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【評価/感想】唯一無二の大傑作/レッド・デッド・リデンプション2【批評/レビュー】

オープンワールドゲーム
原題Red Dead Redemption 2
開発元Rockstar Games
発売日2018年10月26日
その他公式サイト

12年を代表する一作『レッド・デッド・リデンプション』の続編。
時系列的には前作の前を描き、前作の主人公ジョン・マーストンも所属したダッチ・ギャングを中心に”生活の文明化”に飲まれつつある無法者たちの苦悩を描く。なお、主人公はダッチ・ギャングの幹部アーサー・モーガンだが、ジョン・マーストンも登場する。

▼ストーリー▼

『レッド・デッド・リデンプション』レビュー

前作のストーリーをネタバレ付きで紹介・解説

『レッド・デッド・リデンプション』ストーリーまとめ

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評価できる点

左からビル、ジョン、アーサー。

Rockstar Gamesの新作は常にジャンルを前進させる。
“PS2で最も売れた作品”として有名な『グランド・セフト・オート サンアンドレアス』では3つの大都市をシームレスで繋ぎ、架空の州「サンアンドレアス州」を丸々一つ作り上げるという荒業を披露。13年発売の『グランド・セフト・オート5』でも”3人の主人公を登場させる”という隠し玉を用意し、一つのミッションを複数の主人公視点で進めるユニークなゲームプレイを実現した。

そして、12年発売の前作『レッド・デッド・リデンプション』も同様。
同作では”当時はまだ珍しかった野生動物が独自の生態系を築く”オープンワールドを用意し、そこに往年の西部劇へのラブレターとも言えるパロディや引用をふんだんに盛り込むことで、”ビデオゲームにおける西部劇”を定義した。

今作も、そうした”Rockstar Gamesの新作”に恥じない一作に仕上がっている。

より深みを増したゲーム世界

まず、オープンワールドは流石の完成度。
木々の一本一本まで手作業で植え付けられたゲーム世界は、どの瞬間もウソがない。鉄道を中心に栄える町は住民や流れ者で溢れ返り、文明化から逃れたフロンティアでは”100種類以上の野生動物が日々”食うか、食われるか”の過酷な生存競争にさらされている。

そして、ハードスペックの向上によってグラフィックは格段に向上。
体に積もる雪や足跡に出来る水たまりなど、ディテールへの拘りは凄まじいものがあり、今後何年にも渡って”目指すべき目標”とされるレベルである。

しかし、今作は”単にグラフィックが良くなっただけ”ではない。
まず、今回はほぼ全てのNPCと会話できる。これは一方的に話しかけるだけではなく、相手からも話しかけられることも非常に多く、地元民から”保安官の裏の顔”や”安易に立ち寄るべきではない場所”などの情報が耳に入って来る。時には酒場で起こした喧嘩を後日、別のNPCから責められることもある。

そして、”全ての行動には結果が伴う”。
↑でも書いた”酒場で起こした喧嘩を、後日別のNPCから責められた”出来事からも分かる通り、今作のNPCはプレイヤーの行いを記憶する。

前作では主人公の行いが名誉/名声ゲージとして完全に視覚化されていたが、今作では現実世界と同じように当事者や関係者が記憶し、彼らの口や態度でそれが伝えられ、ゲームプレイやワンシーンに影響を及ぼす。

なお、道中のランダムイベントも思わぬ結果を生む。

  • リッチなグラフィック
  • NPCとの深い関わり方
  • 行動には結果が伴う

上記3点によって、ゲーム世界はこれまで以上に深みを増している。

ロックスター・ゲームス
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キャンプが「狩り」を意味あるものに

今作のメイン要素の一つ。
前作『レッド・デッド・リデンプション』の主人公は一匹狼だったが、今作の主人公アーサー・モーガンは仲間と集団生活しており、無法者である前に彼らを養う大黒柱的な人物でもある。

なので、悪党を退治する以上に「キャンプの管理」は重要だ。
プレイヤーは定期的に野生動物を狩って食料を補充したり、「寄付」という形で現金を収めて仲間を食わせる必要があり、これまでのRockstar Games作品には無かったタイプのミニゲームが用意されている。

  • 既存設備の強化
    • 装飾品の追加
  • 不足品の補充

ただ、「キャンプの管理」自体は”可もなく不可もなく”。
出来ることは上記の通りであり、同じくコミュニティ管理要素を持つ『フォールアウト4』と比べれば必要最低限になっている。

