外見一流、中身二流。ゴーストリコン ワイルドランズ(Ghost Recon Wildlands)【感想 評価 批評 レビュー】

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外見一流、中身二流。ゴーストリコン ワイルドランズ(Ghost Recon Wildlands)【感想 評価 批評 レビュー】

世界を救うことに飽きてきたので、ボリビアを救うことにした。

本作『Ghost Recon Wildlands』は、「Ubisoft Paris」が開発したオープンワールド系シューターだ。仲間との連携や自由度の高いサンドボックス型ミッションが特色となっており、ソロでもフレンドとのCOOPでも遊べる一作になっている。

Good

  • 美しく広大なボリビア
  • 手堅いシューター
  • 膨大な銃器と充実したカスタマイズ要素
  • 頼もしい仲間

Bad

  • 同じことの繰り返し
  • 一部の縛り系ミッション
  • タクティカル・分隊要素の簡素化

様々な選択肢を提示するオープンワールド

直近の作品で、最も今作と近い内容は『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』だろう。隠密行動主体のゲームプレイ、サンドボックス型ミッションや仲間との連携プレイなど、今作との類似点は非常に多い。

MGSV TPPでは、サンドボックス型ミッション特有の自由度を「自由潜入」と表現していた。基本的にゲーム側から指示されることは、「ターゲットは○○、ヤツを排除しろ」だけであり、それ以外はプレイヤーの自由だった。どの道から潜入するのも自由、プレイスタイルも自由だし、脱出手段さえも自由だった。

基本的に今作のゲームプレイ面もそれと変わらない。プレイヤーにはいくつもの選択肢が与えられ、それらを自分なりに上手く活用しながらミッションを攻略していく。一部ミッションを除けば、ヘリで敵を一掃しても、安全地帯から狙撃して回っても良く、サンドボックス型ミッション特有の自由度(=選択肢)を全身に感じながら遊ぶことが出来る。

その一方で、いくつかの気になる点も見受けられる。一つは、どのミッションも多様性に欠ける点で、『MAFIA 3』並に同じパターンの使い回しが目立つ。今作の方が選択肢が豊富なので、『MAFIA 3』ほど深刻な欠点にはなっていないが、今後の大きな課題だ。

二つ目は、高い自由度がウリにも関わらず、無闇にプレイヤーを縛るミッションが紛れている点だ。Wave形式の戦闘やステルスプレイの強要は、プレイヤーの多様な遊び方を縛るものであり、はっきり言って必要性を微塵も感じないし、一つも面白くない。

最後は、良くも悪くも自由度が高い点。Wave形式の戦闘では、場所取りが重要なのだが、その場所もプレイヤーの判断に任せられるので、遊び方によっては瞬時に蜂の巣にされてリスタートになる。また、「どのビークルで乗り付けたか」「反乱軍の支援をどこまでアンロックしているか」によっても難易度が変化するなど、全てプレイヤー次第であるが故の不安定さも見られる。

ひたすらにカジュアル化

初代『Ghost Recon』の分隊要素と比べると、えらく簡素化されている。『Splinter Cell Conviction』に強く影響された前作『Ghost Recon Future Soldier』をベースにしており、「タクティカル」要素は非常に薄い。

例えば、それぞれの仲間の外見や装備品をカスタマイズすることは出来ないし、個別に命令を出すことさえ出来ない。ひたすらにカジュアル化されており、自立したAIと必要最小限の命令で遊ぶオープンワールド系シューターになっている。

一方で、「出来ることはしっかりやる」仲間は頼もしい。仲間らと共に複数の敵をワン・ショット・キルする「Sync Shot」を軸に展開するゲームプレイや、自立したAIとの共闘などは、非常によく出来ている。

ただ、仲間が頼もしい過ぎるが故にステルスプレイの重みが薄い場面がある。というのも、今作は「排除した敵がすぐに消滅する」や「敵が鈍感」なので、先ほども例として挙げたMGSV TPPや同社の『Splinter Cell Blacklist』と言ったガチのステルスゲームと比べるとヌルく、初代のように「一撃死」もなく、仲間も大変優秀なので、銃を撃ちまくってもエリアを制圧できてしまう。

プレイヤー側がステルスプレイに強い拘りを持っていない限り、優秀なAIとともに戦った方が楽なので、そちらに流されがち。そうしたものも自由度なのかも知れないが、最早そこにはタクティカルシューターの面影は感じられない。

ひたすらにカジュアル化されたことで、非常に取っ付き易いのは事実。その反面、「タクティカル」にしても、「ステルスプレイ」にしても、やや物足りなさを感じる。

納得できないことが多い

まず、納得できない「リスタート」が多い。例えば、ターゲットを追跡するミッションで、ターゲットが圏外へ出るとリスタートになるのだが、ブリーフィング時にそんな説明は受けなかった。また、ミニマップに表示されない「地対空ミサイル」も鬱陶しく、苦労して調達したミッション用の飛行機を、無残にも撃墜されてリスタートになった時は真顔になってしまった。

さらに、チェックポイントの間隔も長い。ミッション中に死亡or失敗すると、大抵はミッション開始時からリスタートになり、酷いときは先ほども聞いた会話シーンももう一度見ることになる。また、メインメニューに「直近のデータから再開」さえも用意されていないので、主人公がスタックした時などは、わざわざ起動画面まで戻る必要がある。

確かに、グラフィック、操作性やユーザーインターフェース等は現代的。しかし、肝心のゲームプレイ面は5,6年前で止まっており、とにかく古臭く納得できないことが多い。私としては、しっかり納得した上でリスタートしないと、ただただストレスが溜まる一方だ。

総評

一見すると「楽しげ」に見えるが、実際に触れてみると「偽りの姿」だったことが分かる。偶発的なイベントが魅力のサンドボックス型ミッション、美しく広大なボリビアや膨大なカスタマイズ要素など、見栄えの良いものは揃っているが、上手く調理されていない。

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