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【評価・感想】『アサシンクリード ミラージュ』レビュー

ゲームレビュー
ゲームレビュー
この記事は約8分で読めます。
原題Assassin’s Creed Mirage
対応機種PC,PS5,Xbox Seriesほか
クリア時間15時間~
ストーリーヴァルハラより前、9世紀のバグダッド。路上での犯罪で生計を立てていたバシムは、ある仕事をきっかけに隠れし者と接点を持つ。

今作は、シリーズの13作目。2020年に発売された『アサシンクリード ヴァルハラ』の拡張として始動したと言う今作は、シリーズの原点へと立ち返ることを目標とした原点回帰的な一作になる。

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著者情報
Kakihey

2014年末より当サイト「Kakihey.com」を運営中しています。現在までに300本以上のゲームレビューを公開しています。基本的にPCでゲームを遊んでいます。

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評価

オープンワールドの特徴

アサシンクリード オリジンズ』から、少なくとも『アサシンクリード ヴァルハラ』までは、オープンワールドRPG路線を採用した作品になり、広大なオープンワールドに、膨大なコンテンツを詰め込むことで、プレイヤーを離さない作りが特徴だった。

単純にプレイ時間だけを見ても、『アサシンクリード オデッセイ』や「ヴァルハラ」のメインクエストは、従来の作品の2本分ほどあり、そのメインクエスト以外にも、過去作のサブ要素を足してもまだ足りないほどの遊びが用意されていた。

「オリジンズ」以降は、そうした拡大路線が一つの特徴になっていたので、その逆を行く規模感の今作は、その流れに一石を投じる存在と言える。

全体的に、そこまで時間を掛けなくても、ゲームをコンプリートできる量に抑えられている。

例えば、メインクエストは20時間以下でクリアすることを想定した内容だし、サブ要素も、今回は依頼扱いの20個のサイドクエストと、あとは収集物のみになり、遊び切ることは難しくない。私の場合、「ヴァルハラ」のメインクエストをクリアする時間の半分以下で、ゲームをコンプリートすることができた。

そんな今作は、「オリジンズ」や「オデッセイ」「ヴァルハラ」を大作とすれば、準大作のような作品と言える。

少し頑張ればコンプできる範囲で、ゲームがまとまっており、果てしなき大冒険や途方もない数のサブ要素が特徴だった「ヴァルハラ」までとは、真逆の作品になっている。

「オリジンズ以降のアサシンクリードのようなボリュームを求めるか」「初期のアサシンクリードのようなボリュームを求めるか」であれば、今作は後者に向けたゲームになる。

そして、私は完全に後者だったので、今作の作風は好意的に受け止めた。

海戦や略奪に代わるものはないが、「アサシンクリード」の要素がコンパクトにまとまっている。ストーリー性のあるサイドクエストに、武器(設計図)や防具の収集物など、最低限の要素はちゃんと揃っている。

強いて言えば「アサシンの墓所的なものが欲しかった」「バグダッドの物語(ヴァルハラにもあった小話)がもう少し欲しかった」というのはあるが、一つのオープンワールドゲーム、アサシンクリードとして、概ね満足できるものになっていた。

今作を「オリジンズ」路線を発展させた新作ではなく、“初期のアサシンクリード”のようなものだと思って遊べるのであれば、予想を裏切ることはないゲームなのではと思う。

これは原点回帰?

「アサシンクリード」としては、アサシンクリード オリジンズ』以降の作風に、ところどころ『アサシンクリード』や『アサシンクリード ユニティ』の要素が加わったような印象を受ける。

基本的に、どのクエストも、アクションでもステルスでも遊べる作りになり、敵の屋敷や野営地を自分なりの方法で攻略することができる。目標のみを指定して、あとは自由に遊んで良いという作りは、「オリジンズ」や『アサシンクリード オデッセイ』『アサシンクリード ヴァルハラ』と同じ。

一方で、ステルスプレイを意識させる点は、一作目を彷彿させるところ。

今作では、人前で暴れると手配度が上昇していく仕組みになっており、レベル3まで行くと、街中での行動がかなり制限される。加えて、発見時の敵の追跡もしつこく、振り切るまではクエストを進めることができなくなる。

“大暴れできるが、しない方が賢明”というバランスは、一作目っぽい。

さらに、ゲームシステムとしてステルスを意識させるだけではなく、今作は「隠れし者(アサシン教団の前身)」が組織化された後ということで、ゲーム内での行動指針がその教義に沿ったものになっており、そういう面でも、ステルスプレイを意識させるところがある。

