原題 | Hitman 2 |
開発元 | IO Interactive |
クリア/プレイ時間 | 20時間~ |

『ヒットマン(2016) 2.0』。
基本的には前作の”ミッションパック”。ただ、小さくも大きな改善点が多数盛り込まれており、シリーズファンであれば後悔しないはず。
紹介
どんなゲーム?
暗殺系ステルスゲーム。
プレイヤーは”熟練の暗殺者”として、「箱庭」とも言うべきエリア内でターゲットを自由に暗殺していく。
ある時は離れた場所から狙撃し、またある時は事故に見せかけて暗殺するなど、プレイヤーの発想力次第で様々な遊び方できるゲームになっている。
なお、シリーズとしては『ヒットマン(2016)』の直接的な続編。
過去作との繋がり
- ヒットマン コードネーム47 レビュー
- ヒットマン2 サイレントアサシン レビュー
- ヒットマン コントラクト レビュー
- ヒットマン ブラッドマネー レビュー
- ヒットマン アブソリューション レビュー
- ヒットマン(2016)
- ヒットマン2 <=今ここ
今回は『ヒットマン』とストーリー的な繋がりを持っている。
↑記事では今作までのシリーズの流れと各作品を解説している。
「2」では前作のミッションがプレイ可能
今作向けに前作『ヒットマン(2016)』のミッションパックが配信されている。
有料DLC*【Legacy Pack】を購入すれば『ヒットマン2』上で、前作の全マップ(キャンペーン)がプレイ可能となり、今作のゲームシステムで前作を”再訪”できる。
仮に前作をやり込んでいても─
- 「スーツケース」の登場によってスナイパーライフルの持ち込みが楽に
- 「茂み」のおかげで新たな攻略ルートが生まれているいたりする
ので、あえてプレイする価値は十分に感じる。
*前作のGoTY版所有者は無料
なお、日本語音声は前作のみ
『ヒットマン2』は英語音声/日本語字幕。
対して『ヒットマン(2016)』は日本語音声/字幕でプレイ可能になっており、NPCの台詞を一語一句聞き逃したくない場合は前作をプレイする他ない。
評価/前作のパワーアップ版
なんというか、「ヒットマン」という名のプラットフォームに近い。
前作『ヒットマン(2016)』以降、”ヒットマンは1本のゲーム”というよりはキャンペーン、マルチプレイ、コントラクト、時限ミッションなどのコンテンツをスムーズに配信するための「プラットフォーム」に近い。
そして、この記事では”そのプラットフォーム”が提供するサービスの一つ「キャンペーン」に絞って書いていく。
【Pros】より洗練されたゲームプレイ
「キャンペーン」だけを見れば”今作はミッションパック”。
基本的な部分は全て前作『ヒットマン(2016)』から流用されたものであり、大きな違いと言えばピンクに一新されたテーマカラーくらいだ。
なので、ゲームプレイ全般の評価は前作のレビューを読んで欲しい。
ただ、これは決して欠点ではない。
というのも前作の時点で”ヒットマンとしてはほぼ完成形”に近く、ゆえに「改善」に注力したことでゲームプレイがさらにブラッシュアップされているからだ。
主な改善点
主な改善点(前作との違い) | 説明 |
茂み | 身を隠せる場所の増加 |
スーツケース |
スナイパーライフルやアイテムを隠せる。 ※ブラッドマネー以来の登場 |
監視カメラの範囲を表示 | “確実に”監視カメラを避けられるように。 |
群衆の範囲表示 | “今身を隠せているのか”がひと目で分かる。 ※初期アサシンクリードのソーシャル・ステルス風 |
陽動画面 |
敵が警戒した際にワイプが表示される。 ※ブラッドマネー以来の登場 |
今作では上記の”小さくも大きな”改善点が多数盛り込まれている。
これらによってゲームプレイは前作以上に洗練され、前作が高く上げたハードルを今作は難なく超えてみせている。
私が、前作のレビューの締めに書いた「今作以上のヒットマンは登場するのか?」という不安は見事に払拭された形だ。
大きな変化が無いのは毎度のこと
元々、このシリーズは新作毎に「激変」するタイプではない。
初期の頃から一貫して”前作の改善の繰り返し”になっており、小さな改善の積み重ねがこのシリーズの特徴でもある。
【Cons(欠点)】ローカライズ
残念ながらローカライズの質は前作『ヒットマン(2016)』の方が上。
今作は国内販売が【スクエア・エニックス】から【ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント】に変更されたからか、今回は「気絶させる(=殺害する)」「民衆に隠れる(=群衆に隠れる)」などの細かな誤訳が目立つ。
前作のローカライズがほぼ完璧に近かっただけに、今作の”微妙”なローカライズは気になる。
【Cons(欠点)】カットシーンが紙芝居に
カットシーンが紙芝居に変更されている。
前作『ヒットマン(2016)』は”まるで実写”のようなカットシーンが用意されていたので、それと比べるとその落差が気になる。
前作のミッションパックを購入した場合、前作の映画的なカットシーンに続いて今作の紙芝居が流れるので違和感を覚える。
この辺りは”再独立を果たした【IO Interactive】の台所事情を反映しているような気がする。
総評、(シーズン)”2″
今作も「ヒットマン」の名に恥じない一作に仕上がっている。
1作目からプレイしている熟練暗殺者も、今作が初の新米暗殺者も満足できる内容であり、前作と同じく非常にバランス感覚に優れた「ヒットマン」になっている。
ただし、『ヒットマン (シーズン)2』である点は注意。
言ってしまえば”前作に5個の新規マップが追加された”だけなので、個人的には「前作の大型DLCとして発売しても良かったのでは?」とさえ感じる。
それでも、「ヒットマン」ファンであれば後悔はしないはずだ。