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【評価/感想】欠点の多い大作/アサシンクリード ユニティ【批評/レビュー】

ゲームレビュー

2014年のE3で大々的に発表された今作『アサシンクリード ユニティ』。
その”次世代機の到来を感じさせる”グラフィック、演出やゲームプレイに心を踊らされたゲーマーは決して私だけではないはず。

だが、実際に発売された代物は”バグがてんこ盛り”の「未完」とも言えるものであり、Ubisoftはお詫びとして自社タイトルを無料配布する事態にまで発展した。

ただし、それ以降の継続的なアップデートによって現在では相当マシなレベルまで改善しており、今回のレビューはその段階のものとなる。

前回までのアサシンクリードのストーリーを紹介/解説
※続き物なので前作未プレイの人は必読!

▼過去作のレビュー▼

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過去作との違い

今作はシリーズの「新機軸」として開発された一作。
なので、前作『アサシンクリード ローグ』からはゲームプレイやメカニックが大幅に変更されており、多くの面でこれまでとは勝手が違う。

この項目では”今作だけの違い”を書いていきたい。

様変わりした戦闘システム

間違いなく、今作の戦闘はシリーズで最も難しい。

特に戦闘は難しくなっています。以前のシリーズでは1人で10人以上の敵を倒すことができたのですが、「ユニティ」ではできなくなっています。

引用元 – Ubisoft、「アサシン クリード ユニティ」開発者インタビュー

これまでは戦闘は、言わば「無双系」。
敵の攻撃にほぼワンボタンで反撃し、そこから連続技で敵を倒していくことができ、”戦闘中に死亡することは稀”だったほど難易度は低く、爽快感重視の作風だった。

その点、今作では的確に「回避」や「受け流し」を使わせる戦闘になっており、戦闘で求められるスキルや操作は格段に増えているので、これまでに無いほど”手に汗握るギリギリの戦い”が楽しめる。

私としてはこの方針転換は歓迎したい。
さすがに、1作目『アサシンクリード』から続く爽快感重視の戦闘には飽き飽きしていたところがあり、180°方針転換したものの、今作の駆け引きや腕前を重視する戦闘は非常に手強く、中盤以降も作業的にならずに楽しめる。

ただ、全体的なバランスは悪い

アイコンがいっぱい!

一部の難易度の偏りはストレスが溜まる。
例えば、乱戦時は画面の情報過多により、敵からの攻撃を的確に避けることが難しくなり、ライフル兵もお構いなしに銃撃してくるので、一方的にリンチされることは少なくない。

特に敵からの銃撃はお手上げ状態。
というのも、今作では敵からの銃撃を「人間の盾」で防ぐことができず、頼りの煙幕を切れた時は対処法がほぼ無くなり、回避(ローリング)を多用しつつ敵と剣を交えるジリ貧の戦いを強いられる。

暗殺はユニークかつ複雑に

今作の一部ミッションでは、「ブラックボックス」と呼ばれるシステムが導入されている。
そのミッションでは暗殺ターゲットに加えて、「群衆を味方に付けろ」や「鍵を奪え」等の任意タスクが用意されており、それらを活用すればユニークで自由な方法で暗殺できる。

別のゲームで言えば『ヒットマン』っぽい。
単にサクッと暗殺することも出来るが、時間を掛けて舞台を準備することもできるので、これまでよりも周回プレイ向きのミッション内容になっている。

ただ、実際の自由度は低い

assassinscreedunity-review-16072303

実際は「タスクを消化するだけ」に感じることも。
ブラックボックス型ミッションでは、常に右下に「群衆を味方に付けろ」や「鍵を奪え」などのタスクが表示されており、基本的にはそれらを順番に消化していくだけになっているので、言うほど”自由にプレイできる”印象はない。

当然、タスクを無視して遊ぶことは出来る。
だが、”わざわざゲーム側が表示しているということはそれが最善の攻略法”ということであり、あえてそれを無視して遊ぶ理由も無かったりする。また、全てのタスクを消化した場合には特別な演出が用意されていることもある。

なので、謳い文句とは対照的に「自由に暗殺できる」とは思えない。

レベル制度の導入

今作ではレベル制度、カスタマイズやスキル要素が初導入されている。

カスタマイズやスキルは、主人公アルノを自分色に染められるシステムになっており、各々のプレイスタイルに合わせて主人公を育成できる、このシリーズに限れば画期的なシステムになっている。

特にカスタマイズでは、各部位の防具に属性が付与されたことで、防具の組み合わせの重要性が増し、自分のプレイスタイルと相談して防具を決める面白さが生まれている。また、良い防具は値が張るので、積極的にサイドミッションをプレイする動機づけにもなっている。

一方、スキルはイマイチ

今作のスキルシステムは、主人公の”基礎体力を付けていく”感覚に近い。
というのも、今回は主人公の初期能力が極端に低く押さえられており、最初の頃は「イスに座って姿を隠す」や「カネをばら撒いて敵を撹乱させる」と言ったことさえ出来ない。

過去作では当たり前に出来ていたアクションの数々が、封印された状態になっており、序盤は何とも窮屈な印象を受ける。

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欠点

馴染まないステルスプレイ

“戦闘特化プレイ”は死亡リスクが高い。
なので、今作では”戦闘前に敵の頭数を減らすための”ステルスプレイが重要なのだが、そのステルスプレイ自体も問題を抱えている。

具体的には、敵兵が過敏に反応するのでステルス維持が難しい。
また「口笛」などのお手軽な誘導方法、敵兵の亡骸を隠す「死体運び」や敵兵へのマーキングも存在せず、おまけに今作の【鷹の目(透視)】は使用制限がシビアだ。

過去作では出来ていたことが出来ない。
全体的にステルス要素は突貫工事感が否めない仕上がりであり、結果的にアクションとしてもステルスとしても中途半端な印象を強くしている。

空っぽのマップ

確かにコンテンツ量は半端ない。
ミッションを進める度に新たなアクティビティが発生し、最終的にはマップ全体がアイコンで覆われるほどだ(↑画像)。

だが、個々のアクティビティは「反復的な作業のセット」になっており、質より量を優先したその中身にはプレイする価値をあまり感じない。また、単純にアイコンに覆われたマップは視認性に欠ける。

誤操作が頻発するパルクール

今作のパルクールは上下の移動に重点が置かれており、上り下りに関しては過去作よりも滑らかに実行できる。今回は、着地ポイントである【藁(わら)の山】を探すよりも、下方向にパルクールした方が断然早い。

ただ、何かと誤操作が頻発するのは玉に瑕。
アサシンクリード3』以降のパルクール同様に、テーブルや手すりに乗ってしまうことが多く、”妙に言うことを聞かない”主人公の動作も相まって、ストレスを覚える瞬間は少なくない。

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【総評】大きくジャンプして着地に失敗

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シリーズの抜本的な改善に取り組んだ意欲作。
未だにハイレベルなグラフィックや、内装も充実した1/1スケールのパリなど、過去作よりも格段に進化した点は多く、シリーズファンはその違いは満足できるはずだ。

ただ、全体的なバランスの悪さや、一部機能していない要素など、理想図と実際のゲームプレイとの開きが大きく、端的に言えば中途半端なアサクリに仕上がっている。

要するに「大きくジャンプして着地に失敗」した大作である。

▼過去作のレビュー▼