【評価/感想】ファークライ3【批評/レビュー】

『ファークライ3』のボックスアート。

原題 Far Cry 3
開発元 Ubisoft
発売日 2012年11月29日
対応機種 PC,PS3,PS4,Xbox 360,Xbox One
ジャンル オープンワールド系FPS

とにかくストイックだった前作『Far Cry 2』とは対照的に、徹底したカジュアル志向が目に付く続編。
「オープンワールド」は引き継ぎながらも、多くの点が刷新されており、ある意味では「リブート作」に近く、これ以降のFar Cryの基となった作品。

▼ストーリー▼

インド洋と太平洋の境目付近に浮かぶ、文明の手が遠く及ばない絶海の孤島「ルークアイランド」。
バカンスのため地図にも載っていない南の島を訪れた主人公ジェイソンと、その友人たち。
南国生活を満喫していた彼らが突如武装した集団に捕まってしまう。

(中略)

生き残るためには、周囲の状況をうまく利用しなくてはならない。血も涙もなく、理性すら失ったこの島の海賊たちを相手にしなくてはいけないのだ…

公式サイト

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前作の欠点を潰した続編

徹底したカジュアル志向

敵の拠点を強襲。

『Far Cry 2』ではリアリティを優先する余り、プレイ面で課題を抱えていた。
それは「銃の劣化」だったり、マラリアだったりするのだが、そうした”無くても困らないがあると面倒”な要素の数々は、いたずらにプレイのハードルを上げていた。

また、プレイ面もコアなシューターファン向けだったと言える。
常に表示されているミニマップは存在せず、敵が強調されて表示されることもなく、プレイヤーは目で敵の数を把握し、耳で動きを察知して戦っていく必要があった。

(結果的に)前作のターゲットは狭く、一般受けとは縁遠い作品だった。

一転、今作では驚くほどカジュアル志向に振り切っている。
銃の劣化やマラリアは完全排除、ミニマップには”常に”敵の位置が表示され、敵の警戒度も完備。おまけに「テイクダウン」と呼ばれる、“一撃必殺技”も制限なく使えるようになっており、もはやプレデターである。

さらに「常在戦場」も見直されている。
今作では「敵の拠点」を制圧することでエリア一帯が安全地帯となり、全ての拠点を制圧する頃には敵と遭遇するのは稀という状況になる。
また、一度制圧した拠点に敵はリスポンせず*1、そこはファストトラベル地点として活用されるので、前作みたく長い移動を強いられることもない。

前作で不評だった数多くの点が解消されている。
(たとえ最高難易度でも)前作ファンは物足りないかも知れないが、その一方で万人受けする内容に化けており、私としてはこの方針転換を歓迎したい。

*1 後のアップデートで「初期化」が可能に。

必ずご褒美が用意されている

上空をパラグライダーで飛翔。

前作ではキャラクター育成が無かったことに加えて、「敵がすぐにリスポンする」することもあり、わざわざミッション以外で敵と戦うメリットが薄く、まさに”こちらの銃が劣化する”以上の見返りが無かった。

その点、今作では一つ一つのアクションにご褒美が用意されている。
例えば、敵を倒せば「経験値」が入手でき、それでキャラクターを強化することが出来る。また、先ほども書いたように「敵の拠点」を制圧すれば一帯が安全地帯となり、ファストトラベル拠点の一つになる。

このように今作では、一つ一つのアクションに対してご褒美が用意されている。
これがプレイのモチベーション維持に繋がっており、前作よりも長時間ゲーム世界に没入できる要因にもなっている。

生きたゲーム世界

野生動物に突然襲われることも。画像ではワニに襲われている。

前作は「主人公」と「それ以外」に分かれており、”それ以外の敵は主人公のみ”だったので、NPC同士の干渉はほぼ無かった。

一方で今作では、主人公に加えて「味方勢力」「敵勢力」「野生動物」が存在し、主人公がその間に介入しなくてもゲーム世界は動き続けている点が大きな特徴。

なのでプレイ中に、目の前の敵がトラに捕食され、味方もワニに喰われる光景を目にすることは決して珍しくなく、味方と敵が勝手に戦いを繰り広げることさえある
ときには、プレイヤー自身も背後から野生動物に襲われて昇天することもある。

AI同士が積極的に絡み合うことで生まれる”ダイナミックさ”は、ゲーム世界に生命を吹き込んでおり、もはやオブジェクトが配置されただけのフィールではない。

欠点は2つ

反復的な作業

ラジオ塔を開放することで、エリアの影響力が増す。

「ラジオ塔」や「拠点の制圧」と言ったサイドアクティビティの数々は、最初から最後まで同じことの繰り返しになる。これらはUbisoftゲームお馴染みのアクティビティになっており、Assassin’s Creedや『Watch Dogs』を遊んで来た私としては「またか…」という感じがする。

また、メインミッションも基本的には反復的な作業のセット。
一部ミッションでは演出重視のリニアな展開を見せるが、こちらもやはり”同じことを繰り返す”内容になっている。

低難易度化

敵のマーキングが便利。

今回、このレビューを書くにあたり「最高難易度(マスター)」でテストプレイしたのだが、それでもヌルいと感じた。

確かに、通常難易度(ミディアム)と比べれば”高難度化”しており、肉食動物はマジで恐ろしい。だが、敵に付くマーク、ミニマップやテイクダウンがあまりにも便利なので、こちら側である程度使用を制限しないと緊張感が持続しないので、前作ファンは物足りないだろう。

総評

ファークライと言えば精神世界。

徹底したカジュアル化で、広い層が楽しめるようになったFar Cry。
これまでのFar Cryは、どちらかと言えばコアなシューティングファン向けだったが、今作の場合はオープンワールド系FPSの「入門編」に最適な一作になっており、気になる人は遊んで損はないはずだ。

ただ、前作ファンとしては物足りないさを覚えるのも事実。

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