メインクエストの山場である暗殺ミッションの方は、「ユニティ」っぽい作り。

「ユニティ」では、「ブラックボックスミッション」と呼ばれる暗殺ミッションが導入された。

ターゲットへのアプローチ方法が複数用意されており、その中から自分に合った方法を選び、実行するというものになり、その比較的自由度の高い暗殺が「ユニティ」の特徴だった。

今作の暗殺ミッションも、それと同じスタイル。

ターゲットの周辺には、いくつかのアプローチ方法が用意されており、お願いを聞いたり、賄賂を渡したりすることで、それがアンロックされる仕組みになっている。

“アサシンクリードを暗殺ゲームとした”場合、「ブラックボックスミッション」は、そこを強化する要素になっており、それが本格的に復活したのは、「ユニティ」もそうだったように、今作の大きな特徴になる。

あとは、フリーランを中心にした移動の復活は、決定的にアサシンらしい。

元々、このシリーズは、垂直性のあるオープンワールドをフリーランで駆け抜けて移動することが、他のオープンワールドゲームとは一線を画する点だった。オープンワールドでの移動がパルクールを駆使した一種のチャレンジになっており、迷路のような都市を走って、目的地へと向かう遊びが斬新だった。

今作では、久しぶりにその移動をフィーチャーしている。

舞台であるバグダッドは、建物が密集する都市になり、フリーランの格好の遊び場。ここを舞台に、シリーズ初期を彷彿させる走りが復活しており、「どのルートを通るか」と考えてテンポよく移動する楽しさが再び味わえる。

アサシンクリード シンジケート』では、便利なロープランチャーばかり使っていたので、私にとっては「ユニティ」以来の走りが楽しめる作品になり、ここが、もっとも”昔のアサシンクリードが帰ってきた”という気分にさせてくれる部分だった。

全体的に、今作は「オリジンズ」系統のシステムで、一作目や「ユニティ」の要素を再現したようなゲームになり、古くからのシリーズファンが昔のアサシンクリードを再訪するのに、新しいシリーズファンが昔のアサシンクリードに触れるのに適した作品になっていると思う。

余談だが、クエストの作りは「オデッセイ」風だったりする。

「コスモスの門徒」を特定したのと似たやり方で、ターゲットを特定して暗殺を実行する。特定する過程で、盗聴したり、尾行したりと言った昔ながらの任務が用意されている。

「オリジンズ」以降のスタイルと、旧シリーズのスタイルを上手くミックスしている。

ステルスアクション

まず、ステルスは『アサシンクリード オリジンズ』に近いが、ステルスキルは一撃で決まるので、旧シリーズ寄りのバランスになっている。もしくは『アサシンクリード ヴァルハラ』を一撃暗殺をオンにして遊んだものに近い。

基本的には、いつもの甘めのステルスになっているが、今作では、マークした敵を瞬殺できる「暗殺の極意」や便利なガジェットなどもあり、それが使えるようになれば、さらにステルスプレイは簡単になる。

「細かな動きが苦手で、きっちり遊びたいステルス時は苦労するときがあった」

雑いところは必殺技やガジェットを使うことで、カバーできる部分ではあるが、このシステム上で、ステルスプレイを遊ぶ不便さを感じる瞬時もあった。

という具合で、良い意味でも、悪い意味でも、”いつものアサシンクリードのステルス”になっている。

アクション面も、「オリジンズ」系統のシステムになる。

ただ、受け流しに成功すると、ザコであれば一撃でキルすることができるので、昔のカウンター攻撃っぽい感覚が少しだけある。

ステルスもアクションも「オリジンズ」系統のシステムになり、それを遊んだことがあれば、すぐに理解できる。

一応、触れておくと、今作にはレベルシステムはない。

「見習い」「アサシン」など、現在の階級が一種のレベルになっているが、それを無視して遊んでも特に詰まることはなかった。

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総評

初期作の復刻版としては、非常に満足できる一作だった。

オープンワールドとフリーラン、ステルスと暗殺など、かつてこのシリーズを象徴する要素だったものが、今のゲームシステム上で見事に再現されており、これを再び遊ぶことができた点が嬉しい。私は『アサシンクリード オリジンズ』以降の路線もいける口で、もっと言えば『アサシンクリード オデッセイ』や『アサシンクリード ヴァルハラ』も傑作扱いなのだが、今作を遊んで、このスタイルのアサシンクリードの良さも再確認することができた。

様々な理由から”昔のアサシンクリード”を求めている人にとって、今作は理想的な一作になっている。

個人的には、今作のシステムを応用すれば、『アサシンクリード リベレーション』まではリメイクできるのではと思うので、そういう展開にも期待したい。

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