原題 | Assassin’s Creed III Remastered |
対応機種 | PC,PS4,Xbox One,スイッチ |
プレイ/クリア時間 | 25時間~ |
ストーリー | 独立に揺れるアメリカを舞台に、ネイティブ・アメリカンの血が流れる主人公・コナーは、テンプル騎士団の陰謀を阻止せんと暗躍する。 |
👍Good
- 美しいグラフィック
- 都市と大自然のマップ
- 刷新された戦闘メカニックとパルクール
👎Bad
- 全面的に粗粗しい
パルクール系オープンワールドゲーム。
剣戟と【パルクール(人間の身体能力を活用するスポーツ)】を取り組んだ作品になっており、プレイヤーは建物を登り、飛び回り、そして敵と戦っていく。
なお、シリーズとしてはメインシリーズの五作目。
上記事ではこのシリーズのストーリーを詳しく解説している。

評価
ゲーム全体を刷新した意欲作
前作『アサシンクリード リベレーション』までは、一作目『アサシンクリード』をベースにしたゲーム内容になっており、”新しいものを遊んでいる”という感覚はあまりなかった。
『アサシンクリード リベレーション』を遊んだ後に、『アサシンクリード』を遊んでも意外と違和感がないくらい、フリーランにしても、カウンター主体の戦闘にしても、一作目の延長線上にあるものばかりだった。
その点、今作では全てが新しくなっている。
フリーランは操作ごと変更されており、今作では壁をよじ登ることはもちろん、断崖絶壁や木にもよじ登れるようになっており、フリーランの自由度が格段に増している。
(ただ、フリーランに関してはダッシュ=フリーランに変更されたことで、”ダッシュしたいのにフリーランしてしまう”という問題が生まれているが)
また、戦闘は、依然としてキル・ストリーク中心の無双ゲーではあるけれど、カウンター攻撃のタイミングがシビアになっており、かつ、カウンター攻撃では倒せない敵も登場するので、無双とアクションを上手く両立している。
アサシンクリードの戦闘で、軽くスリルを感じるのは久しぶり。
あとは、主人公のアニメーション(動き)も一新されており、繋ぎ目を感じさせない滑らかで、躍動感ある動きは何度見ても惚れ惚れする。
また、今作は新要素がそれなりに用意されている。
海戦 | 船を操縦し、敵船と戦う |
ホームステッド | 人々を呼び込み、その地域を発展させる経営系ミニゲーム |
大半のサイドミッションは空っぽだけれど、「海戦」や「ホームステッド」は面白い。
特に”海戦”は、『アサシンクリード4 ブラックフラッグ』でメイン要素に格上げされ、『スカル アンド ボーンズ』として独立するだけあり、今作の時点で非常に白熱した戦闘が楽しめる。
今作では多くのものが新しくなっているけれど、それぞれの要素に関してはクォリティが高く、全てを新しく作り直した意味が感じられる。
あまりにもスロースターターすぎる
5時間近く遊んでようやく、アサシンクリードが始まる。
全12シークエンスのうち、前半にあたる6シークエンスがチュートリアルを兼ねたミッションになっており、ひたすらチュートリアルが続く。
なぜかと言えば、今作は、新要素が盛りだくさんなので覚えることが多いにもかかわらず、各要素を小出しにするからであり、結果、チュートリアルがダラダラ続く。
今作ではフリーランのようなベーシックな動作にしても、わざわざ2回に分けてプレイヤーに覚えさせる。
さらに、表紙のアサシンを操作できるのもシークエンス6辺りから。
加えて、チュートリアルは長いが、説明不足に感じることが多い。
例えば、インターフェイスの複雑さも相まって交易は必要以上に分かりにくいし、弟子にしても「どうやって弟子を集めるのか」がゲーム内の説明だけでは分からなかった。
過去作では、簡潔なインターフェイスと、丁寧なチュートリアルが用意されていたので、それぞれの要素を理解した上で遊べたが、今作では一旦、プレイを中断してググることが何度かあった。
全体的に、今作はペース配分とプレイヤーを誘導する点に難がある。
前半をチュートリアルに割いたことでいつまで経っても”アサクリが始まらない”問題が生じており、チュートリアルに何時間も費やすが、説明不足に感じることが多い。
ゲームが本格的に始まった頃には、ゲームへの関心が薄れつつあった。
各ミッションは、単調で、制約が目立つ
今作のメインミッションは、単調で、制約が多い。
もちろん、凝ったミッションも用意されているが、盗聴、尾行、エスコートをするだけのミッションも少なくなく、おまけにステルスプレイを強いるものもある。
確かに、今作のメインミッションは演出が重視されており、まるで映画を遊んでいるような感覚を覚える時もあるが、アクションゲームとしては窮屈で、単調な印象を受ける。
フル・シンクロが厳しい…
これまでと比べて「フル・シンクロ」の条件が厳しい.
ミッションによっては、ただ遊んでいるだけで「バツ」が付いていくので、精神衛生上よくない。そもそも、「フル・シンクロ」自体が「アサシンクリード」の作風に合っていないと思うが、今後もあるのであれば、”頑張れば(意識して遊べば)”クリアできるくらいであって欲しい。
リマスター版では改善されているところも
- 草むらから口笛ができる
- 武器選択ホイールが瞬時に開く
- 敵の視界が若干、緩くなっている
- 一部ミッションの内容が少し変更されている
=>主に手間が省かれている - 子供(過去作で言うところの物乞い)があまり追ってこない 等
オリジナル版と比べると、リマスター版はやや遊びやすくなっている。
総評
全体的に”粗粗しい”大作。
今作はこのシリーズを根底から見直した野心的な一作ではあるが、一方で量を重視した空っぽのサイドミッションや、詰めの甘い調整が散見される内容でもあり、全面的に粗粗しい。
正直、過去作には及ばないアサシンクリードだった。
関連記事>>>【2020年版】オススメの「アサシンクリード」を全て紹介/未プレイでも遊べる?プレイする順番は?なども
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初版:2018年8月5日 02:55
加筆修正:2018年8月9日 18:23