原題 | Draugen |
対応機種 | PC,PS4,Xbox One |
プレイ時間 | 3時間~ |

良質なウォーキング・シミュレーター。
ミステリー映画を見る感覚でプレイすれば、きっと満足できるはず。
紹介
どんなゲーム?
いわゆる【ウォーキング・シミュレーター】。
ざっくり言えば、”「ゲームっぽさ」を取り除いたゲーム”になっており、プレイヤーはエリアを探索し、周囲に散らばった情報を集めてストーリーを読み解いていくことになる。
Draugenのストーリー
彼は行方不明になった妹を探すためはるばる、ノルウェーの集落までやって来た。同行する相棒のリッシーと共に、彼はこの場所で妹を探す。
評価
【Pros】同行する相棒の存在

『Firewatch』より。
多くの場合、本作のような【ウォーキング・シミュレーター】に”孤独”は付き物だ。
一足先に発売された『Close to the Sun』では無人の豪華客船を一人で探索し、16年を代表するインディーゲームの一つ『Firewatch』でも、深い森をたった一人で歩いて見回った。
その点、本作は”孤独”ではない。
本作の開発元【Red Thread】が、公式サイトやTrailerにて「プレイヤーは独りではない」という点を強調しているように、このゲームではほとんどの場面で相棒が同行する。
相棒の名はリッシー
Steamの説明文で彼女は”躍動的で自立した生ける同行者”と紹介されているが、その宣伝文句に偽りはない。
『バイオショック インフィニット』のエリザベスのように、『ラスト オブ アス』のエリーのように、リッシーは”自立した一人の人間”であり、プレイヤーの下僕ではない。
プレイヤーが辺りを調査している時、リッシーは後ろで逆立ちの練習をしていることもあれば、彼女は彼女で辺りを見て回り、自分の意見を遠慮なく投げかけて来ることもある。
- リッシーは”自分の考えを持って行動している”ように振る舞う
- 今の状況に対する意見を投げかけて来る
こうした”自立した(ように見える)相棒”の存在は、【ウォーキング・シミュレーター】特有の孤独感が解消し、かつ”彼女の人間くさい行動”がゲーム世界に命を吹き込む。
リッシーもストーリーの一部
ちなみに、リッシー自身もストーリーの一部だったりする。
ネタバレになるので伏せるが、プレイ中に彼女に対して覚える”違和感”にちゃんと意味があり、中盤辺りで点と点が繋がる。
リッシーをストーリーを語る上でも重要な存在とし、“ずっと行動を共にする彼女の言動を伏線として散りばめる”手法には感心した。
【Cons(欠点)】会話システムはあまり意味がない
“リアルでダイナミックな会話システム”という触れ込みだが、機能としてはよくある【ダイアログシステム】になっており、かつ「選択」による変化もないように思える。
強いて言えば、この部分が物足りない。
総評
まるでミステリー映画のような作品。
ある意味、純粋な【ウォーキング・シミュレーター】になっており、周囲に散らばった断片的な情報を集めてストーリーを追っていく流れや、集めた情報をもとに推理することが面白い一作。
チープなステルスパートやパズルもなく、純粋にゲーム世界に没入し、ストーリーを追える良質な【ウォーキング・シミュレーター】である。
👍Good
- 美しいノルウェーの集落
- 読み応えがあるストーリー
- 自立した相棒リッシー
👎Bad
- 一部の謎が謎のまま
※ストーリー自体はちゃんとエンディングを迎える - 一部の宗教的な要素は場違いに感じる