原題 | John Wick Hex |
対応機種 | PC,PS4,Xbox One |
プレイ/クリア時間 | 5時間~ |
👍Good
- ジョン・ウィックの世界観を再現
- 音楽
👎Bad
- 一部の狂った難易度
- 最初から最後まで同じことの繰り返し
紹介
どんなゲーム?
『ジョン・ウィック:パラベラム』の公開に合わせて発売された一作。
ゲームとしてはストラテジーゲームになっており─
- 戦術性の高いゲームプレイ
- ターン制とリアルタイムをミックスしたゲームシステム
などが特徴として挙げられる作品。
なお、キアヌ・リーブスは出演していない。
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John Wick Hexのストーリー
事態を収拾すべく、ジョン・ウィックが派遣される。
評価
【Pros】タイムラインベースのストラテジー
“ジョン・ウィックのゲーム版”と聞くと、原作ファンは派手なアクションゲームを連想するかも知れないが、実際はストラテジーゲームになっている。
ただし、一口にストラテジーゲームと言っても、本作は”タイムライン制”という一風変わったものが採用されており、全てタイムラインを見て決める点がユニーク。
まず、”タイムライン制”の仕組みを説明すると、モノ自体は「ターン制」と「リアルタイム」をミックスしたようなものになっており、自分のターンを完了すると”相手も自分も同時に時間が進む(リアルタイム)”。
そして、画面上部のタイムラインには”次の2秒間に相手が実行する”アクションがクリップのように表示されており、プレイヤーはそれを基に次の一手を考える。
例えば、このタイムラインは約0.7秒後に2名の敵が同時に攻撃(STRIKE)して来ることを示しており、ひとまず”移動(一歩に0.4秒要する)して回避すれば良い”ことが分かる。
このように本作では、タイムライン上のクリップに対して次の一手を打つことを繰り返し、0.1秒、0.2秒の差を相手と競う。
- 銃を撃つ=>0.9秒
- 移動=>0.4秒/ひとマス
上記の通り、ジョン・ウィックの全ての行動は時間を要するので、それを考慮した上で最適な進行ルートだったり、立ち回りだったりを考えないといけない。
そうしたゲームプレイは頭脳的で面白く、全てが計算通りに進んだ際はジョン・ウィックさながらのスマートさと、無双感が味わえる。
まるでジョン・ウィックの脳内を覗き見ているよう
タイムラインに表示された敵の行動に対して先手を打つゲームプレイは、”敵の一歩先を行く”ジョン・ウィックの戦い方を上手く捉えている。
また、ステージをクリアすると映画風リプレイが再生できるので、プレイ中はさながらジョン・ウィックの脳内を覗き見ているようでもある。
【Pros】ストイックなゲームプレイ
とにかく、先を見据えた上でリソース管理することが重要。
本作はそれぞれのチャプターが5個前後のステージから構成されており、ステージに限っては主人公の状態やアイテム数がそのまま次へと引き継がれる。
よって、無計画に遊んでいると最後の方で詰むことは普通にあるし、その場合はそのチャプターの頭からやり直しになる。
- 各チャプターは5個前後のステージから構成されている
- ステージ間では主人公の状態やアイテム数が次へと引き継がれる
原作とは対照的に、非常にストイック。
詰む可能性があるからこそ、同じステージを何度も遊んでプレイ内容を最適化することや、アイテムを使い分けることに意味があり、面白い。
また、銃やスキルの取捨選択も最後まで悩ましい。
【Cons(欠点)】ざっくりした難易度
全体的に、各チャプターは「すごく簡単なステージ」と「すごく難しいステージ」が両極端で、難易度曲線も不自然なので遊んでいてイライラさせられる。
「すごく難しいステージ」というのも、そうなるように調整されたものではなく─
- いつの間にか湧いている敵
- 急に視界に入って来る敵
- 一度に捌ききれない量の敵が湧く
- 通路が狭くて逃げ場がない
などの”雑さ”が凝縮されているだけなので理不尽さを覚える。
確かに「タイムライン制」や硬派さ自体は魅力的だが、それらを活かすための場が整備されておらず、せっかくの魅力が半減している。
戦術を練る意味がない
- いつの間にか湧いている敵
- 急に視界に入って来る敵
- 初見殺し
のおかげで、戦術を練りながら遊んでいても一瞬で台無しにされる。
ゲーム側は”戦術的にプレイすること”をプレイヤーに求めるが、一方でその苦労を台無しにする要素を仕込んでおり、遊んでいてイライラさせられる。
総評
“磨けば光る原石”的な一作。
全てが上手くハマった瞬間は非常に面白く、ポテンシャルの高さが伺えるが、ほとんどの場面では粗削りなゲームシステムと狂った難易度が足を引っ張っている。
ただ、仮に続編があれば迷わず購入できる一作目ではある。
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