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【評価・感想】『Close to the Sun』レビュー

3.5
ゲームレビュー
ゲームレビュー
この記事は約5分で読めます。
機種 PC(Epic Gamesストア)
備考 日本語字幕に対応
カキヘイ
カキヘイ

『バイオショック』風味のウォーキング・シミュレーター。
スチームパンク、レトロフューチャー的な世界観と、ニコラ・テスラが絡む「時空」をテーマにしたストーリーは魅力的だが、合間合間の「チェイスシーン」がその良さを損なわせる。

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著者情報
Kakihey

2014年末より当サイト「Kakihey.com」を運営中しています。現在までに300本以上のゲームレビューを公開しています。基本的にPCでゲームを遊んでいます。

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紹介

どんなゲーム?/バイオショックにインスパイアされた作品

冒頭で「I am Andrew Ryan」と言わないだけで、ひと目で『バイオショック』に強くインスパイアされた作品だと分かる作風になっており、先にそっちを遊んだプレイヤーはすぐにその類似性に気づくはず。

ほとんど何も分からない状態から”海上”に停泊中の【ヘリオス号】に乗船し、無線機からの指示に従ってストーリーを進めていく流れは、『バイオショック』でお馴染みの流れである。また、スチームパンク、レトロフューチャー風の世界観や、”科学者たちにとっての理想郷になるはずだった”【ヘリオス号】という舞台も、ほぼ確実に【ラプチャー】がモデルだろう。

(もっと言えば、ゲーム内ポスター、ロゴデザインやフォントも『バイオショック』風)

  • 全体的にバイオショック感が強い

ただし、本作が”戦闘を完全に排除した作品である”という点は、『バイオショック』とは決定的に異なる部分であり、本作では肉体を魔改造して「バールのようなもの」で敵を殴打していくことはしない。

本作は首尾一貫して探索重視の作品。
プレイヤーは”何かが起きた後”の【ヘリオス号】を隈なく探索し、付近に散らばったメモや手紙を読みながら、この船で起きた不可解な出来事と、主人公の妹が関与していた実験について調べていく。

Close to the Sunのストーリー

1897年。ヘリオス号は公海の真っただ中で停止していた。暗い雲が空を多い、荒波が船体を打ちつける。精緻を極めた巨大な金の彫像が見る者を圧倒する。

二コラ・テスラの構想によって製造されたヘリオス号は、エリート科学者たちにとって安息の場所だった。国家による制約や社会の目から解放され、自由に研究を行えるユートピアである。何を研究してもどれだけ時間をかけても誰にも文句を言われない。

ジャーナリストのローズ・アーチャーがヘリオスに乗船したのは妹のアダを探すためだった。だがすぐに何かがおかしいことに気づく。メインホールが空なのだ。腐敗した肉の臭いが鼻を突く。まったくの静寂。入り口に書かれたひとつの言葉は…隔離!

引用元 – Epic Gamesストア

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評価

【Pros】堅実な作りのウォーキング・シミュレーター

まず、【ウォーキング・シミュレーター】としてはツボを押さえた作り。
【Unreal Engine 4】で描かれる【ヘリオス号】の美しさと、”アマチュア感がない”良質なアニメーションのおかげで、せっかくのリッチなゲーム世界を台無しにしない、没入感の高いゲームプレイが楽しめる。

カキヘイ
カキヘイ

【ウォーキング・シミュレーター】とは、エリアを探索してストーリーを読み解いていくタイプのゲーム。

また、演出に関してもじっくり探索させるパートと、プレイヤーを急かすパートが上手く配分されているので、”戦闘を完全排除した中身ながらも”緊張の糸が最後まで途切れず、この辺りのバランス感覚も優れている。

さらに、時おり登場するパズルも良い感じの塩梅。
パズルゲーム好きを満足させる難しさはないが、私にとっては”足が止まらない程よい難易度”であり、本作では珍しいゲーム的な「達成感」が得られる数少ないパートとして気に入っている。

(後述する一部パートを除けば)堅実な作りの作品になっており、この手のジャンルの愛好者であれば満足できる質かと思う。

【Cons(欠点)】全てを台無しにするチェイスシーン

本作は戦闘こそ完全排除されているが、敵に追われる「チェイスシーン」は合間合間に用意されており、プレイヤーは敵に追われながら出口まで激走する。

で、この「チェイスシーン」は本当に出来が悪い。

まず、何よりも面倒なのが敵に追いつかれる=>即死という古臭いデザイン。
「チェイスシーン」用のエリアは初見かつ、終盤は若干迷路っぽくもなるので、進んだ先が行き止まりということがよく起き、その度にリスタートするはめになる。

確かに、「チェイスシーン」はスローテンポなゲームに緩急を付ける「劇薬」としての効果があるのは認めるけれど、現状ではゲームに緩急を付けつつストーリーへの関心も薄れさせるトリガーになってしまっている。

本作の【ウォーキング・シミュレーター】に『Outlast』的な鬼ごっこを組み合わせる試み自体は面白いのだが、素直に直線を走り抜けるくらいの方がストレス無く遊べて良かったと感じる。

【Cons(欠点)】一部の粗さが目立つ

  • マップが無いので次に行くべき場所が分からない時がある
  • 通り抜けられる隙間や縁が分かりにくい
    • 迷子の要因
  • モノに触れる際の反応が悪い

この辺りの調整が甘く感じた。
一部はアップデートで改善可能だと思うので、今後のアップデートに期待したい。

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総評

実に惜しい一作。
スチームパンク、レトロフューチャー的なゲーム世界は素晴らしく、ニコラ・テスラが絡む「時空」をテーマにしたストーリーもプレイヤーを最後まで引っ張るには十分な内容。

ただ、合間合間に登場する「チェイスシーン」は作品の質を大きく損なわせている。

Good

  • スチームパンク、レトロフューチャーな世界観
  • UE4で描かれる美しい【ヘリオス号】

Bad

  • チェイスシーン
  • 一部謎を放置したまま終わる
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