【評価/感想】フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと【批評/レビュー】

ゲームレビュー
開発元Giant Sparrow
発売日2017年4月24日

今年4月に発売され、メディアやプレイヤーから高評価を得た『What Remains of Edith Finch』。

開発者によると、本作の物語は日本の怪談にインスパイアされており、直接的な描写ではなく、それを考察して初めて背筋がひんやりとする体験ができるタイプの作品とのこと。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

奇妙な屋敷での奇妙な体験

奇妙な屋敷を正面から撮影。この屋敷には何世代にも渡る秘密が眠っている。

海辺に佇むフィンチ家の屋敷。

名家として知られていたフィンチ一族は、呪いから逃れるために家と共にアメリカへ移り住む。だが、その最中に家族の一人Odin Finchが事故死し、無事に移り住んだ家族も、次々と不可解な死を遂げ、今では誰一人住んでいない廃墟と化していた。

また、家族が亡くなる度に増改築が繰り返されたその屋敷は、遠くからでもその異様さが感じられる姿となり、屋敷の中は固く閉ざされた家族の部屋と、いつくものトラップが仕込まれていた。

プレイヤーは、そんな一族の末裔で唯一の生存者であるEdith Finchを操作し、あの屋敷でFinch家の面々に起きた出来事の真実を追求する。

屋敷の中には閉ざされたドアや謎のアートで溢れかえっている。

さて、プレイ時間の大半は屋敷の探索が占める。

この手のいわゆるWalking Simulatorで、私が最も注目するのは語られない余白の部分。これは、台詞や演出ではなく、何気なく配置されたオブジェクトや景色から物語を読み解けるのかということなのだが、本作はこの点が優れている。

川下に流れ着いだ新聞紙や、置き去りにされた日用品などは、物語を断片的に語り、具体的に物語を語るパート以外でも、しっかりと読ませてくれるのだ。

また、細部に集中できるのは、驚異的なディテールでゲーム世界が描かれ、アニメーションや操作性に違和感がないことも大きい。ドアを開ける、仕掛けを解除する際の仕草はとても人間らしく、破綻がないのだ。

また、この手のゲームでは、度々方向音痴に陥ることがあるのだが、このゲームでは向かうべき方向にテキストを表示し、ゲーム的なUIに頼らずにプレイヤーを誘導できている点も、ゲームっぽさを排除してゲーム世界への没入感を高めている。

こうしたプレイヤーを飽きさせない、ゲーム世界から離脱させない諸々の作り込みが、プレイヤーをゲーム世界に引き止める引力となっている。

現実と空想の世界を描くミニゲーム。

パズルパートは数少ないゲームらしい部分。

いや、パズルというよりもインタラクティブ・ムービーに近いのだが、それは全て一族の「死」に繋がる内容になっており、プレイヤーはそれを追体験する。

ただ、これは単に暗い内容ではなく、各々の精神状態や置かれた環境を反映したファンタジー仕立ての内容になっており、そこにインタラクション的な要素が持ち込まれ、プレイヤーの入力によってゲーム世界も呼応するため、しっかりとゲームで描く意味が感じられるのだ。

また、どのパズルも個性的な内容。どれ一つとして同じものはなく、毎回ガラリとゲーム内容や表現方法を変えており、その多彩なミニゲーム集とも言える作り込みは好印象。

スポンサーリンク

総評

フィンチ家の家系図。

何周もプレイして解明したいと思わせる複雑な物語と、ミニゲーム集とも言える多彩なパズルパートが魅力的な一作。

2,3時間にも及ぶFinch家のお話は、何度もプレイして謎を解明したいと思わせるほど充実した内容になっている。あなたはこの謎を解明できるだろうか?