【評価/レビュー】人喰いの大鷲トリコ【批評/感想】

開発元 Team Ico,gen DESIGN
ハード PS4

ゾウよりも遥かに大く、そして鷹の足を持ったイヌのような生物を、少年は「トリコ」と名付け、2人の出会いは期せずして大冒険へと発展していく。

Good

  • トリコ
  • 達成感のある知的なパズル
  • 印象に残る場面の連続

Bad

  • 不安定なフレームレート
  • 少年とカメラの挙動
  • 不親切設計
  • トリコ ロス
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2人の絆

ビデオゲームにおいて、相手との関係性は「友好度」として数値化されていることが多く、プレイヤーはその数値を見ることで、相手との関係が発展していることを確認する。

例えば、The Simsシリーズでは交友関係欄に~100までの数値が表示されており、それが一定の値まで上昇すると関係が一つ前進し、逆に0に近づけば近づくほど関係は悪化する。

本作も、相手との関係性が重要なファクターになっているにも関わらず、そうしたゲーム的な要素は一切存在しない。プレイヤーはトリコの行動や感情を受け止め、少年との関係性を測っていくのだ。

最初は少年が近寄ることすら許さなかったトリコだったが、次第に少年との距離が縮まり、いつしか顔を少年に近づけて甘えたりする。苦手だった水にも少年と一緒なら入れる。そして、そんな少年が危険な目に遭っていると、トリコはいつでも助けに来てくれる。

トリコとの友好度は分からない。しかし、少年とトリコの間には絆があり、ゲームを進める度にその関係が発展していくのが分かった。

ビデオゲームであっても、相手の声、仕草や行動を心で感じ、相手の思いを汲み取ることの方が、遥かに濃密な関係を築けることを本作は証明している。

ここに「友好度」が入る余地はないのだ。

トリコは生きている

トリコは生きている。

トリコとは少なくとも10時間以上は一緒に居たわけだが、一度たりともゲームっぽい動きをすることがなく、至近距離からまじまじと観察しても一切の矛盾が見られなかった。

現実世界に比較対象がないこと、全身が羽で覆われているので誤魔化しやすい点は考慮すべきだが、それでもトリコの思考プロセスや動きはまるで生きているようであり、ペット的な愛着が湧いて来たのは決して私だけではないはずだ。

その結果、この記事を執筆している今は、ペットロスならぬ、トリコロスに近い感情の中で文字を打っている。頭の中ではトリコのあの姿やこの姿がぐるぐると回っている。

傍から見ると理解不能なのは承知だが、私はトリコとの冒険に終わりがある事実さえも辛く、コントローラを置きたいと思ったほどだ。

それほど、トリコはトリコなのだ。もはや単なるゲームのキャラクターではなく、トリコという生き物であり、画面の中にしか存在しない事実さえも悲しい。

プレイ面は課題山積

はっきり言って非常に粗削り。

HUDレスなので没入感は高いのだが、それの弊害として迷子になることが多く、せっかくの山場も台無しになることがあった。一方で、HUDレスなのに操作方法は最後まで何度も表示される矛盾も。

あとは、カメラの挙動やフレームレートの大幅な低下など、多くの技術的な問題も抱えている。

総評

出会えてよかったと思える作品。

ゲームプレイ面はいくつかの問題を抱えているが、トリコと過ごした時間の前では些細な問題に過ぎない。

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