【評価/感想】激ムズだが、傑作/Prey【批評/レビュー】

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Preyのボックスアート。

原題Prey
対応機種PC,PS4,Xbox One
発売日2017年5月5日
開発元Arkane Studios
備考公式サイト

今や飛ぶ鳥を落とす勢いのArkane Studiosが送るSi-Fi系RPG。
「もし、JFKの暗殺が失敗していたら?」というIfの歴史を描き、とある宇宙ステーション内部で発生した重大事件の真相を追求する。

▼ストーリー▼

ある実験の被験者となった主人公「モーガン・ユウ」。
しかし、実験は思わぬ方向に転じ、宇宙ステーション「タロスI」が突如謎の地球外生命体に襲われてしまう。
想像を超えた能力と比類なき武器の数々、そして“ひらめき”を駆使し、全人類の運命を切り開け。

公式サイト

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“難しい”理由

時代の逆を行く

敵は地球外生命体。

まず、間違いなく『Prey』は万人受けする作品ではない。
というのも、今作は多くの面で時代の逆を行く作品であり、一部のコアな層には刺さるものの、大多数のカジュアル層に受ける内容とは思えないからだ。

近年、AAA級と呼ばれる大作ゲームの開発費は年々高騰を続けている。
パブリッシャーとしては、ゲームを広く売ることで開発費を回収したいと考えており、必然的に大多数を占めるカジュアル層を意識したゲームが生産されることになる。

その流れで…

  • シビアなリソース管理。
  • 計画的な主人公の育成。
  • 創意工夫を求めるエリア構造。

と言った要素は避けられる傾向にあり、エンタメとしての質は上がっているが、その一方で「カジュアルすぎる」と感じることは少なくない。

その点、『Prey』はカジュアル化の流れの逆を行く作品だ。

シビアなゲームプレイ

『Prey』では…

  • シビアなリソース管理。
  • 計画的な主人公の育成。
  • 創意工夫を求めるエリア構造。

と言ったことが当然のように求められる。

最初から最後までリソースに乏しいため、計画的なアイテムの使用やクラフトは必須であり、主人公の育成方法に関しても、中盤以降のゲーム内容を大きく左右する。
そして、各エリアの攻略にはプレイヤーの”創意工夫”も不可欠であり、限られた手札を組み合わせて攻略していく力が求められる。

無計画に進めると、必ず痛い目に遭うレベルデザインになっているのだ。

試すことに意味がある

『Prey』は様々な選択肢を提示してくれるが、それを生かすも殺すもプレイヤー次第。
【ハッキング】や【マインドジャック】を使えば、直接手を下すことなく敵と戦え、マグカップに擬態すれば、人間やミミック(敵)さえも通れない隙間から、先へ進めたりする。
また、【グルーキャノン】で強引に”自分だけのルートを開拓”し、攻略に活用もできる。

今作のレベルデザインは、首尾一貫してプレイヤーの意思を尊重する。
そしてDeus Exシリーズ同様に、「こうしたらどうなる?」という問いに対して、きちんと答えが用意されていることが大半であり、色々と試すことに意味がある。

確かに『Prey』における主人公の育成や、リソース管理は骨の折れる作業。
しかし、時間を掛けた分だけプレイヤーに報いてくれる内容にもなっており、そうしたコアな部分はとても面白い。

一昔前の”洋ゲー”の代名詞だった「不親切」「とっつきにくい」「難しい」の三拍子が揃っているが、決して悪い内容ではないのだ。

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欠点、良くも悪くもクラシック

Looking Glassスタジオのオマージュ。

Arkane Studiosの代表作と言えば、ステルスゲームの傑作として名高いDishonoredシリーズだろう。
そして、その1作目である『Dishonored(レビュー)』では、昨今のトレンドと泥臭い昔気質なステルスプレイが見事に融合しており、ここ最近のステルスゲームの中でも指折りの作品だ。

同じく『Prey』も、Arkane Studiosの作品かつ、往年の名作へのリスペクトが感じられる内容になっているのだが、どうもこちらは“昔気質な部分だけが強調されている”と感じる場面が多い。

というのも、クラシックな要素がそのまま再登場しているからだ。

次の記事>>>『Prey』をプレイする前に知っておくべきこと。

とにかく、手間が掛かる

ロード画面が多い

例えば、エリア移動の度に登場する”ロード画面”。
私はSSDにインストールしたのでロード時間自体は気にならないが、エリア移動の度にロード画面が挿入されるので、その頻繁には辟易させられた。

残念ながら【ファストトラベル】も存在せず、特に複数のエリアを跨ぐミッションでは、長い移動時間+ロード画面を我慢する必要があり、まるで00年代にタイムスリップしたような不便さを覚える。

クラフトは手間が掛かる

また、ゲームプレイの軸となるクラフトも手間が掛かる。
というのも、クラフトの際はわざわざ「分子成形機(=アイテム作成機)」まで出向き、材料の作成には「リサイクラー」も必要になるので、”即席で作れないストレス”があるのだ。

さらに、【分子成形機】と【リサイクラー】が別々の場所に設置されていることもあり、「クラフト素材を作ったのに肝心の分子成形機がない!」ということになり、こうした小さなストレスが蓄積されていく。

確かに、クラシックな作品に対するリスペクトが感じられる。
そして、それが強烈な個性にもなっているのだが、その一方でトレンドを追うことには無頓着で、せっかくの”個性”が色褪せている瞬間があるのは残念だ。

この辺りのバランス感覚は『Dishonored(レビュー)』の方が一枚上手だった。

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総評

衝撃的なラスト。その様子を収めた一枚。

『Prey』は、元を辿れば『System Shock 2』まで行き着く作品。
そのため、SS2を起源とする『Deus Ex(レビュー)』や『Bioshock(レビュー)』との共通点は多く、この2作のファンであれば、本作を好意的に捉えられるはずだが、逆にそれ以外の人たちに勧めるのは躊躇してしまう作品でもある。

少なくとも私は、続けて2周目を開始したほどには気に入ったが。

注目記事>>>ゲームランキング

Q&A

Q.2周目は?
A.後のアップデートで「New Game+(強くてニューゲーム)」に対応