IO Interactiveの代表作「Hitman」。
2018年発売の最新作『ヒットマン2』まで含めればこれまでに計9本の関連作品が発売されており、実に15年以上の歴史を持つステルスゲーム界の大御所である。
さて、この記事では今一度ヒットマン シリーズを総復習。
最新作『ヒットマン2』までに各作品の流れと、プレイしておきたいヒットマンを紹介する。
そもそもヒットマンとは?
端的に言えば”隠れないステルスゲーム”である。
主人公Agent 47は変装の達人。彼は着ぐるみから白衣までありとあらゆる衣装を着て変装することができ、一度変装すれば余程のヘマをしない限りフリーパス状態となる。
変装を駆使して厳重な警備を突破し、あの手この手でターゲットを暗殺していく。
これがヒットマンである。
ストーリーを整理
時系列順
時系列はMGS並に複雑。
出来事(時系列順) | タイトル |
「父」と名乗る声に導かれ、47は病院を脱走。 | Hitman Codename 47/冒頭 |
47はICA(↓で解説)と接触する。 | ヒットマン(2016)/冒頭 |
47は4人のターゲットと「父」を暗殺。 | Hitman Codename 47/~エンディング |
「父」殺害後、病院から逃走。 | ヒットマン コントラクト/冒頭 |
一時は隠居生活を送るも、再び暗殺業に戻る | ヒットマン2 サイレントアサシン |
何者かが47の後を付ける。 ミッション「幕引きの時」の完了後。 |
ヒットマン ブラッドマネー/~序盤 |
↑の何者かに銃撃される。 その後、完治して逃走に成功。 ダイアナ(↓で解説)から陰謀の存在を告げられる。 |
ヒットマン コントラクト/~エンディング |
↑の陰謀を暴き、エンディングを迎える。 ミッション「失われた鼓動」~エンディングまで。 ※「失われた鼓動」はコントラクトの直後? |
ヒットマン ブラッドマネー/中盤~エンディング |
47は少女を守るために奔走する | ヒットマン アブソリューション |
パリ編以降。 「影のクライアント」と呼ばれる謎の人物が登場。 |
ヒットマン(2016) |
「影のクライアント」の目的が判明する(予定) | ヒットマン2 |
用語集
Agent 47
ヒットマンシリーズの主人公。
仲間からは「47(フォーティー・セブン)」もしくは「Agent 47」と呼ばれている。
本人はTobias Ripper(トバイアス・リーパー)と名乗る。
なお、Agent 47は寡黙な暗殺者。
飼っていた小鳥の首を躊躇なく折る冷酷な一面を持ち合わせており、寡黙というよりは感情を持たないと言った方が適切かも知れないが、一応は罪を懺悔したり、誰かを助けることもあるので感情は存在する模様。
ただ、殺る時は殺る男である。
クローン人間
彼はただの人間ではない。
実はOtto Wolfgang Ort-Meyer博士が開発した人間兵器であり、博士を含む5人のDNAから構成された人造人間。
なお、Agent 47以外にも同じ外見をしたAgent 48等が存在する。
ダイアナ・バーンウッド
Agent 47は暗殺組織「ザ・エージェンシー」に所属している。
ダイアナは「ザ・エージェンシー」の連絡役であり、47は彼女経由で依頼を受ける。
Agent 47が”唯一心を許せる”相手とも言える。
ザ・エージェンシー
「International Contract Agency(ICA)」。
別名「ザ・エージェンシー」とも言われるこの組織は世界中の”暗殺依頼”を請け負っており、Agent 47を始めとした暗殺者に仕事を発注している。
ただ、「権力には介入しない」という理念は存在する。
影のクライアント
『ヒットマン(2016)』から登場する謎の依頼者。
実際はベテランの暗殺者であり、Agent 47を執拗に追い回す。
彼の目的と動機は『ヒットマン2』で明かされる予定。
【解説】時系列順に各作品を紹介
1作目『Hitman Codename 47』
シリーズ1作目にしてHitmanを形作った記念碑的な作品。
“古臭い洋ゲー”を煮詰めてそのアクを集めたような内容になっており、端的に言えば「奇作」。セーブが存在しない一発勝負のシビアなゲームプレイと、南米の原住民やら自身のクローンやらが登場する奇抜なストーリーがとにかく異質であり、シリーズの中でも特にクセの強い一作に仕上がっている。
ただ、光る部分も多い。
後のHitmanの原型となるミッションはすでに面白く、最新作『ヒットマン2』まで続くシリーズの土台を形作った作品でもある。
