【評価/レビュー】”洋ゲー”ライクな洋ゲー。Prey【批評/感想】

開発 Arkane Studios
ハード PC,PS4,Xbox One

本作『Prey』は、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの「Arkane Studios」が送るSi-Fi系RPG。

「もし、JFKの暗殺が失敗していたら?」というIfの歴史を描き、とある宇宙ステーション内部で発生した重大事件の真相を追求する。

次の記事>>>あなたが『Prey』を購入する前に知っておくべき4つのこと。

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いざ、2000年代へ

「Arkane Studios」の代表作と言えば、ステルスゲームの傑作Dishonoredシリーズだろう。

その1作目である『Dishonored』は、昨今のトレンドと泥臭い昔気質なステルスプレイが融合した一作になっており、近年プレイしたステルスゲームの中でも指折りの作品だったと断言できる。

本作『Prey』も、同じく「Arkane Studios」の作品かつ、往年の名作へのリスペクトが感じられる内容になっているのだが、どうもこちらは”昔気質な部分だけが強調されている”ように感じる。

別の言い方をすれば、クラシックな要素がそのまま登場しており、現代基準で見るとそれらがプレイアビリティを著しく下げる要因になっている。

例えば、頻発する「ロード画面」。私はSSDにインストールしているので、ロード時間自体は気にならないのだが、その頻度には辟易させられる。このゲームでは、エリア移動の度にロード画面が挿入されるので、頻繁にエリア移動する際は非常に気になる。「Half Lifeかな?」

そして、「ファストトラベル」も存在しない。物語の設定的に、”瞬間移動”があっても不自然ではないのだが、何故か実装されていない。したがって、ミッションによっては長い移動時間+ロード画面に絶えなければならなず、まるで00年代にタイムスリップしたような不便さを覚えた。

また、ゲームプレイの軸となるクラフトも、わざわざ「分子成形機(=アイテム作成機)」や「リサイクラー」まで出向く必要があり、”欲しい時に作れないストレス”があった。

何故か、この2つが別々の場所に設置されていることがあり、「クラフト素材を作ったのに肝心の分子成形機がない!」ということになり、こうした小さなストレスが蓄積されていく作品になっている。

ここは、『Rise of The Tomb Raider』や『The Last of Us』のように、即席でアイテムの分解・作成が出来る仕様で良かったのでは?

現状ではただでさえ悪いテンポをさらに悪くしている。

確かに、クラシックな作品に対するリスペクトが感じられ、それが強烈な個性になっている。一方でトレンドを追うことには無頓着で、せっかくの”個性”が色褪せているのは残念。

この辺りのバランス感覚は『Dishonored』の方が一枚上手だった。

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ハードコアなゲームプレイ

はっきり言って、『Prey』は万人受けする作品ではないだろう。

いわゆる、昨今の大作級の”洋ゲー”はカジュアル層を相当意識した内容になっており、「シビアなリソース管理」、「計画的な主人公の育成」や「工夫してエリアを突破する力」は、差ほど求められない印象を受ける。

余りあるほどのアイテムが入手でき、適当に主人公を育成してもそこそこ通用し、決められた道順で遊べばそのエリアを突破できる。もちろん、その中にも手に汗握る瞬間があったりするわけだが、それでもプレイのハードルは相当低いと感じる。

しかし、『Prey』はその逆を行く。

「シビアなリソース管理」は当然のように求められ、主人公の計画的な育成は”前提”。また、各エリアの攻略にはプレイヤーの”創意工夫”も不可欠で、控えめに言ってもカジュアルではない。

特にゲームプレイ面では、試行錯誤を繰り返しながら攻略法を確立していくのが基本で、無計画に進めていくと必ず痛い目に遭うレベルデザインになっている。

その一方で、『Prey』は様々な選択肢をプレイヤーに提示してくれる。「ハッキング」や「マインドジャック」を使えば、直接手を下すことなく敵と戦え、マグカップに擬態すれば、人間やミミック(敵)さえも通れない隙間から先に進むことが出来たりする。

これ以外にも、「グルーキャノン」で通路を作り出して”自分だけのルートを開拓”することも出来るなど、プレイヤーの創意工夫を邪魔しない様々な選択肢で楽しませてくれる。

また、『Deus Ex』のように「こうしたらどうなる?」という問いに対し、きちんと答えが用意されていることが多く、色々と試すことに意味がある。

確かに、『Prey』における主人公の育成や、アイテムの作成などは骨の折れる作業。

しかし、時間を掛けた分だけプレイヤーに報いてくれるデザインにもなっており、そうしたコアな部分はとても面白い。

一昔前の”洋ゲー”の代名詞だった「不親切」「とっつきにくい」「難しい」の三拍子が揃っているが、決して悪い内容ではない。

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総評

『Prey』は、元を辿れば『System Shock 2』まで行き着く作品。そのため、SS2を起源とする『Deus Ex』や『Bioshock』との共通点は多く、この2作のファンであれば本作を好意的に受け取れるはず。

逆に言えば、それ以外の人たちに勧めるのは躊躇してしまう作品ではある。しかし、少なくとも私は続けて2周目を開始したほどには気に入った。

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