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【評価・感想】『グランド・セフト・オート バイスシティ/GTA VC』レビュー

ゲームレビュー
ゲームレビュー
この記事は約7分で読めます。
原題Grand Theft Auto Vice City
対応機種PC,PlayStation,Xbox etc
プレイ時間19時間~
ストーリー15年の刑期を勤め上げ、出所したトミー・ベルセッティ。しかし、彼が忠誠を誓った組織はトミーを邪魔者として扱い、彼をバイスシティへと追いやってしまう。トミーはバイスシティで再起すべく、裏社会で大暴れする。

『グランド・セフト・オート バイスシティ』は、前作『グランド・セフト・オートIII』の翌年に発売された作品。

開発期間が1年未満ということで、ベースは前作を改良したものになっているが、新たな舞台として「バイスシティ」を用意し、追加要素もいくつか取り入れられるなど、”IIIのフルカスタマイズ版”とも言える一作になっている。

関連記事>>>【評価・感想】『グランド・セフト・オート トリロジー決定版』レビュー

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著者情報
Kakihey

2014年末より当サイト「Kakihey.com」を運営中しています。現在までに300本以上のゲームレビューを公開しています。基本的にPCでゲームを遊んでいます。

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評価

GTA3の強化版

今作は、前作『グランド・セフト・オートIII』をベースにしながらも、コンテンツの多様さと物量をもって、前作の高いハードルに挑んだ続編。

今作では、ミッションが一気に多様化した。

ミッションは「III」のような淡々とタスクをこなしていくものは減り、その代わりに、ヘリで敵を強襲したり、屋敷に押し入ったりするなどの演出重視なものが増えている。

ゲーム自体が80年代の映画(ドラマ)に影響を受けていることもあってか、派手さを全面に押し出したミッションが多く、とにかく銃撃戦やら爆発やらカーチェイスやらが目白押しで、まさにアクション映画のワンシーンをプレイしているよう。

また、サイドミッションも充実しており、大物政治家の不倫現場を盗撮したり、映画のビラを飛行機でバラ撒いたりするユニークなものを中心に、”殺る、殺られるのメインミッションと上手く差別化した”ミッションが用意されている。

確かに、「バイスシティ」は演出ありきのミッション進行なので、「III」のような攻略法を練る面白さは薄れてしまったが、どのミッションも舞台設定や演出が長けており、アトラクション型のアクションゲームとして遊んでいて楽しい。

次に新しいコンテンツは、「不動産」が初登場。

舞台である「バイスシティ」には、購入できる物件がいくつもあり、稼いだカネでそれらを購入できる。ナイトクラブや映画スタジオなどのビジネス物件を購入すれば、定期的に「上がり」を回収できる。また、住居も購入でき、購入すればそこがセーブポイントとなる。

「不動産」は、ミッションの合間に遊ぶ軽い経営シムとして面白く、かつ”様々な物件を押さえて帝国を築いていく”様が、主人公の成り上がりのストーリーとも上手くリンクしており、二つの面で面白い要素になっている。

「不動産」以外では、主人公の服装を変更できるようになったり、バイクや飛行機などにも乗れるようになったりしていて、ゲームの幅が広がっている。当時は飛行機やヘリに乗れること自体がかなり新鮮だった。

ベースは明らかに「III」ではあるけれど、コンテンツの多様化と物量作戦で見事に押し切っており、前作を踏まえた上で、新しい「グランド・セフト・オート」を作り上げている。

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主人公が喋りまくる&主人公になり切るゲーム

前作『グランド・セフト・オートIII』の主人公は無名(SAで判明)で、無口だったけれど、「バイスシティ」の主人公にはトミー・ベルセッティという名前があり、その声はレイ・リオッタが吹き込んでいる。

トミーはカットシーンではもちろん、車をぶつけた時などにも悪態を付くなど、とにかく自己主張をしまくるので、前作の主人公と比べるとキャラクター性が強烈で、モニターの中には、トミーという人物がはっきりと存在している。

このように主人公が喋るようになったことで、他の登場人物との掛け合いが生まれ、主人公自身のキャラクターも掘り下げられるようになり、ストーリーの幅が格段に広がっている。

ゲームを終えた時に、一本の犯罪映画を観たような満足感が得られたのは、主人公のキャラクターが確立され、それが映画的なストーリーを描くことを可能にしたからだと思う。

また、主人公にキャラクター性が生まれたことで、今作では”トミーという一人の人物を操作している”感覚が生まれ、主人公になり切るゲームという側面が強くなっている。

トミーとしてミッションを進めていくことはもちろん、車を運転している時も、ナイトクラブでハメを外している時もトミーのキャラクター性は発揮されており、どの瞬間も、プレイヤーは彼のロールを演じることになる。

続編以降の「グランド・セフト・オート」はもちろん、『レッド・デッド・リデンプション2』に至るまで、プレイヤーが主人公になり切り、そのロールを演じる点は一貫しており、このシリーズにおける主人公の描き方は、トミー・ベルセッティが走りと言える。

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欠点は前作と同じ

  • 操作性がよくない
  • ミッション中の途中セーブがなく、失敗するとムービー前からやり直し

前作『グランド・セフト・オートIII』と同じ問題が残っている。

手配度が上りやすくなった

あと、前作と比べると手配度が上がりやすく、車を奪ったり、敵を撃ったりしただけで簡単に星1が付き、「III」よりも犯罪を犯すハードルが少し高くなっている。ここは窮屈に感じるかも。

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トリロジー決定版GTAVC

2021年に発売されたリマスター版こと『グランド・セフト・オート トリロジー決定版』については、上記のレビュー記事で詳しく書いている。

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総評

今作は、「III」をベースにしながらも数多くの改善と追加要素を盛り込むことで、上手く差別化した続編になっており、その”IIIのフルカスタマイズ版”とも言えるゲーム内容は、「III」に決して負けていない。

加えて、『スカーフェイス』や『カリートの道』などの犯罪映画をパロディしたストーリーも、「バイスシティ」の魅力となっており、それは”映画やドラマで観た”80年代のマイアミをモデルにしたバイスシティも同様。

今では『グランド・セフト・オートIII』や『グランド・セフト・オート サンアンドレアス』の影に隠れてしまっているような気もするが、「バイスシティ」も気になったらぜひ遊んでみて欲しい。

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初版:2016年2月16日 8:34 AM

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