【評価/感想】Firewatch【批評/レビュー】

ゲームレビュー
開発元Campo Santo
発売日2016年2月9日
その他日本語字幕版アリ

『Firewatch』は、アメリカ、ワイオミング州の自然保護区を舞台にしたアドベンチャーゲーム。

※ストーリーのネタバレには極力配慮した内容になっている。

▼ストーリー▼

時は1989年、あなたは面倒な生活から逃げ出すように森林火災監視員となった男『ヘンリー』です。

山の上の監視塔から火事の元となる煙を見張り、別の監視塔の上司『デリラ』とこの荒野の安全を守るのが仕事です。

暑く乾燥した夏は、特に注意が必要ですが、彼女との交信はこの広大な自然の中で唯一、小さなトランシーバーだけ。

監視塔の周りだけでなく森林公園内で起こる奇妙なできごとや手付かずの大自然に直面しながら、トランシーバー越しの”対話の選択”で問題を解決し、彼女との人間関係を構築していけるのでしょうか?

Steam

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ビターな大人の物語

『Firewatch』は主人公Henryと、その上司であるDelilahとの会話を中心としたアドベンチャーゲーム、もといウォーキング シミュレーター。

この夏から「森林火災監視員」として働くHenryの努めは、”社会から断絶された”森を来る日も来る日も歩き続け、火災から森林を守ること。

一方、Delilahは監視員らを監督する立場の人間で、Henryとは「トランシーバー」を通してやり取りを行う。

『Firewatch』では、そんな2人の会話を中心としたストーリーが展開されるのだが、互いに何かしらの傷を負った2人の会話は、まるで”雑談を盗み聞きしている”気分になるほど、プレイベートな内容に終始する。

そこにエンタメ性は皆無なのだが、”互いに孤独を求めながらも、どこかで人の温かみも求めている”ことが言葉の端々から伝わり、酸いも甘いも知った大人たちが繊細なやり取りを通して、心の傷を癒やしていく過程は、この作品最大の見所と言える。

また、中盤に発生するミステリアスな出来事は、それまでとは異なるトーンのお話となり、これまでは心地よく感じていた孤独感が、次第に恐怖感へと変わる過程の描き方が巧みで、なおかつ秘密を共有することで、2人の関係がより深くなる流れも見応えがある。

是非とも、ネタバレを踏んでしまい”初見の良さ”を失う前に遊んで欲しい。

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夢中になり森を散策

使い古された表現だが、没入感が高い。

環境音への拘りが強く、枯れ葉の上を歩いた時の音や、体に枝葉が触れた際の音などにウソがなく、ヘッドホンを装着すれば”森のど真ん中にたった一人で居る”感覚に陥る。

また、カトゥーン調のグラフィックは意外にも違和感がなく、むしろその非現実的な描写が独特の温かみを生んでおり、深い森を黙々と進み続けること自体が「癒やし」となる。

さらにアニメーションも素晴らしく、一つ一つの動作が実に人間くさいこともあり、現実世界に引き戻されることがない。

そんな世界を、プレイヤーはマップとコンパスを頼りに黙々と歩き続ける。

技術的な問題は玉に瑕

  • ロード画面でのフリーズ or 長いロード
  • 急なフレームレートの低下

…と言った技術的な問題は、プレイヤーの意識を現実世界に戻してしまう。

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総評

本作は大自然と社会を繋ぐ唯一のライフラインである「トランシーバー」を通して、HenryとDelilahがお互いの傷を癒やしていく過程を見守る、大人のアドベンチャーゲーム。

Henryと同じく、実生活に疲れを感じる現代人にこそオススメしたい一作である。