2作目『ヒットマン サイレントアサシン』
Hitmanの方向性を決定付けたシリーズ2作目。
1作目『Hitman Codename 47』に登場した”自由度の高い暗殺”のみを発展させた内容になっており、(出来にバラつきはあるものの)大半のミッションがHitmanらしい創意工夫に満ちた内容になっている。
序盤のロシアステージはシリーズの中でも特に面白い。
なお、今作ではシリーズファンにはお馴染みの「フグ」や「ヤクザ」が登場するので、日本人プレイヤーは別の意味でも楽しめるはずだ。
3作目『ヒットマン コントラクト』
1作目のリメイクに近いシリーズ3作目。
前作『ヒットマン2 サイレントアサシン』で確立したゲームシステム上で、奇作『Hitman Codename 47』を”再訪”する内容になっており、半分近くが1作目のリメイクミッションとなる。
1作目未プレイの人や、プレイを中断した人には有り難い中身。
だが、1作目を最後までプレイした者にとってはやや物足りなさを感じる3作目になっている。
4作目『ヒットマン ブラッドマネー』
1作目から続く旧ヒットマンの集大成。
何年にも渡って継ぎ足しされたゲームシステムはほぼ完成形に近い姿に。それに加えて劇場型の暗殺や「事故死」などの登場によって暗殺はさらに多様化しており、1度のプレイで全てを把握するのは困難なレベル。
なお、今作はシリーズの中でも指折りの名作として知られている。
5作目『ヒットマン アブソリューション』
新装開店のシリーズ5作目。
“実に6年ぶり”の新作だったが、シリーズファンの評価は賛否両論。
とにかく今作は”ヒットマンというよりも、スプリンターセルに近い”。
一足先にリブートされた『スプリンターセル コンビクション』の影響を強く受けており、私のレビューでは”当時の流行りを意識し過ぎた結果、自らのルーツを見失ってしまった続編”と書いている。
ただ、一つのステルスゲームとして見れば良作。
この辺りは長年ステルスゲームを作り続けて来たIO Interactiveだからこその仕上がり。
6作目『ヒットマン(2016)』
調子を取り戻したシリーズ6作目。
前作で足元が揺らいだシリーズを再定義する一作であり、4作目『ヒットマン ブラッドマネー』から順当進化を遂げた理想的な一作に仕上がっている。
現時点ではこれ以上ないヒットマンである。
ヒットマン2
『ヒットマン(2016)』の続編。
前作とは”直接的なストーリーの繋がり”が存在することが明かされており、ゲームプレイも基本的には前作の拡張版になるようである。
海外では11月13日(2018年)、国内でも15日に発売予定。
なお、有料DLCとして『ヒットマン(2016)』のミッションパックも配信される予定なので、『ヒットマン2』でまとめて前作をプレイするのもアリ。
オススメのヒットマン
ヒットマン(2016)
▼ポイント▼
- モダン化されたプレイ。
- 初心者にも親切なデザイン。
- 日本語音声/字幕でプレイ可能。
現時点では最もオススメできる一作。
Hitman特有の自由度の高い暗殺をウリにしながらも、それらへのアプローチがとても親切に紹介されるので、シリーズ初心者でも”凄腕の暗殺者”になりきれる。
ヒットマン ブラッド マネー
▼ポイント▼
- ほぼ完成形のプレイ。
- 日常に忍び寄るスリル。
- 一貫性のあるストーリー。
旧ヒットマンの中では最も完成度の高い一作。
各ミッションは非常にバラエティに富んであり、何周もプレイして骨の髄まで味わって欲しい。
ヒットマン コントラクト
▼オススメ▼
- 1作目のリメイクマップを収録。
- 異質な猟奇的な世界観。
何よりも1作目のリメイク ミッションが魅力。
正直、今から1作目をプレイすることは多くの人にとって”苦行”に近いはずなので、今作を通して”1作目の出来の良いミッション”を再プレイした方が良い。
そして、リメイクされるミッションは”わざわざリメイクされるだけの理由がある”ものが多い。
ヒットマン サイレント アサシン
▼オススメ▼
- シリーズの中でも広大で複雑な暗殺。
- 良くも悪くもユニークな一部ミッション
「フグ!」「ヤクザ!」「ニッポン!」
とにかくユニークなミッションが多く、その一方でロシア編で見られる質の高い暗殺も楽しめるバランスの取れた一作。
まとめ
以上、「ヒットマンシリーズを総復習」でした。
11月13日(2018年)に発売されるシリーズ最新作『ヒットマン2』。
基本的には初見さんにも優しい内容になっているが、この記事で紹介した情報もきっと役立つはずなので、購入する際の参考にして頂けると嬉しい。