【評価/感想】GTA4/グランド・セフト・オート4【批評/レビュー】

【評価/感想】GTA4/グランド・セフト・オート4【批評/レビュー】

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シリーズ初のHDゲーム機向けの一作。
ハードスペックの向上によって実現した圧倒的な表現力が話題を呼んだ一作であり、初のマルチエンディング採用のGTAでもある。

▼ストーリー▼

先にアメリカで成功を収めたと豪語する従兄弟のローマンを頼り、アメリカにやって来た主人公ニコ・ベリックだったが、実際は成功とは程遠く、さらに借金で首が回らないという非情な現実を突きつけられる。

ニコはローマンの問題を”解決”する過程で数多くの悪事に手を染める。
そして、一歩ずつ裏社会の階段をのし上がっていくのだが…。

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今作が突出している点

もはや仮想世界

今作のゲーム世界の作り込みには感心する
確かに”ボリューム”だけを見れば過去作よりも”劣化”しているのは事実だが、一方で今作に引き継がれた要素は一切の妥協を感じさせないほど徹底的に作り込まれている。

例えば、主人公の足となる車やバイグなどは非常に精巧な作りをしており、その挙動もやけにリアル思考だ。また、主人公のアニメーションも”過去作とは比較にならないほど”人間らしく、モニター越しからでも主人公の生気が感じられるレベルに到達している。

都市の息遣いさえも感じる

前作『グランド・セフト・オート サンアンドレアス』も圧巻だったが、今作は更に上を行く。
今作の特徴は”ミクロの作り込み”であり、現実味のあるマップを作る一方で、その世界に根付くNPCも丹念に作り込んでいる点が目を引く。

例えば、単にNPCの外見だけを取っても、今作では同じNPCでも肌の色や服装が異なる数多くのパターンが用意されているので、ドッペルゲンガーとすれ違うことは本当に少なくなっている。これまでは眼の前に同じ顔や服装のNPCが存在して当たり前だった。

また、NPCの行動パターンも多様かつ複雑化している。
例えば、ウォール街を歩けば携帯電話を片手に忙しく歩くビジネスマンに出会え、繁華街ではカメラを手にした観光客にも出会える。さらに彼らは他のNPCと繋がっており、ある者は恋人と話していたり、またある者は街角で友人と談笑していたりするなど、その世界に根付いた存在として描かれている。

もはや、今作のNPCはただの通行人A、Bではない。
丹念な作り込みによって、ゲーム世界はこれまで以上に説得力を持っており、彼らを観察することさえ楽しく感じる。

リバティ・シティの作り込み

一新されたリバティ・シティも忘れてはいけない。
今作のマップは、コンクリートジャングルな都市部や、移民で溢れる貧しい地区など多種多様な地区から構成されており、人種のサラダボウルと形容されるニューヨークの空気を感じる。

確かに、前作『グランド・セフト・オート サンアンドレアス』よりも開放感には欠けるのは事実だが、密度は凄まじく、発売から10年以上経過した今でもこのレベルに達しているオープンワールドゲームを探すのは難しいほどだ。

ゲーム世界と深くリンクする

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プレイヤーとゲーム世界の「リンク」も魅力だ。
例えば、今作では携帯電話を介して仲間と連絡を取り合い、遊びや飲みを通して親交を深められる(逆に誘われることも)。また、事件や事故を目撃した際は911に通報すれば、パトカーや救急車がやって来る。

余談だが、ローマンやミシェルを始めとする友人のセリフ数は膨大。
従兄弟のローマンは、5回以上も連れ回したが毎回違う話をするし、ミシェールも同様。しかもミシェルの場合は服装について毎回感想を言ってくれるオマケ付きだ。

これまでは主人公が持つ携帯電話は受信専用だった。
あくまでも、それはミッションを先に進めるためのツールという位置づけだったが、今作ではプレイヤーとゲーム世界を繋げるツールになっている。

さらに、初登場のインターネットも「リンク」させる。
というのも、今作ではプレイヤーがミッションを進める度にニュース記事が更新されるので、よりゲーム世界に関わっている感覚を覚えるのだ。

また、ニュース記事は読み物としても面白い。
これは、単に第三者の視点からプレイ内容を観察することが面白いのもあるが、ニュース内容が”Rockstar Gamesらしい”ブラックジョーク満載の内容になっているからでもあり、一旦ニュースサイトを開くと長い時間をネットサーフィンに費やしてしまう。

「携帯電話」と「インターネット」の登場によって、プレイヤーはこれまでよりもゲーム世界と深い部分で”リンク”する。この”ゲーム世界との関わり方”こそが、今作最大の「革命」かも知れない。

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欠点

良くも悪くもリアル志向

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メインミッションの大半が有り得そうな内容になっている。
具体的には、「敵を始末してブツを回収して終わり」というような”現実世界でも起きている”内容のミッションが多く、過去作ほどのハリウッド映画感は味わえない。

そもそも、今作自体が現実的な描写に偏っているので、これは当然なのかも知れないが。

また、ミッション時の低い自由度も気になる。
まるで開発者が引いた線の上を一歩も外れることなく進むミッションが多く、プレイヤーの創意工夫が入る余地はほとんど無い。過去作では先に敵の車両をパンクさせておく、あらかじめ行く手を塞いでいくなどが可能だった。

それでも、一部のミッションでは複数の攻略法が提示される。
例えば、情報屋を見逃したことで先の展開が変化する、裏口から侵入すれば敵を一網打尽できるなどのミッションは用意されており、これを他の多くのミッションで見たかった。

ただし、サイドミッションは自由

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例えば「暗殺ミッション」。
基本的に”ターゲットはこれ、後はよろしく”的な内容なので自由に攻略できる。相手の射程圏内から狙撃しても良いし、特攻しても良い。また、車で移動するターゲットの場合は先回りして狙撃、ロケットランチャーで木っ端微塵にするのもアリ。

メインミッションとは対照的に自由度が高く、ついついプレイしてしまう。

出来ることが少ない

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明らかに過去作よりも、出来ることが少ない。
射撃場でのスコアアタックや、自動車/飛行機の訓練所は廃止。不動産や車のカスタマイズに関しても姿を消しており、過去作よりも出来ることが少ないのだ。

次回作『グランド・セフト・オート5』では復活している点を考慮すると、やはり新たなハードウェア上での開発ということで、あれもこれも持ち込むことは困難だったのだろう。

その一方で、新たに登場したスタンドアップコメディは純粋に面白く、ボーリングに関しても妙にリアルな仕上りなので、ミッションそっちのけでプレイすることも。

ただ、それでも多くの要素がリセットされているので、過去作ファンは物足りなさを感じるかも。

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総評

発売から10年以上も経ったが、それでも色褪せない名作。
未だに目を見張る表現力と作り込みを誇る作品であり、他のGTAには無い魅力も持っている。

確かに、リアリティに拘る余り、ゲーム的な面白さを見失っている瞬間もある。
ただし、そうした欠点を考慮しても今作に匹敵するオープンワールドゲームを探すのは困難に感じるほどの一作だ。

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