原題 | Fallout: A Post Nuclear Role Playing Game |
対応機種 | PC |
プレイ/クリア時間 | 15時間~ |
ストーリー |
主人公の生まれ故郷であるVault 13の浄水装置が故障する。 主人公(Vault Dweller)は、浄水装置を修理するために必要な”ウォーターチップ”を故郷に持ち帰るべく、危険な地上の世界に足を踏み入れる。 |
備考 | 日本語化Modあり |
👍Good
- 個々の選択が重い
- シンプルで奥深い戦闘
👎Bad
- 視認性に欠ける見下ろし視点
- 使いにくいインベントリ
核戦争後のアメリカを舞台にしたRPG。
- 見下ろし視点
- レトロフューチャー的な世界観
- 「選択」によって分岐するストーリー
などが特徴として挙げられる。
評価
【Pros】個々の選択が重い
文明は崩壊し、秩序も失われた世界。
“何が正しくて、何が正しくないのか”さえ教えてくれる者がいない中で、プレイヤーは”ウォーター・チップを捜索する”という使命を胸にこの世界に足を踏み入れる。
気休め程度のピストルと、申し訳程度に配布された【スティムパック】を手に、あてもなく荒野を彷徨い、見つけた町や集落で地道に情報収集していく。
- ウェイストランドを放浪し、各地でミッションを攻略していく
その過程でプレイヤーは数々の決断を下していくことになる。
“後のゲームプレイを大きく左右する”【S.P.E.C.I.A.L.】を始め、主人公を強化する【スキル】やストーリーを進めるための【ダイアログ(会話)】など、山ほど「選択」が用意されている。
そして、個々の「選択」は非常に重い。
キャラ作成時に決定する【S.P.E.C.I.A.L.】は基本的には取り返しが付かない要素だし、スキルの伸ばし方もゲームの難易度を大きく左右する。
(私の場合、一周目は重火器がマトモに扱えずに相当苦労した)
また、【ダイアログ(会話)】では「選択」によってキャラクターの生死が決まったり、ミッション進行が様変わりしたりする。
「選択」次第では血を流すことなく問題を解決できるし、無駄な手間を省いてスマートにミッションを攻略することもできる。
例えば、”レイダー(盗賊)のアジトから人質を救出するミッション”では、ボスを出し抜いて無傷で人質を解放することも、逆にレイダー一味を殲滅した上で救出することもできる。
- プレイを通して数々の決断を下していく
- 「選択」によってゲームプレイやキャラクターとの関係性が変化する
時には善人として褒め称えられ、時には悪人として蔑まれるも「生き残れたのだから、正しい選択だったんだ」と自分に言い聞かせてプレイするシビアさがたまらない。
進め方によっては「お前の努力もここまでだ」と非情にレッドカードを突き付けられる(詰む)けれど、”その過酷さも含めてフォールアウト”なのだと感じさせる。
何周も遊べる
一つのミッションに複数のルートが用意されていることが大半。
また、条件は不明だが、他のキャラクターの接し方が一周目と変わることもある(なぜか、2周目ではレイダーのボスに死んだはずの父親と勘違いされた)。
当然、【S.P.E.C.I.A.L.】によってゲームプレイも変化する。
なので、二周目以降も新鮮な気持ちで遊べる。
【Pros】理解できれば面白い戦闘
戦闘時はターン制アクションゲームに。
そして、戦闘時は─
- 敵を攻撃する
- マスを移動する
- インベントリを開く など
動作の一つ一つが【AP】を消費するので、それを計算した上でプレイする。
基本的に、【AP】はカツカツなので上手くやり繰りする必要があり、主人公の一挙手一投足をしっかりコントロールした上でプレイする頭脳派な一面を持っている。
(ルールを理解すれば)非常にシンプルな戦闘システムながらも、【AP】があることでしっかり頭を使ってプレイする必要があり、非常に奥深い。
【AP】があるからこそ、「攻撃に出るか、インベントリを開くか」が悩ましいし、残りの【AP】を全て使って起死回生の一手を打つギャンブルも楽しい。
【Cons(欠点)】タイムリミットの”150日”
開始時点で「150日」というタイムリミットが存在する。
一応、タイムリミット自体は余裕を持って設定されているし、【ウォーター・チップ】を届けた時点で解除されるが、一周目はこれらが分からずに駆け足でプレイしがち。
個人的には、タイムリミットを意識することなく自由に冒険したい。
総評
今なお色褪せない一作。
『フォールアウト3』以降と比べれば”非常に純度の高いフォールアウト”になっており、【ウェイストランド】の過酷さと、「選択」の重みが見事に世界観と調和している。
若干、取っつきにくい部分はあるけれど、発売20年という時の経過を感じさせない名作RPGである。
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