原題 | The Last of Us |
対応機種 | PS4,PS3 |
プレイ/クリア時間 | 12時間~ |
ストーリー | 謎の寄生菌が大流行し、荒廃した世界。
裏稼業を生業とするジョエルとテスは、ある武器取引がもつれた結果、エリーという名の少女をある場所まで連れて行くことになる。 |
👍Good
- 洗練されたゲームプレイ
- 泥臭いアクション
- ストーリー
👎Bad
- 中盤以降の中弛み
- 時おり、味方AIが邪魔になる
紹介
“謎の寄生菌の大流行によって文明が崩壊した世紀末”を舞台にした一作。
ゲームとして─
- ストーリー主導型の一本道ゲーム
- ジャンルとしてはステルス系アクション
などが特徴として挙げられる作品になっている。
なお、本作にはマルチプレイも収録されているが、この記事ではシングルプレイ/キャンペーンに絞って書いている。
エディション毎の違い
PS3版 | オリジナル版 |
PS4版 | ↑のリマスター版 +PS3では有料配信されたDLCを収録 |
PlayStation Hits | リマスター版の廉価版 |
評価
【Pros】飾りっ気のないステルス
物資の乏しい世紀末が舞台。
銃は”ここぞ”という場面やハッタリとして使い、多くの場面ではステルスプレイに徹した方が賢明であり、ゲーム自体もほとんどの場面がステルス状態を維持したまま制圧できる。
そして、本作のステルスプレイで出来ることは─
- 物陰に隠れる
- モノを投げて誘導する
- 背後から絞め落とす
くらいであり、ステルスゲームとして最低限の要素しか用意されていない。
ステルスゲーム好きとしてはこの飾りっ気の無さが逆に新鮮。
便利なガジェットなんてないし、使い勝手の良い必殺技も用意されていないので、プレイヤーは物陰に隠れて敵を観察し、隙を見て背後から絞め落としていく。
(絞め落とす際は、敵が抵抗するのでなかなか倒せない)
本作の“洗練されたゲームプレイの中でやる原始的なステルス”とも言うべきゲームプレイは、後述する敵の存在もあって非常に緊張感があり、ステルスゲーム好きでもしっかり腰を据えて遊べるものになっている。
よく練られたステルス
敵グループが巡回するエリアであっても、必ず突破口が用意されている。
敵の巡回ルートを読み、倒す順番を間違えなければステルス状態を維持したまま攻略できるようになっており、ステルスパートは非常によく練られている。
【Pros】戦闘の面白さを底上げする敵
発売から5年以上経過した今でも、本作の敵の動きには感心する。
人間の敵は”プレイヤーを見て臨機応変に対応を変えてくる”頭を持っており、自分たちが優勢だと分かれば積極的に攻めて来るし、逆だとその場に留まる。
さらに、プレイヤーの背後に回って羽交い締めにしたり、側面から撃って来たり、火炎瓶を投げてきたりなど、あの手この手で攻めて来る。
オンラインプレイとまでは言わないが、敵AIのレベルは非常に高く、どれだけ遊んでいても戦闘になると新鮮な緊張感が帰って来る。
クリーチャーは緩急を付ける
対人戦の合間合間に用意されたクリーチャー戦は、ゲームに緩急を付ける存在として機能している。
クリーチャー戦では【クリッカー】と呼ばれる”即死攻撃を持つ”ものも混ざっているので、対人戦とは違った意味でスリリングなパートになっている。
【Pros】エリーの存在
本作のプレイ動画が初お披露目された際、”エリーが敵にレンガを投げ付けてプレイヤーを手助けする”シーンがあまりにも自然で、客席から拍手が沸き起こった。
一連のシーンでは”プレイヤーが指示を出したから助けた”という機械的なものではなく、仲間を救うために危険を冒したという人間的な感情を感じさせた。
前述のプレイ動画は誇大広告なんかではない。
製品版である本作でも、やはりエリーはゲームを有利に進めるためだけに存在する”ゲーム的”なコンパニオンキャラではなく、本当の意味でのコンパニオン(仲間)として描かれている。
仲間なので、エリーを支配的に管理したり、”プレイヤーとして”逐一命令を出すなんてことはしない。
この関係性は非常にユニークで、かつエリーの咄嗟(に見える)行動の数々も面白く、道中での出来事も含めてそのキャラクター性は非常に魅力的だ。
【Pros】「グラウンドモード」は絶妙な難しさ
本作は「グラウンドモード」でこそ真価を発揮する。
最高難易度「グラウンドモード」では─
- ノーマル比で回収できるアイテムが激減する
- 敵の攻撃力がアップする
- 主人公が弱体化する
- 聞き耳が無効化される
- 敵に反撃する際の反応時間が短くなる
などの厳しい制限が設けられる。
これにより、プレイヤーは─
- きちんとリソース管理する
- 常に有利な状況で敵と戦う
ことなどをイヤでも意識させられる。
死と隣り合わせのゲームプレイとシビアなサバイバルによって生まれる、“心臓の鼓動が聞こえてくるほどの緊張感”は「グラウンドモード」でしか味わえない。
ぜひ、「グラウンドモード」にも挑戦してみて欲しい。
関連記事>>>グラウンドモードで2周プレイした感想
【Cons(欠点)】中盤以降は中弛みする
このゲームで出来ることは序盤の2時間にほぼ全て登場する。
それ以降の約10時間は場所や時間を変えて序盤2時間のゲーム内容を繰り返すだけなので、中盤以降は中弛みする。
一応、段階的に武器はアンロックされるがどれも似たりよったりなので戦闘に大きな変化は与えないし、育成要素も”ただ強化するだけ”なので新しいことが出来るようにもならない。
幸い、洗練されたゲームプレイのおかげで遊ぶことが苦痛とはならないが、中盤以降は感染者に加えて”飽き”とも戦うことになる。
総評
ステルス系アクションゲームの良作。
本作はよく練られたステルス、手に汗握る戦闘や濃密なストーリーと演出が一つのパッケージに収まった贅沢な一本であり、どの瞬間も大きく外すことがない。
PS4を所有しており、かつ少しでも興味があるのであればプレイして損することはないはずだ。
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