GTAシリーズの集大成【評価/感想】GTA 5/グランド・セフト・オート 5【批評/レビュー】

オープンワールドゲーム
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【短評】
GTAシリーズの集大成。
3人の主人公が織りなすメインストーリーに加えて、山ほどのコンテンツも用意されており、非常に満足度の高い一作になっている。また、巨大化し続ける『GTA オンライン』も無料で付いて来る。
原題Grand Theft Auto V
対応機種PC,PS4,Xbox One etc…
発売日2013年9月17日
開発元Rockstar Games
備考公式サイト

シリーズで初めて3人の主人公を登場させた野心的な一作。
プレイヤーはサンアンドレアス州ロスサントスで大暴れ。映画『ヒート』を想起させる銀行強盗から、華やかなハリウッド(ゲームでは”バインウッド”)の舞台裏を除くイベントまで存在する盛りだくさんの大作だ。

▼ストーリー▼

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評価できる3点

3人の主人公/マイケル、フランクリン、トレバー

3人の主人公。左からマイケル、フランクリン、トレバー。

今作の主人公はマイケル、フランクリン、トレバーの3人だ。
彼らは「キャラクター・チェンジ(スイッチ)」と呼ばれるゲームシステムで繋がっており、”ミッション時以外であれば”自由に切り替えられ、彼らだけのミッションをプレイしたり、マイケルを操作してフランクリンやトレバーと「大人の遊び」にふけることもできる。

さて、3人の主人公は”単に操作キャラクターが増えただけ”ではない。
例えば、これまでのGTAではミッション中に長い移動時間が存在し、それが中弛みを生んでテンポを悪くしていたのだが、今作では一つのミッション内で3人分のエピソードが同時進行的に展開されるので、目まぐるしくシーンチェンジすることで常に一定のテンポを保ったままプレイできる、という利点を生んでいる。

また、3人を交互に切り替える銃撃戦や、互いに協力して一つのミッションを攻略する場面も用意されており、毎回味を変えてのプレイが楽しめるので、過去を散々プレイしていても飽きとは無縁だ。

感情移入させる工夫

マイケルとトレバー。今作では3人の主人公が同時に登場することも多い。

ミッション時以外でキャラクターを切り替えると、主人公らの私生活を垣間見れる演出が用意されており、より深くそのキャラクターを理解できる。

マイケルは家族に逃げられたショックで悪夢にうなされ、トレバーは街の片隅で奇行に走り、フランクリンは友人とツルんでいる、というように。

【キャラクターチェンジ】は、単なる目新しいだけのツールではない。
時にはゲームプレイを、時にはストーリーを深く掘り下げるツールになっており、前者ではユニークなゲーム体験、後者ではキャラクターをより理解して感情移入する手助けをしてくれるのだ。

【余談】元ネタはニコ、ジョニー、ルイスの3人

前作の主人公ニコ・ベリック。今作では登場しないが存在を匂わす演出が用意されている。

前作の主人公。彼は一人で何でも出来る超人。

このインタビューにもあるように、今作は3つのGTAを一つのパッケージに収録した作品であり、プレイヤーはマイケル、フランクリン、トレバーの3人を自在に切り替えてプレイする。

Dan Houser(共同ライター)氏:
GTA IVでは2つのDLCに注力しており、ストーリーのクロスオーバーがクールなアイデアだと思いました。
なぜ、僕たちは一つのゲーム内でこれを実現しないんだ? よし、複数の主人公を用意してみよう。

the Guardian

また、3人の主人公は被ることなく、キャラ付けされている。
下のインタビューにも通り、マイケルは”引退したGTAの主人公”をモチーフにしており、トレバーはGTAの主人公が持つイカれた部分を抽出したような人物、フランクリンは成功を夢見るアウトローとして描かれているのだ。

Dan Houser(共同ライター)氏:
マイケルは最初に考案されたキャラクターであり、彼は中年の引退したGTAの主人公です。
彼は資産を持ち、妻もいるが、その生活に飽き飽きしています。

フランクリンは希望を持った若者です。
私が思うにマイケルとの良い対比になると考えています。

トレバーは究極です。
彼はとても頭の切れる男ですが、人間性に難を抱えており、マイケルと比べてエキサイティングです。

Polygon

強盗ミッション

強盗ミッションでは2種類のプレイスタイルが提示される。

今作の目玉は何と言っても強盗ミッション。
GTA :SAの強盗ミッションを複雑化させた内容になっており、今作では同行する仲間や潜入手段を選ぶことができ、経験を積むことで仲間がレベルアップしていく。

