「最初の刃の遺産」「アトランティスの運命」は、『アサシンクリード オデッセイ』向けに配信されている追加ストーリー。この二作は”ゴールドエディション”、シーズンパスに収録されている。
評価
最初の刃の遺産
原題 | Assassin’s Creed Odyssey – Legacy of the First Blade |
プレイ時間 | 6時間~ |
ストーリー | カサンドラ(アレクシオス)は、命を付け狙う<古き結社>と対峙する。その過程で、ペルシアの守護者を自称する<ダリウス>と呼ばれる暗殺者と初対面する。 |
「最初の刃の遺産」は、本編である『アサシンクリード オデッセイ』の有料追加ストーリー。
本編と同じマップを舞台に、主人公(カサンドラ/アレクシオス)がペルシアから逃れてきた”ダリウス”と呼ばれるアサシン(自称守護者)と初対面するストーリーが描かれる。本編は、このシリーズにおける神話に関するお話が中心だったが、この追加ストーリーでは、イス(かつて来たりし者)の血を引く主人公の血脈と、アサシン教団の深い関係が描かれる。
ゲームとしては、基本的に本編のスタイルを踏襲している。
3つのエピソードで一つの大きなストーリーを描きつつ、その合間合間に<古き結社>の構成員を一人ずつ片付けたり、サイドクエストを遊んだりするなど、やることは本編とほとんど変わらない。ちなみに<古き結社>を狩っていく流れは、これも本編の<コスモスの門徒>と同じだが、こちらはギリシア全土に散らばっていないので、倒し切るのはそこまで手間ではなかった。
本編の延長線上にある追加ストーリーなので、本編が気に入れば特に問題なく楽しめるはず。と言いたいところだが、エピソード2後半からエピソード3までの展開が、私にとってはそれまでの冒険を台無しにしてしまうほど悪いものだったので、血脈について描かれる部分に納得しつつも、そこに至るまでの過程は受け入れることができず、割りと複雑な心境。
この部分は完全なネタバレになるので、noteの方で書いている。
アトランティスの運命
原題 | Assassin’s Creed Odyssey – The Fate of Atlantis |
プレイ時間 | 14時間~ |
ストーリー | <ヘルメス・トリスメギストスの杖>を手にしたカサンドラ(アレクシオス)とレイラは、その杖をより深く理解するために、<アレシア(イス)>が作り出したギリシャ神話の世界へと旅立つ。 |
「アトランティスの運命」は、本編である『アサシンクリード オデッセイ』の有料追加ストーリー。
「最初の刃の遺産」とは違い、今回はギリシャ神話をモチーフにした3つの新マップが用意されている。マップは楽園の<エリュシオン>、死者が彷徨う<冥府>、イスと人類が共存する<アトランティス>の3つになり、1エピソードにつき1マップという形で、それぞれの世界を訪れる。各マップは、本編と同じオープンワールドになり、4,5時間ほどは遊べるコンテンツと、探索したくなるロケーションが詰まっている。
それぞれの見所は、<エリュシオン>ではそれ以降相手することになるイスの敵との初対決、<冥府>では本編で散ったキャラクターたちとの再会、<アトランティス>ではイスと人類の営みを間近で見ることができる点にあると思う。
まず、イスの敵は、ザコにもかかわらず、<デイモス>のアビリティ攻撃のような技をガンガン使ってくるので、初対決時は武器や装備をアップグレードする必要性を感じるほどには、白熱した戦いが楽しめる。また、キャラクターたちとの再会は、本編で叶わなかったお別れを描くものになり、本編のキャラクターに愛着がある人なら、必ず見ておきたいエピソードが揃っている。
ただ、何と言っても、私はイスの描写がしっかりある<アトランティス>が特に印象に残った。少なくともゲーム版の方では、(知る限り)イスについては彼らの口から語られるのみだったので、今回、実際にイスと人類が共存する世界を見て回れたことで、このシリーズの歴史への理解がより深まった。イスの労働力としての人類という描写はもちろん、例の夫婦の登場や、アダムとイヴの話に繋がる情報など、なかなか見所の多い世界が用意されていた。
一方で、気になるところもある。
特に気になったのは、マップに高低差がありすぎて移動が面倒に感じるところ。馬で移動していても崖にぶち当たるとわざわざ降りないといけないし、フリーランでの上下の移動も少し面倒に感じた。今遊ぶと『イモータルズ フィニクス ライジング』のように翼で飛びたかったなと思う。
(一応、<ヘルメスの翼>と呼ばれる”上下移動に特化した瞬間移動装置”は各所に用意されている)
宝のような者たち(ヴァルハラとのコラボ)
プレイ時間 | 3時間~ |
ストーリー | 本編終了後(?)、コルフ島での休暇を満喫するカサンドラ(アレクシオス)。そこへバルナバスとヘロドトスがやって来たことで、せっかくの休暇が台無しになってしまう。 |
「宝のような者たち」は、2021年末に無料配信された本編の追加ストーリー。『アサシンクリード ヴァルハラ』とのコラボミッションになり、「ヴァルハラ」の方でも「オデッセイ」とのコラボミッションが配信されている。
正直、プレイ前の予想をはるかに超える内容だった。
「簡単なクエストが追加されただけだろう」と思っていたら、実際は<コルフ島>という新マップに、約3時間分のクエストまで用意された本格的な追加ストーリーだった。内容的には『アサシンクリード オリジンズ』の追加ストーリー「隠れし者」に相当し、追加料金が必要と言われてもギリギリ納得して買える。
個人的には、ストーリーが特に良かった。
ストーリーでは、カサンドラ(アレクシオス)、バルナバス、ヘロドトスの三人組による大冒険の終わりと、<ヘルメス・トリスメギストスの杖>を手にしたカサンドラが新たな使命を胸に生きる姿が描かれ、これを遊んでようやく”オデッセイの物語は終わる”と言って良い。
本編と二本の追加ストーリーを遊んだ後だったので、もうお腹いっぱい状態だったが、時間を割いて遊んだ価値は十分にあった。
<コルフ島>からの一枚。<ケファロニア>より少し大きいくらい(?)。
まとめ
「最初の刃の遺産」の例のシーンには愕然としたけれど、それを除くと、どのエピソードも本編の大冒険の続きと終わりを描く良い内容だった。本編だけでも十分な大冒険に思えたが、すべての追加ストーリーを遊んだ後に振り返ると、それらも含めて”Odyssey(長い冒険の旅)”だったのだと分かる。
現代編のことを考えても、本編と一緒に追加ストーリーも遊んでおいた方が絶対に良い。
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