

また、一新されたパルクールもノンストレスだ。
これまではRTでダッシュしてAボタンでジャンプする必要があり、それが思わぬ方向へジャンプしてしまうという問題を生んでいたのだが、今作ではパルクール操作はRTに集約され、かつ半自動的に進んでいくので、本当に誤操作が少なくなっている。

なお、ダッシュ=パルクールになったことで、”ダッシュしたいのにパルクールしてしまう”という新たな問題が生じているが、パルクールの誤操作と比べれば些細な問題である。

一部のサイドミッションは当たり

大半のサイドミッションは”空っぽ”なのだが、「海戦」や「ホームステッド」は面白い。
特に「海戦」に関しては続編『アサシンクリード4 ブラックフラッグ』でメイン要素に格上げされ、さらには『スカル アンド ボーンズ』としてシリーズ化されるほど人気の高いサイドミッションになっており、初登場の今作の時点でそのポテンシャルの高さが伺える。

また、これも初登場となる「ホームステッド」も面白い。
これは、主人公コナーの土地に人々を勧誘して発展させていくサイド要素。実際に固有の名前を持った住民たちが住み着き、各々の行動パターンに沿って生活している様子を見守ることができるので、時間を掛けてでも発展させていくことが面白く、彼らが生産するアイテムが”プレイヤーの懐を温めてくれる”点も有り難い。

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欠点

不自然なペース配分

観客でごった返す王立劇場での暗殺で幕を上げるオープニングは、圧倒的に向上した表現力と一新されたアニメーションが相まって、これから始まる大冒険への期待値を膨らませるには十分な滑り出しと言えるが、残念ながらそれ以降は不自然なペース配分のシークエンスが続く。

具体的に言えば「アサシンクリードがなかなか始まらない」のだ。
既述したオープニングの次に用意されたシークエンスでは長い船上でのイベントが描かれ、アメリカ上陸後も仲間集めに奔走することになり、その後も主人公コナーの幼少期のイベントをプレイすることになる。

パッケージにプリントされた主人公を操作できるようになるシークエンス6までは、実質的なチュートリアルになっており、最初の5時間ほどは長々と説明口調のシークエンスをプレイしないといけないので、非常にテンポが悪い。

…にも関わる、説明不足に感じることが多い。
例えば唐突に登場する「弟子システム」やそれに付随する育成要素は、過去作で”分かっている”人以外は気づきにくい仕様になっており、過去作をプレイしていた私でも1週目の時は存在すら知らずにクリアしてしまった。また、「交易」に関してもインターフェイスが何層にもなっており、ネットで解説を読んでようやく理解できた始末だ。

よって全体的にペース配分が不自然で、煩雑に感じられる。
チュートリアルに何時間も費やすが説明漏れが生まれており、メインミッションに当たるシークエンスもスロースターター過ぎるのだ。

退屈なミッション内容

各ミッションに広がりを感じない。
要するに一本道的なミッション構造になっており、過去作と比べて創意工夫の余地があまりにも少ない。単に仲間を護衛するだけだったり、仲間とお散歩するだけだったりするミッションが多く、演出重視ではあるが、それと引き換えに攻略の幅を失っている。

フル・シンクロは余計に退屈

サブ目標失敗(画像左)。クリアしても達成感が薄い。

今作にも「フル・シンクロ」が存在する。
だが、今回はプレイ中にも「サブ目標」が追加される仕様になっており、それを含めて達成して100%クリアになるので無駄に難易度が高い。また、プレイ中にさり気なく条件が追加されることがあり、「フル・シンクロ 失敗」と表示されて初めてそれの存在に気づくことさえある。

また、単純に「フル・シンクロ」の条件がやたら厳しいことに加え、こちら側ではコントロールできないゲーム側の問題で失敗することもあり、相当面倒臭いやり込み要素になっている。

個人的には「意識してプレイすれば達成は簡単」に感じられた『アサシンクリード ブラザーフッド』くらいの緩さで構わない。

製品としてのクォリティ

映像が”ぼけた”ままに。

他方で指摘されている通り、未だにバグが多く残っている。
私の場合では帳簿に「輸送隊が攻撃されました」という表示が残り続ける、グラフィックが乱れると言ったバグに遭遇しており、製品としてのクォリティに疑問符が付く。

また、プレイ面に関しても”街中で警戒された際に敵兵がアホほど湧く”点や、行動を縛る敵兵の異常なほどの視力の良さなど、明らかに不自然な状態が放置されており、細かな部分の詰めが相当甘い。

これは年刊リリースの弊害か。
特に今作はストーリーと発売時期がリンクする内容になっており、余計に延期は許されない状況だったと思われるが、それゆえにテストプレイや修正の時間が十分に取れなかったのでは?と邪推する。

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【総評】過去作には遠く及ばない

全体的に”粗粗しい”大作。
今作は戦闘メカニックやパルクールの在り方を根底から見直した野心的な一作ではあるが、一方で量を重視した空っぽのサイドミッションや、詰めの甘いゲームシステムが散見される作品でもある。

グラフィックやアニメーションは改善されても、過去作には遠く及ばないナンバリングタイトルである。

▼過去作のレビュー▼

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