原題 | Ghost Recon Wildlands |
対応機種 | PC,PlayStation 4,Xbox One |
発売日 | 2017年3月7日 |
本作はUbisoft Parisが開発したオープンワールド系シューターだ。
仲間との連携や自由度の高いサンドボックス型ミッションが特色となっており、ソロでもCo-opでも遊べる内容になっている。
Good
- 美しく広大なボリビア
- 手堅いシューター
- 膨大な銃器と充実したカスタマイズ要素
Bad
- 同じことの繰り返し
- 一部の縛り系ミッション
- タクティカル・分隊要素の簡素化
目次
様々な選択肢を提示するオープンワールド
MGS Vとの比較
直近の作品の中では、『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』との類似性が高い。
MGSV TPPでは、サンドボックス型ミッションをベースにした”自由潜入”というプレイスタイルが導入され、自由度の高いステルスプレイや仲間との連携プレイが盛り込まれたが、今作も基本的には同じである。
ゲーム側から指示されるは”ターゲットは○○、ヤツを排除しろ”のみ。
極端なことを言えば、達成目標以外はプレイヤーの自由となっており、どの乗り物で向かい、どのルートから攻略するのかは全てプレイヤー任せとなる。また、プレイスタイルや、脱出手段さえも自分次第だ。
一部ミッションを除けば、ヘリで敵を一掃しても、安全地帯から狙撃して回っても良く、サンドボックス型ミッション特有の自由度(=選択肢の多さ)を全身に感じながら遊ぶことが出来る。
ボリビアの作り込み
“AnvilNext 2.0″で描かれるオープンワールドは、色彩豊かで美しいビジュアルが特徴だ。
舞台となるボリビアは忠実に再現され、任務を放棄してドライブしたくなるほど作り込まれており、マップには小さな村がいくつも点在し、日本人にも有名な観光名所も数多く登場する。
これまでのUbisoftゲームの中では、とくに広大なマップになっており、各地域を巡るだけでも楽しめる(ただし、戦闘は避けられない)。
カジュアルな分隊ベースのTPS
初代『Ghost Recon』同様に分隊ベースではあるが、えらくカジュアル化されている。
どちらかと言えば『Splinter Cell Conviction』に強く影響を受けた前作『Ghost Recon Future Soldier』の発展版であり、「タクティカル」要素は非常に薄い。
例えば、各隊員に対して個別で命令は出せないし、自分以外の隊員を操作することもできず、自立したAIと必要最小限の命令で遊ぶオープンワールド系シューターになっている。
ただ、カジュアル化したプレイ自体は面白い。
自立した味方AIが居ることで、協力プレイの特権とも言えるフレンドとの”共闘感”がソロプレイでも見事に再現されており、仲間らと複数の敵を一斉射撃する”Sync Shot”もとても爽快だ。
広いマップの中を仲間を引き連れて暴れまわることは、本作ならではの面白い瞬間の一つだ。
ただし、カジュアルすぎる
ただ、あまりにも仲間が優秀なのでステルスプレイの重みが薄くなっている面はある。
そもそも今作は、【敵の死体がすぐに消滅する】【敵が鈍感】なのでステルスプレイ自体が容易く、それに加えて初代のような”一撃死”もない。したがって、優秀な仲間と一緒に撃ち合った方が楽なことが多くなり、そちらに流されがちになるのだ。
これでは単なるオープンワールド系シューターである。
プレイヤー側がステルスプレイに強い拘りを持っていない限り、撃ち合いに偏りがちになるバランスは、やや易しすぎると感じる。
欠点は「粗く」「単調」な2点
納得できないことが多い

ターゲットが机に挟まって進行不能に。
まず、納得できない”リスタート”が目立つ。
例えば、ターゲットを追跡するミッションで、ターゲットが圏外へ出ると失敗となるのだが、ブリーフィング時にそんな説明は受けなかった。
また、ミニマップに表示されない”地対空ミサイル”も厄介であり、苦労して調達したミッション用の飛行機を、無残にも撃墜された時は真顔になってしまった。ミサイルが発射される前に通知するシステムが必要だ。
さらに、チェックポイントの間隔も長い。
ミッション中に死亡or失敗すると、大抵はミッション開始時からリスタートになり、酷いときは先ほども聞いた会話シーンからやり直しになる。
それに加えて、メインメニューに”直近のデータから再開”さえも用意されていないので、主人公がスタックした時などは、わざわざ起動画面まで戻る必要がある。
…
とにかく古臭く納得できないことが多い。
確かに、グラフィック、操作性やユーザーインターフェースはモダンな仕上がりなのだが、肝心のプレイ面はすごく粗粗しい。
ミッション内容は単調
ミッション内容は『MAFIA III』とよく似ており、すなわち単調。
ボリビアの各地域は地元のボスが支配しており、地元ボスを一定数排除するとラスボスであるEl Sueñoと対決できるのだが、その地元ボスを出現させるにもタスクを消化する必要があり、基本的には同じ手順の繰り返し、反復的なプレイが目立つ。
全員ではなく、”一定数”の排除だけでもEl Sueñoが登場する点は救いだが、個人的には数を絞って一つ一つを作り込んで欲しい。
また、一部ミッションの質が明らかに低い。
今作は自由度の高さがウリにも関わらず、無闇にプレイ方法を縛るミッションが紛れており、強制的な戦闘やステルスミッションは、はっきり言って必要性を微塵も感じない。
最後は良くも悪くも自由度が高い点。
強制的な戦闘ミッションでは”場所取り”が重要なのだが、その場所もプレイヤー任せとなるので、遊び方によっては瞬時に蜂の巣にされてリスタートになることがある。
さらに”どのビークルで乗り付けたか”や”反乱軍の支援をどこまでアンロックしたか”によっても難易度が変化するなど、全てプレイヤー次第であるがゆえの不安定さも見受けられる。
総評
外見は一流だが、中身には難がある一作。
自由度の高いサンドボックス型ミッション、広大なボリビアや膨大なカスタマイズ要素はとても魅力的なのだが、一方で粗粗しい仕上がりにもなっており、さらなるブラッシュアップが必要だと感じる。
プレイ日記一覧
Q&A
Q.オンラインプレイは?
A.Co-opの他、PvPにも対応。
Q.ソロプレイは?
A.プレイヤーに加え、AI隊員3名が同行する形で可能。
Q.アップデート内容は?
A.公式フォーラム(英語)を参照。
Q.プレデター?
A.18年1月までの期間限定でゲーム内に登場。