原題 | Assassin’s Creed Origins |
対応機種 | PC,PlayStation,Xbox(22年7月時点) |
プレイ時間 | 30時間~ |
ストーリー | 紀元前49年。シワ(エジプト)のバエクは、シワに眠る”秘宝”を狙う一団に襲撃され、深い傷を追う。バエクと妻のアヤは、復讐を果たすべく、エジプト中で暗躍する。 |
今作は、2017年に発売されたシリーズの10作目。
『ウィッチャー3 ワイルドハント』のゲームシステムで、”アサシンクリード風”に作り直したとも言える今作では、古代エジプトを再現した広大なオープンワールドで、プレイヤーはメジャイのバエクとして、思うままに冒険する。
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評価
新生アサシンクリードの誕生
アサシンクリードと言えば、『アサシンクリード2』以降は”一年に一作”のペースで新作が量産され、出せば確実に売れるUbisoftのドル箱タイトルだったが、ゲーム自体は同じ型を使いまわしたもので、『アサシンクリード シンジケート』の頃にはシリーズに停滞感が漂っていた。
今作は、そうした“一年に一作”の販売サイクルを中断し、シリーズを根本から作り直した作品になる。
これまでとは違い、今作はイチから設計された新作。
ナンバリングを重ねる毎に複雑化していたストーリーは、(発売当時は)シリーズでもっとも古い時代を描くことでリセットし、名ばかりのソーシャル・ステルス、いたずらにプレイスタイルを縛っていたフルシンクロなども綺麗さっぱり姿を消している。
しかし、シリーズの伝統的な要素をリストラする一方で、新しいものも貪欲に取り入れている。贅肉を削ぎ落としつつ、しっかりと肉付けもしている。
まず、オープンワールドは見所もやることも満載。
20時間規模のメインミッション以外にも、地域の伝承や事件をテーマにしたサイドミッションがあり、それら以外にも、闘技場や財宝探しと言った寄り道要素も存在する。当然、これまでと同じく、観光ゲームとしての側面があり、今も残る観光名所から”このゲームでしか行けない場所”まで、ただ見て回るだけでも十分楽しめるものになっている。
そんなオープンワールドには、地域ごとに推奨レベルが設定されている。
“ドクロ”が表示された高レベルの敵は、たとえザコでも瞬殺されるので、基本的には、現在のレベルに合わせて、少しずつ行動範囲を広げていく。開始時から大半のエリアに行くことはできるが、生き残れるかはまた別の話。
【生き生きとした世界】住民がワニに襲われていたり、プレイヤーが倒すはずだった盗賊が別の盗賊に倒されていたりなど、プレイヤー抜きでも動き続ける世界。また、現実世界の法則が”ある程度”反映されたゲーム世界でもあり、乾燥した草木に火を近づけると燃え広がり、敵の亡骸を放置していると動物が寄ってくるなどする
オープンワールドやレベル制度以外では、コンバットやステルスも刷新された。
コンバットは、これまでのタイミングよくボタン入力して、敵をバサバサ倒していくものから、これも『ウィッチャー3 ワイルドハント』のような攻撃や防御、パリィを駆使したアグレッシブなものに生まれ変わった。
加えて、武器にもレベルが存在するので、現在のレベルに合わせて剣などを更新したり、アップグレードしたりする必要があり、武器ごとに特殊効果もあるので、それを組み合わせて、主人公に様々な効果を付与することも可能になった。
これまでと比べると、コンバットは正確な操作やビルドの重要性が増しており、爽快感と遊びごたえの両方を感じることができるはず。
また、ステルスはより自由に遊べるようになった。
基本的に、どのミッションも比較的広く切り取られたエリアへの潜入が目的。時間帯によって、兵士の行動や配置が変わるので、プレイヤーはそれを踏まえた上で、ルートやプレイスタイルをある程度自分で決めて遊べる。
確かに、各ミッションはこれまでと比べるとやや淡白だが、その分だけ、プレイヤー側に自由が与えられており、自分で考えて遊ぶことが面白い。
なお、暗殺もそれらをベースにした比較的自由な作り。
周囲の環境を組み合わせて、自分なりの暗殺方法が生み出せる自由になり、『アサシンクリード ユニティ』や『アサシンクリード シンジケート』とはまた違った意味で、プレイヤーの創造力を刺激する。
始まりを描くストーリー│今作からでも遊べる?
プレイ面以外では、始まりの物語を描いている点も特徴。
メインの過去編では、アサシン教団が誕生する前から描き、サブの現代編でも、新しい主人公による新しいストーリーを用意するなど、始まりを描くことで、過去作との繋がりを極力持たせないようにしている。
したがって、初めて遊ぶ人にとってはゲーム世界に入りやすく、シリーズ経験者にとっては、壮大なシリーズの起源に触れることができる内容になり、上手くストーリーを仕切り直している。
反復的なところは玉に瑕
メインクエストもサイドクエストも、基本的には”セヌで偵察&(敵を)タグ付け=>敵を殲滅 or アイテム等を回収”というテンプレートに沿ったものばかり。経験値や入手できるアイテムなど、プレイヤーのモチベーションを維持させる仕組みはそれなりに用意されているが、”同じことを繰り返す”という根本的な部分は最後まで解消されない。
まとめ
新生アサシンクリードとも言える今作は、シリーズファンの中でも賛否両論だけれど、この規模のオープンワールドと、RPG要素を含む様々な遊びが一緒に楽しめるのは、今作の魅力で、ここは今でも色褪せていない。
アサシンクリードにあまり興味が無くても、RPG要素を含むオープンワールドゲームが好きなら、スルーしてしまうのは惜しく感じる一作に仕上がっている。
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