原題 | Beyond Eyes |
機種 | PC,PS4,Xbox One |
紹介
どんなゲーム?
本作は「盲目」をテーマにしたインディー作品。
「冒険」をテーマにした三人称視点の【ウォーキング・シミュレーター】になっており、プレイヤーは”盲目を表現した”真っ白の世界を主人公Raeと一緒に冒険する。
Beyond Eyesのストーリー
不慮の事態で光を失った主人公Rae。
唯一の親友はネコのNani。しかし、ある日を堺にNaniを姿を消してしまう。Raeは親友Naniを下げすために外の世界へと繰り出すのだった。
評価
【Pros】彼女が観る世界
事故で視力を失った主人公Rae。
彼女は「目」を通して風景を観ることは出来ないが、「音」でなら出来る。
以前、テレビ番組であるアメリカ人男性の特集を放送していた。
その彼は目が不自由にもかかわず、杖や盲導犬の力は借りずに”自分で発した音の反響から物体との距離間を掴む”「エコロケーション」のみで日常生活を送っていた。
動物が音や超音波を発し、その反響によって物体の距離・方向・大きさなどを知ること。
引用元 – コトバンク
本作の主人公Raeも「エコロケーション」で風景を観ることが出来るようである。
Raeの周囲では”音が反響している”ような演出が見られ、一歩進む度に真っ白だった画面に水彩画のような景色が広がっていく。
この”真っ白のキャンパスに風景が広がる”様子は純粋に美しく、Raeの心優しい性格とも調和した素晴らしいアイデアである。
【Pros】主人公とハンデを共有する
主人公Raeのハンデを上手くゲームプレイに落とし込んでいる。
というのも、プレイヤー自身も”真っ白で何も見えない”世界を探索することになるからだ。ゲームプレイでは実際に触れることで”そこに段差がある”ことや”行き止まりだった”ことが分かる作りになっており、言わば主人公が持つハンデを共有することになる。
主人公と同じ目線で世界を見るからこそ、彼女が抱く恐怖心やそれを抑えてまで親友のネコを探す優しさを感じることができるのだ。
総評
主人公に寄り添える一作。
Raeが勇気を振り絞って親友のネコNaniを探すストーリーは最後まで温かく、水彩画のようなグラフィックや胸を打つ音楽も印象に残る。また、重いハンデをテーマにしながらも、それを感じさせない温かい作品でもある。