【評価/感想】”ヒットマンとしては”駄作/ヒットマン アブソリューション【批評/レビュー】

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原題Hitman: Absolution
機種PC,PS3,Xbox360
発売日2012年11月20日
開発元IO Interactive

約6年ぶりに発売された”復活作”。
良くも悪くも、シリーズの刷新を図った意欲作になっており、”現代的なヒットマン”に生まれ変わっている。

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ヒットマンとしては駄作

シリーズの良さを失った

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まず、ステルスゲームとして見れば良作。
簡素化された操作性と、圧倒的なエリアの作り込みは今でもトップクラスに感じる。

だが、「ヒットマン」として見れば”駄作”と言わざるを得ない。
そもそも、ヒットマンとはサンドボックス型エリア内のターゲットを、あの手この手で暗殺するプレイが面白い作品だが、今作ではその部分が抜け落ちてしまっている。

一言で言えばヒットマンらしくない。
今作は極端な1本道構造のミッションが増加しており、内容自体も“レール上の敵を排除し、抜け道を通ってゴールを目指す”というスプリンターセルっぽい作品になっている。

要するに、これまでのように”広大なエリアを探索しながら綿密に計画を練り、そして暗殺を実行する”というヒットマンの醍醐味は完全に忘れ去られているのだ。

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余計にプレイを縛るポイントシステム

また、ポイントシステムも不要に感じる。
今作では、一つアクションを起こす度にポイントが増減するのだが、これもヒットマンらしくない。

というのも、今作では「気絶させた敵」を放置すると減点されたままになる。なので、たとえ敵に発見されない状況下であっても敵を隠す必要があり、近くに隠し場所が無い場合は減点覚悟で敵を気絶させる必要に迫られる。

その結果、そのスコアに遊ばされている感が強くなっている。
ただでさえ低い自由度を更に下げる結果に繋がっており、はっきり言って無い方がマシ。

破綻した変装システム

変装システムの変更は”改悪”に近い。
今作では“同じユニフォームの人間には怪しまれる”仕様に変更されたことで、変装システムは破綻してしまった。

例えば、あるミッションで警官に変装する場面。
そのエリアには多数の警官が配置されており、これまでなら変装することで素通り出来たのだが、今作では変装したにも関わらず、彼らの目を回避する必要に迫られる。
となると、警官に変装したAgent 47が警官で溢れるエリア内を中腰移動する滑稽なシーンが目の前で展開される。それの方が明らかに不自然なのに、なぜか通用している現実にゲンナリさせられる。

「仮に変装しても同僚にバレるのは当然」という理屈は理解できる。
ただ、今作はそれを上手くゲームに落とし込められていないので、変装システムは機能不全に陥っている。

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良い点は”作り込み”

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操作方法の簡素化と見直しは素直に歓迎できる点だ。
これにより、ターゲットとの距離間や攻撃のタイミングと言った面倒なことを意識する必要がほぼ無くなり、非常にプレイしやすい作品になっている。もはや、些細な操作ミスが原因でリスタートするようなことは起きない。

また、個々のミッションも作り込みも流石だ。
(1本道ではあるが)エリア内には潜入ルートや仕掛けが山ほど用意されており、1周のみで全てを把握するのは困難に感じるほど。さらに暗殺方法も多彩であり、確実に仕留められる簡単な方法と、チャレンジ色が強い難しい方法の二つが用意されており、新旧のヒットマンファンが満足できる内容になっている。

これらの点は、長年ヒットマンシリーズを開発してきたノウハウが活かされている。
ヒットマンのフォロワーや、他のステルスゲームでは中々見られない作り込みとセンスの良さが光っている。

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総評

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2度目だが、ヒットマンとしては駄作。
以前、ネットで見掛けた「開発者はヒットマンを遊んでいない」という話を真に受けてしまうほど、今作はヒットマンらしくない。長い沈黙の末に発売された続編がコレでは示しがつかないだろう。

ただ、一つのステルスゲームとして見れば良作。
これまでのノウハウが投入された圧倒的な作り込みと、カジュアル化された操作性によってステルスゲーム入門編に最適な一作でもある。

結論としては、”当時の流行りを意識し過ぎた結果、自らのルーツを見失ってしまった”続編。
確かにグラフィック、サウンドやエリアの作り込みには目を見張るものはあるが、これはヒットマンではない。