さて、今作の強盗ミッションは、大きく分けて「派手」か「隠密」かの2通りの方法で遊べる。
この際、どちらを選ぶかによって逃走用の車や装備を集める”準備ミッション”の内容も変化し、さらにその準備ミッションに関しても、派手/隠密を自由に選べるので非常に選択肢が多い上に、「(お目当ての物)は○○にある」と指定されるだけなので、攻略方法はプレイヤー次第となる。

こうした丹念な下準備の末に決行される強盗ミッションは、最高に面白い。
信頼できる仲間らと一緒に危険な仕事を遂行するのはスリルがあり、彼らの腕に作戦の命運が左右されるランダム要素も面白く、2,3個とは言わずにもっとプレイしたいと感じるほど。

充実したコンテンツ

アクティビティの一つ「ゴルフ」。妙に本格的な内容になっており、ついつい時間を忘れてプレイしてしまう。

シリーズファンには馴染み深い【不動産】や【車の改造】が復活し、【株取引】やスポーツが新たなアクティビティとして登場しているので、前作『グランド・セフト・オート4』よりも出来ることは多い。

そして各種アクティビティは、”単なるオマケ”ではなく、”やり込む価値”を感じる出来。
例えば【株取引】では、”車をたくさん破壊すれば、保険会社の株価が上昇する”というように、株価がプレイ内容と連動しているので、お金稼ぎと称した株価操作に熱が入る。
それ以外にも、【ゴルフ】や【トライアスロン】と言ったスポーツ系アクティビティでは、スコアを競うことが楽しく、ついつい夢中になって遊んでしまう。

もちろん、今作にはアクティビティ以外にも60個を超えるメインミッションが存在する。
舞台となるロスサントスには、山ほどのコンテンツが所狭しと敷き詰められており、そのマップは面積以上に”巨大”だ。

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欠点

自由度は低い

主人公の一人、マイケル。

メイン ミッションに限れば自由度は低い。
具体的には、”少しでも道から逸れると失敗”になることが大半であり、事前に引かれた線の上を進んでいる感覚が強く、指示通りに行動しないといけないのだ。
自由度という点では、過去のGTAの方が優れている。

また、【キャラクターチェンジ】も意外と制限が多い。
というのも、ことミッション時に限れば、キャラクターの変更はゲーム側から指示される形で行うことが多く、プレイの幅を広げるものというよりは、”脚本家の道具という印象が強い”のだ。

残念であり、はっきり言って期待外れ。

簡素化されたゲーム世界

舞台はロサンゼルスを模した「ロス・サントス」。

端的に言えば前作『グランド・セフト・オート4』の方が作り込まれていた。
今作では、警官が容疑者を即射殺し、救急隊員も現場で書類を書く仕草をするだけとなり、わざわざ容疑者を連行し、ケガ人に処置をしていた前作よりも、細部の作り込みが甘いと感じる瞬間は多い。
また、人々の行動パターンも減少しており、雨が降っていても傘さえ差さず、ただただ歩道を行き来するだけの存在なので、NPCに生気が感じられない。

08年に発売された前作では、モニター越しからでも街の生活感やリアリティが伝わった。
一方、今作ではそれらが消失しており、目の前には作り込まれた血の通わないゲーム世界が存在し、エンタメとしての質は確実に向上しているが、それとのバーターで簡素化が目立つ。

余談だが、PC向けには「World of Variety」と呼ばれるModが配信されている。
このModはその名の通り、ゲーム世界の多様性を再現するModになっており、現時点までに約12万回もダウンロードされている人気Modだ。

関連記事>>>【PC】オススメのGTA5向けModを12個紹介する。

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総評

変装したマイケル、フランクリン、トレバー。一緒に強盗?

言うまでもなく、非常に完成度の高い一作。
当然のように前作の欠点は解消され、そこへ多数の革新的な新要素を持ち込んだ内容になっており、Rockstar Gamesの名に恥じない作品に仕上がっている。

ただし、今作は”得たものは多いが失ったもの”も多い。
今作の血の通わないゲーム世界は欠点であり、マップが単に各コンテンツを繋ぎ止めるだけの大きなメニュー画面に感じられるは、非常に味気ない。

それでも、このジャンルを前進させる一作であることには変わりない。