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【評価/感想】ライフ イズ ストレンジ ビフォア ザ ストーム【批評/レビュー】

アドベンチャーゲーム
原題Life is Strange: Before the Storm
開発元Deck Nine
発売日2017年8月31日
備考公式サイト

2015年を代表するADV『ライフ イズ ストレンジ』の外伝作。
今作では『ライフ イズ ストレンジ』の3年前が舞台となり、プレイヤーはクロエ・プライスとしてアルカディア・ベイ、ブラックウェル高校を再び訪れる。そして『ライフ イズ ストレンジ』でも言及されたレイチェル・アンバーとの出来事を描く。

『ライフ イズ ストレンジ』レビュー

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続編ではなく、前日譚

空白期間を埋める

今作は”クロエがクロエになるまでのお話”と言える。
ライフ イズ ストレンジ』では主人公マックス・コールフィールドの親友として登場したクロエ・プライスは、その派手なタトゥーと澄んだ青色の髪が強烈に印象に残る人物であり、内気なマックスをやや強引ながらもリードする活発なティーンエージャーだった。

その点、今作のクロエは大人しい。
確かに、エピソード1の時点でも”その片鱗”は感じるものの、それでも今作のクロエは前作ファンが知っている彼女ではなく、「父が事故死」や「親友の転校」の中で揺れ動くティーンエージャーとして描かれており、今にも消えて無くなりそうな脆さを感じる。

そこへ、レイチェル・アンバーが登場する。
彼女は「学園の花」として注目されているが、一方で彼女なりの深刻な問題を抱えており、クロエとレイチェルはお互いの暗い部分を明かしながら信頼関係を築いていく。

レイチェルと交流する中で、クロエがクロエになっていく。
『ライフ イズ ストレンジ』では”失踪した謎多き”生徒として言及されたレイチェルを深く掘り下げる一方で、”クロエがクロエになった”理由や経緯も明かされる。

シリーズファンにとっては理想的な前日譚。
クロエ以外にも、フランクやデイビッドが再登場し、彼ら自身もいかにして本編の彼らへとなって行ったのかが描かれるので、前作ファン必見の中身になっている。

そして”あの結末”へ

前作のネタバレ注意

マックスとクロエ、ストームを前に。『ライフ・イズ・ストレンジ』より。

“結末を知っている”からこそ辛い。

前作プレイ済であれば”クロエの行き着く先を見た上でプレイする”ことになる。
ライフ イズ ストレンジ』では、”マックスとして”クロエを数々の危険から救うべく手を尽くすものの、最終的には「クロエと町、どっちを選ぶ?」という究極の2択を迫られる。

  • 町に甚大な被害を出しながらもクロエを救う
  • クロエを犠牲にして町を救う

前作の3年前を描く前日譚は上記の結末が前提。
今よりも先の出来事を予見している点では、プレイヤーは前作の主人公と状況は変わらないわけだが、残念ながらクロエを助ける術がなく、”ストームに向かっていく”クロエをただ見守ることしか出来ない。

クロエも、アルカディア・ベイも最後は災難に見舞われる。
何か選択する度に1歩ずつ”あの結末”に近づく現実がずっしりと重く、クロエとレイチェルのやり取りに和まされながらも、心を締め付けられる思いがする。

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欠点

「時間操作」には敵わない

クロエ・プライスに「時間操作」の能力は備わっていない。
前作『ライフ イズ ストレンジ』の主人公マックスには「時間操作」の能力が備わっており、それがゲームプレイとストーリーの両方で大きな役割を担い、それは唯一無二の魅力でもあった。

一方、今作では「バックトーク」が登場する。
簡単に言えば「説得/反論」コマンドであり、相手の発言をもとに説得したり、反論したりして別の展開を呼び込むという要素である。口達者なクロエらしいミニゲームになっている。

ただ、前作の「時間操作」には敵わない。
前作では「時間操作」を使えば”区切りが付くまでは”何度も「選択」のやり直しが可能であり、”結果を見た上で選び直す”ことも出来た。まさに失敗しないアドベンチャーゲームになっており、それが他の作品と一線を画する要素でもあったが、今作にはそれに匹敵するものは無い。

ただ、これは致し方ない部分でもある。
本編では言及されない、登場しない能力を前日譚限定で組み込めば話の整合性が取れなくなるので、「バックトーク」程度のミニゲームで妥協せざるを得ない面はあったはずだからだ。

消化不良を覚える

今回は「選択」に対してズレた回答が返って来る印象。
日本語訳の問題かも知れないが、穏便な「選択」をしても強引に騒動に巻き込まれる場面があり、「そうじゃないんだけどなぁ」と思いながら先に進むことが多々あった。

特に今作では「時間操作」による「再選択」は出来ないので、モヤモヤした消化不良感が残ることも。

ストーリーは”引き”が弱い

前作『ライフ イズ ストレンジ』は、巨大なストームが地元アルカディア・ベイを飲み込む”予知夢”から始まる衝撃的な展開で幕が開け、間髪入れずに親友クロエが射殺され、それを「時間操作」で救う劇的なシーンが続く。

それに比べると今回はストーリー面のインパクトが弱い。
前作のエピソード「カオス理論」に匹敵する心を揺さぶる場面はなく、結末に向けて伏線が収束していき”答えは変えられない”という真実に気付かされるどんでん返しもない。

また、核心部分が省略された件も気になる。
結局、”レイチェルとの別れ”が明確に描かれていない。本編までの空白期間を描く上で「どういう経緯でレイチェルはクロエの下を離れたのか」をエピソード丸々を使ってでも描いて欲しかった。

狭い範囲での「選択」

良くも悪くも「前日譚」。
当然、どう頑張っても各キャラクターの未来は変わらない。結果的に終始”底が見える”選択の繰り返しになっており、「この選択が展開を左右するんだ」という醍醐味に欠ける。

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総評

正直、『ライフ イズ ストレンジ』を超える瞬間は無い。
だが、”空白期間を埋める”各エピソードはどれも一定の質が確保されており、プレイ中に流れる楽曲もシリーズのテーマに沿った”耳に残る曲”ばかりだ。

  • Life Is Strange 2までの繋ぎ
  • 本編の前日譚
  • 「時間操作」の封印
  • 別会社開発

などを考慮すれば満足できる一本に仕上がっている。
ただ、あと2つほどエピソードを追加して「レイチェルとの別れ」をきっちり描いて欲しかったのは本音。

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