しかし、最大の注目点は「狩り」が意味を持ったことである。
野生動物=食材となったことで「狩り」の重要性が増しており、時間を割いてプレイする価値のある要素にブラッシュアップされ、そして「狩り」は抜本的に手直しされている。

野生動物を狩る際は、主人公の臭いに感づかれないように風向きを意識して野生動物を捜索し、仕留める時は”苦しめないように”弓矢などでワンショットキルする必要がある。そして、腐らないうちに亡骸をキャンプまで持ち帰るか、諦めてその場で解体するかを選ぶのだ。

キャンプの登場によって「狩り」が興味深い要素になっている。
野生動物がほぼオブジェクト化していた『グランド・セフト・オート5』よりも実用的であり、使い道が売却のみだった前作よりも意味のある要素に昇華されており、欠けていた最後のピースがハマった感がある。

主人公の体調管理は”程よい緊張感”を生む

今作では育成/体調管理要素が強化されている。
同じくRockstar Gamesが生んだ傑作『グランド・セフト・オート サンアンドレアス』でも、「食事」を取ったり、「筋トレ」することで主人公の外見や内面が変化する要素が用意されていたが、今作ではより意味を持った要素として再登場している。

基本ステータス

まず、今作には【基本ステータス】が存在する。
【基本ステータス】は時間経過と共に減少していき、そのまま放置しているとスタミナや【デッド・アイ】に悪影響を及ぼす。なので、プレイヤーは【睡眠】や【食事】に気を配り、常に【基本ステータス】に注意してプレイする必要があり、これまでのようにノンストップで行動し続けることは出来ない。

今作では、長旅の途中でも簡易キャンプを設営して休息を取る必要があり、腹を満たすために野生動物を狩って調理することもある。

【基本ステータス】はゲーム全体を引き締めてくれる。
「キャンプの管理」が「狩り」に意味を持たせたのと同じように、【基本ステータス】が”単にセーブするだけだった”睡眠に意味を与え、長旅が”ただの長い移動”ではなく、文字通り命を削る冒険に感じられるものへと変貌させている。

空腹の中、メインキャンプから遠く離れた場所に一人居る孤独感と恐怖心は、なかなか他のゲームでは味わえないものである。

愛馬も同様

馬にも【基本ステータス】が存在する。
定期的にエサをやったり、休息させる必要がある。

なお、今作の馬は単なる移動の足ではない。
『ゼルダの伝説 ブレス・オブ・ザワイルド』のように【親密度】があり、声を掛けたり、ブラッシングしたり、エサをやったりして信頼関係を築いていく。

なお、サバイバル要素はキツすぎず、ユルすぎないバランス。
“プレイヤーに意識させる程度には重い要素ではあるが、決してそれが重荷にならない”内容になっており、リアリティとゲームプレイを上手く両立させている。

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没入型オープンワールドゲーム

“余白”から生まれる高い没入感

確かに無駄の多いゲームである。
今作では”他のゲームでは半自動化されたり、丸々省略される”部分を実際に操作させるので、近年のオープンワールドゲームの中でも特にテンポの悪いゲームと言って良い。

だが、それが良い。
倒した敵からアイテムを回収する際はポケットに手を伸ばし、狩った獲物から肉を切り取る際も文字通り解体する。また、料理する際も実際にナイフで肉を刺し、それを火元で炙り、食らう際も口元までナイフを持っていく。さらに室内を物色する際も、棚や引き出しを開けて初めてアイテムの有無が分かる具合である。

効率化とは無縁のゲームプレイ。
無駄を徹底的に排除した方が明らかにプレイアビリティは高くなるが、Rockstar Gamesはあえて時間を掛けて描くことを選んだ。

そして、その無駄から生まれた「余白」こそが唯一無二の魅力である。
日常の細かな作業を通してプレイヤーはアーサーとの距離を縮め、【基本ステータス】を中心とした”疑似生活”を送る中で、プレイヤーはゲーム世界に生きる一人のガンマンに感情移入していく。

こうした感覚は徹底的に効率化されたゲームでは決して体験できないものであり、「余白」を楽しめる者だけに許された贅沢なのである。

“主人公の目線”で楽しめる一人称モード

雄大な自然を前に目覚めの一杯を。

一人称モードが再登場。
基本的な部分は『グランド・セフト・オート5』のそれを引き継いでいるが、今作ではアイテムを取る際は実際に手に取り、動物を解体する際もリアルに捌いていくので、一人称モードでの没入感は『グランド・セフト・オート5』の比ではない。

