【評価・感想】『ゲッタウェイ(PS2ゲーム)』レビュー

ゲームレビュー
ゲームレビュー
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原題The Getaway
対応機種PS2
※PCSX2でも可
プレイ時間8時間~

『The Getaway(ゲッタウェイ)』は、2002年にPS2向けに発売されたアクションゲーム。

プレイヤーは、元ギャングのマーク・ハモンドとして、”かつて所属していたギャング団のボスに誘拐された”息子を救うべく、ボスに命令されるがままに、ロンドンで数々の悪事に手を染めていく。また、プレイヤーはロンドン警察の捜査官、フランク・カーターとしても遊び、警察官の立場からマーク・ハモンドの事件を捜査する。

ちなみに、本作は開発元である「Team Soho」の”遺作”ではあるが、「Team Soho」の創設者は後に「Team Bondi」を設立し、「Team Soho」の元メンバーとともに『L.A.ノワール』を開発した。

※PCSX2でプレイ

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評価

シネマティック・アクションゲーム

まず、何よりも「ゲームっぽさ」を徹底的に排除した作風が面白い。

アクションゲームではあるけれど、画面上に主人公の体力ゲージはないし、所持している武器のアイコンもなく、それ以外の画面情報も一切表示されない。当然、「○○を追え」というミッションの指示も表示されないし、地面に”分かりやすく光る”アイテムが落ちているなんてこともない。

「では、どうするのか?」と言えば、主人公の体力は服に滲み出た出血によって判断し、受けたダメージは、壁に手を付き、息を整えることで回復する。さらに、銃は近くに落ちているものを自動的に拾い上げ、銃の交換も、やはり(おそらく)攻撃力のより高いものを自動的に拾って交換する。

また、車周りは特にユニークで、目的地の方向はウィンカーを見て、到着はハザードランプを見て判断するというように、ここでも”ゲームっぽさ”を排除した表現方法が採用されている。

確かにアクションゲームとして見た場合、リアル志向ゆえに不便に感じるところは多々あるが、一貫したリアリティがプレイパートにもカットシーンにも存在するおかげで、この二つが水と油ではなくシームレスに繋がり、それが本作の映画っぽさに説得力を与えている。

さらに、本作ではカットシーンはもちろん、プレイパートでも積極的にモーションキャプチャーが取り入れられており、その結果、カットシーンと同じくらい、操作キャラクターや敵の動きがリアルで、これもプレイパートとカットシーンの境界線を良い意味で曖昧にしてくれる。

奇しくも同時期に、こちらも映画的な作風が特徴の『Mafia: The City of Lost Heaven』が発売されているが、それとはまた異なるアプローチで、本作も映画的な作風を実現している。

“FedEx”のトラック

ちなみに、本作の舞台であるロンドンは、限りなく本物に近い。

ロンドンの街並みを再現しているのはもちろん、実在するブランドや実車も登場させるなどして、架空のロンドンではなく、実際のロンドンをゲーム上で再現しようとしており、この本物っぽさも見所。

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アクションゲームとしては

アクションゲームとしては非常に簡単な部類に入る。

一応、TPSではあるが、強力なオートエイムを前提とした作風なので、プレイスキルはほぼ不要。加えて、主人公は実質的に自動回復できる上に耐久性も高く、逆に敵はペラペラなので、撃ち負けることもほぼない。

ただ、銃撃戦に手応えがなくても、これはこれで面白い。

先ほども述べたように、本作はモーションキャプチャーを積極的に取り入れた作品なので、主人公の動きや敵のリアクションが非常によく出来ており、撃っている時の感触は決して悪くない。また、壁に弾痕がきちんと残り、銃弾が直撃したオブジェクトもリアルに反応するので、ビジュアル的にも迫力がある。

“映画の世界に入り込み、それっぽい銃撃戦がお手軽に体験できる”パートとしては、本作の作風を思えば納得できる仕上がりであり、リッチなカットシーンの延長線上にあるアクションパートとして楽しめた。

一方で、一部の強制ステルスパートは微妙。

ステルスパート自体は完全にパターン化されているので、難易度自体はそう高くないが、「発見されると即失敗」は辛いし、操作性やカメラの動きもステルスプレイに不向きということもあり、それなりにストレスの溜まるパートになっている。

車の破壊表現のリアルさも見所

あと、目玉のカーチェイスは、割りと難しい方

元々、このゲームは映画『ミニミニ大作戦』をモデルにしたレースゲームだったようで、カーチェイスはその名残を感じさせる難しさがあり、ロンドンの入り組んだ道路を巧みに走り抜けるプレイスキルが求められる。

ただ、カーチェイスは”競争”せず、車から降りて敵を撃ち倒せばOKなので、特に悩まされることはなかったが。

プレイパートは、全体的に「難しくて詰む」ことがないように配慮されており、ストーリーや演出を重視するアクションゲームとしては、こうした作風もアリだと思う。

リアル志向の弊害

まず、ミッション内容が分かりにくい時が多い。

ミッションの指示なども画面上に表示されない仕様上、ミッション内容は台詞や目の前の状況を通して伝えられるのだが、それを聞き逃したり、見逃したりすると「次に何をすべきか」が分からなくなる。

一部ミッションでは「時間制限」もあるが、それについても「急がないと」などの台詞から”時間制限がある”ことを察しないといけない。

また、ウィンカーで目的地を示すというのもイマイチ。

ウィンカーは目的地の方向を示すだけなので、「ウィンカーの通りに進めばいい」というわけではない。ウィンカーの通りに進んでも行き止まりにぶつかることがあるし、逆走しているようでも、実は正しいルートだということもある。

このゲームはマップがないこともあり、特に時間制限のあるミッションでは、ウィンカーのみで道を進んでいくことが余計にミッションを難しくしており、せめてマップくらいは欲しかった。

(ちなみに『L.A.ノワール』では、助手席の相棒が「ここは左」「ここは右」と指示してくれるように改善されていた)

一応、ディスクと一緒に紙のマップが同梱されているので、「それ見ながら遊べ」ということなのかも知れないが、実際にやった者の感想としては、場所も取るし、現在地もよく分からないしと問題が多かった。

ゲーム的な要素を排除することは、このゲームを成立させるために不可欠なことではある。しかし、強いこだわりが遊びやすさを損なわせている面があり、それによる混乱がプレイヤーを現実世界に引き戻してしまう、という皮肉な状況を生んでいる。

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総評

“映画的”なアクションゲームの古き名作と言える一作。

フルモーションキャプチャーによるリッチなカットシーンや、カットシーンとプレイパートの融合、本物志向のロンドンの街並みなど、徹底したこだわり・・・・による映画的な体験が本作ならではの魅力であり、その部分は今遊んでも色褪せていない。

本作が発売された年に「Team Soho」が閉鎖されたこともあり、ある意味、最初で最後のゲームになってしまったが、映画的なアクションゲームが好きで、遊べる環境があり、古いゲームも遊べる忍耐力が少しでもあれば、今からでも手に取って遊んでみて欲しい一作になっている。

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