嘘っぽい世界と堅実なTPS【評価・感想】『マフィア2(コンプリート・エディション)』レビュー

4.0
ゲームレビュー
ゲームレビュー
この記事は約5分で読めます。
原題 Mafia II(Definitive Edition)
対応機種 PC,PS4,Xbox One etc
プレイ/クリア時間 15時間~
ストーリー

イタリア移民のヴィト・スカレッタは、幼馴染のジョーと一緒にマフィアの世界に足を踏み入れる。

そして、二人は数々の悪事に手を染めながらのし上がっていく。

👍Good

  • 手堅いシューティングゲーム
  • クラシックなアメ車と洋楽の数々
  • ギャング映画にインスパイアされたストーリーと演出

👎Bad

  • 後半の失速感
  • チェックポイントの間隔が長い
  • ゲーム世界に実在感がない

「マフィア」シリーズの二作目。

前作『Mafia: The City of Lost Heaven』と同じく、今作もオープンワールドを採用しているが、オープンワールドゲームではなく、章ごとにゲームを進めていく一本道ゲームになっている。

現在は『マフィア2』をリマスターした「コンプリート・エディション」が販売中。

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著者情報
Kakihey

2014年末より当サイト「Kakihey.com」を運営中しています。現在までに300本以上のゲームレビューを公開しています。基本的にPCでゲームを遊んでいます。

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評価

全体的に洗練されている

前作『Mafia: The City of Lost Heaven』の取っ付きにくさは満遍なく解消されており、全体的に洗練されたアクションゲームになっている。

一長一短ではあるけれど、コントローラ操作を想定した操作は直感的なプレイを可能にし、シューティング面も、手堅いカバー・シューティングに刷新されたことで遊びやすくなっている。

また、敵の位置はミニマップに常時表示されるし、所持できる銃や弾薬の数が増えたことで弾薬切れに悩まされることもほとんどない。

今作はカジュアル化によって、前作よりもお手軽にマフィアの世界を堪能できる続編になっており、主人公になりきるアクションゲームとして優れている。

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移動がつまらない理由

マフィアシリーズらしく(?)今作でも移動時間が何かと多い。

しかし、同じ”移動”でも今作の方が明らかにつまらなく、序盤以降はまるで”マーカーとマーカーの間をただ行き来しているだけ”に思えてしまう。

“移動がつまらなく感じる”主な理由は二つ。

一つは”カーナビによって目的地までのルートが表示されてしまう”点。

今作では『グランド・セフト・オート4』のように、ミニマップ上に目的地までのルートが表示されるようになっており、それを見ながら車を走らせれば難なく目的地までたどり着ける。

一方、前作『Mafia: The City of Lost Heaven』では実際にマップを開き、それをチラチラ見ながら運転させることで、プレイヤーに街そのものを覚えさせる仕組みになっていた。

プレイヤーはマップを見て大体の位置を確認し、あとは標識、看板やランドマークなどを視覚的に捉えながら車を走らせ、自分の頭の中の地図を埋めていったもの。

言わば、前作の移動時間はロスト・ヘヴンという街をプレイヤーに理解させる時間になっており、地図を見ずにサリエリのバーまで帰られた時はそれなりに達成感があった。

確かに、今作のカーナビは移動を楽にしてくれるが、それによって移動時間が単なるマーカー間の行き来になってしまっており、非常に味気ない。

あと、わざわざ”ゲーム側で最適なルートを表示してくれている”以上、それ以外のルートを通るメリットがなく、実質的にルートの自由度も無くなっている。

次は交通ルールが形骸化している点。

今作ではスピード違反さえ気を付けていれば何とかなることが多く、そのスピード違反さえも簡単に警察をまけるので大きな問題にはならない。

驚いたことに、今作では信号無視をしてもお咎めなしになっているので、もはや交通ルール自体があってないようなもの。

またしても前作では、この手のゲームにしては厳格な交通ルールが存在したことで、都市を舞台にしたドライブシミュレーション的な側面があり、運転にも一定の緊張感があった。

今作ではカーナビの導入と、交通ルールの形骸化によってドライブの面白さが骨抜きにされており、遊びやすくなった反面、移動が単調な作業になってしまっている。

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「2」に欠けているもの

赤丸は同じ顔

大きなところではゲーム世界に実在感がない。

舞台であるエンパイア・ベイ自体は素晴らしく、ビル群から路地裏の落書きまで一切の妥協なく作り込まれており、開発元の意気込みを感じさせる。

ただ、実在感がない。

街を歩けば同じ顔をした人間が当たり前のようにいるし、一部の演出を除いて列車が走ることもない。

一方、前作『Mafia: The City of Lost Heaven』では様々な顔をした人間が街にいて、プレイヤーが乗る乗らないに関係なく、電車や路面電車は規則通りに走っていた。

要するに、ゲーム的な矛盾を限りなく排除したリアルな世界が用意されていた。

その点、今作の場合は”細部に目をやるとゲーム的な矛盾がすぐに発見できる”世界になっており、せっかくのエンパイア・ベイを活かしきれておらず、非常にもったいない。

あとは、カジュアル化に合わせて銃や車の個性が失われている。

ざっくり言えば、”どの銃や車でも問題なくミッションを完了できる”ようになっており、それぞれの銃や車にあったクセが満遍なく潰されている。

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総評

クライムゲームの良作。

割りと”批判的”な内容になってしまったが、それはあくまでも”前作と比べて”という話であり、単体で見ればクォリティは高く、決して悪いゲームではない。

前作ファン的にはガッカリさせられる点は多々あるけれど、今回が初マフィアの人や、割り切って遊べる人であればオススメできる一作になっている。

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初版:2016年12月10日 20:34

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