また、ハードスペックの向上によって個々のNPCの表情も進化しているが、これは一人称モードでないと気づけない点である。

当然、一人称モードのガンファイトも没入感が高い。

乗馬時も一人称モードでプレイ可能。

主人公の挙動も没入感を高める

近年のRockstar Games作品ではNaturalMotion社のアニメーション・システム「Euphoria(ユーフォリア)」が採用されている。

Rockstar Games作品で「Euphoria」が初めて採用された『グランド・セフト・オート4』では、その”過去作から飛躍的に向上した”(主人公やNPCの)アニメーションに注目が集まったものの、一方でリアルさを追求するあまり、「操作性がないがしろにされているのでは?」という指摘も聞かれた。

それでもRockstar Gamesは「Euphoria」を使い続け、『レッド・デッド・リデンプション』や『マックス・ペイン3』の開発を通して改良を重ね、『グランド・セフト・オート5』では遂にスムーズな操作性を実現した。

その操作性も含めての”良さ”

だが、今作ではどちらかと言えば『グランド・セフト・オート4』に近い。
キビキビ動く『グランド・セフト・オート5』準拠の操作ではなく、『グランド・セフト・オート4』で突き詰めたリアルな操作性が根底にあるように感じられ、言ってしまえば一々”まどろっこしい”。

だが、それは決して失敗ではない。
何故ならその“まどろっこしい”操作性が、ゆったりとした独特な時間軸を持つフロンティアと上手く調和し、その人間臭いアニメーションも含めての魅力だと感じるからだ。

逆に私はキビキビ動かれると興ざめしたはず。
ゲームによっては快適さを追求した操作性も当然アリだが、今作の場合は上記の通り「余白」が唯一無二の魅力を放つ作品。それは徹底したリアルな描写と人間臭いアニメーションから生まれた産物であり、一つでも欠けていれば今作の魅力は半減してしまっていたとさえ感じるのだ。

【今作の操作をザックリ説明】
他のゲームでは主人公の頭の中心から地面にかけて一本の軸があり、それを中心に移動や方向転換するイメージだが、今作の場合は私たちと同じように重心や体重の移動を伴うイメージ。
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欠点

スロースターター

2時間近く、チュートリアルが続く。
前作『レッド・デッド・リデンプション』ではすぐにオープンワールドに放り出され、個々のミッションをプレイする中でチュートリアルが展開されたが、今作は最初の2時間がチュートリアルを兼ねた一本道的なミッションになっており、非常にスロースターターな印象を受ける。

新たな手配システムは一長一短

今作では手配システムがより現実的になっている。
一般人に犯行の瞬間を目撃されると「目撃者」となり、彼らは保安官の所へと急行する。

まず、これの良い点は”連鎖的な”殺人が起きる点。
目撃者を咄嗟に撃ち殺してしまう、脅迫に失敗して目撃者と銃撃戦になるということが起きるので、思わぬ形で罪を重ねてしまうことがあり、先の読めないプレイが生まれている。

ただし、理不尽な面もある。
GTAシリーズのように”周囲には誰も居ない”はずなのに犯行がバレることがあり、どれだけ用心してもゲームの設計上の問題から完全犯罪が発覚してしまうのは納得できない点である。

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総評

プレイ前の期待値を大きく上回った傑作。
今作ではセミ・リアル化と相互作用を特色とした「没入型オープンワールド」とも呼べるゲーム世界を用意し、そこへかつて存在した職人気質な古き良き洋ゲーのエッセンスと、最新技術を投入することで、唯一無二の作品に仕上げている。

今作は『レッド・デッド・リデンプション』の続編でも、西部劇版GTAでもなく、『レッド・デッド・リデンプション2』という一つのジャンル、一つの作品なのである。

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コメント

  1. TM より:

    RDR2はFarcry2に似た野心的なゲームデザインで、個人的には滅茶苦茶楽しめました。ですが野心的である故一般的なゲームユーザーからは面白く感じるまでに辞めてしまう人が多くそこらへんが少し残念かなと思います。

  2. Kakihey より:

    FC2は私も楽しめました
    確かにあのゲームも、面白さを感じるまでの道が長いですね

    RDR2の場合も冒頭の雪山が長く、ゲーム内のルールを理解するまではやや取っ付きにくい感がありますね