【評価/感想】ファークライ 2/Far Cry 2【批評/レビュー】

「人はアフリカで野生に還る!」by Ubisoft Japan

今作はUbisoftが手掛けたFar Cryシリーズの第1作目だ。

前作『Far Cry』では、南国の島を舞台に屈強な兵士やミュータントと死闘を繰り広げたが、今作では内戦が続くアフリカ某国を舞台に、この内戦に身を捧げる「いち傭兵」として私利私欲に塗れた正義の行方を見守ることになる。

Good

  • 自由度の高いゲームプレイ
  • 硬派なシューティング
  • 脳みそが詰まった優秀な敵AI

Bad

  • 放任主義すぎる
  • 必要性を覚えない一部要素

「後は好きに遊べ」の作風は一部の層のハートを射抜く

5分弱の長いオープニングシーンと、簡単なチュートリアルを終えると、プレイヤーは”激しい内戦に揺れる”アフリカ某国のど真ん中に投げ出される。

目の前には「自分以外は全て敵」という過酷な世界が広がっており、敵たちはプレイヤーをひと目でも見るとすぐさま攻撃態勢に入るほど好戦的で、検問所や巡回車が常に目を光らせている。

この地には至る所に検問所が設置され、倒した敵は短い間隔で復活する。それに加えて、巡回車と遭遇する頻度は非常に高く、大抵の場合は逃げ切れない。

このゲームでは、序盤も終盤も同じ内容のゲームプレイが展開され、序盤でも当たり前のように検問所は存在し、巡回車の追跡も執拗過ぎるほどであり、遊び始めの頃は自分のペースを乱されることが多い。

常に「緊張感」と「ストレス」が入り混じった”シンドイさ”がある上に、昨今のFar Cryでは当たり前にある「透視」や「警戒度」等も存在しないため、急に背後から攻撃されたと言ったイレギュラーなことも多発するため、とにかく序盤は取っ付きにくさだけが残る。

しかし、遊べば遊ぶほど「良さ」にも気づくはずだ。

例えば、昨今のFar Cryでは特殊能力のおかげで、プレイヤーは常に敵の位置や状態を知ることができ、大半のミッションはプレイヤーのペースで進めていくことが出来る。

一方、それがない『Far Cry 2』では戦闘面にイレギュラーな出来事が生まれている。

先ほども述べた「急に背後から銃撃される」もそうだし、真夜中の草原でどこからともなく狙撃されることもそうで、全てを把握できないからこそ生まれる予定調和的ではないゲームプレイはとても面白いのだ。

また、それをベースにした自由度の高いゲームプレイも特筆すべき。

今作の大半のミッションは、「目的を達成できれば過程は問わない」というレベルデザインになっており、ターゲットを始末さえすれば、遠方から狙撃しても、背後から襲いかかっても、遠隔操作で爆破しても構わず、プレイヤーの発想次第で様々な遊び方が出来る。

それに加えて、『Far Cry 3』や『Far Cry 4』とは異なり、銃器の所持数には限りがあるため、決められた制約の中で工夫して遊ぶ面白さも感じられ、自分で遊び方を考えて実行していくことが好きな人にとっては、最高の遊び場と言える。

さらに、敵AIも賢く戦闘の面白さをグッと引き立ててくれる。

今作の敵は狙撃されれば身を隠し、他の敵と連携してジリジリと詰めて来る。また、ときには負傷した仲間を介抱したり、主人公の存在に恐れて逃げ出したりする者もおり、撃ち合い以外の箇所もしっかりと作り込まれている。

ゲームプレイ面は総じて完成度が高い。

自由度の高い箱庭を舞台に、賢い敵を刈り上げていくのはとても面白いゲーム体験だ。

「強い拘り」は必ずしも成功とは言えない

負傷した仲間を介抱する敵。

他のFar Cryと比較した際、今作はとにかくそのリアル志向が際立つ

今なお高い水準のグラフィックで描かれる灼熱のアフリカは、画面越しからでもその燃え盛るような暑さがヒシヒシと伝わり、鬱蒼としたジャングルではその蒸し暑さ、夜にはその冷たい空気さえも感じ取れるほど、「画」に対する強い拘りがある。

こうしたリアル志向は、ゲームプレイ面にも持ち込まれている。

例えば銃器は使い込むほど傷んでジャムり、最後には破損してスクラップになってしまい、民兵(敵)の銃は揃いも揃ってガラクタ品で、彼らの置かれた劣悪な環境を反映していたりするのだ。

また、舞台は紛争地なので検問所は至る所に設置され、巡回車とも頻繁に遭遇し、ときにはどこからともなく狙撃されることもある。

それに加えて、主人公はマラリアに感染しており、定期的な薬の服用が必要で、その薬が尽きればわざわざ取りに行かないといけない。

こうしたリアル志向は本作最大の特徴と言える。

しかし、そのリアル志向が面白さに直結しているというよりも、ゲームプレイの足を引っ張っているところが大きいのは否定できない。

苦労して検問所や巡回車を撃破しても”こちらの銃が劣化する”以上の見返りはなく、おまけにすぐに復活する。また、銃の劣化やマラリアに関しても特に必要性が感じられるず、むしろプレイの足かせになっている。

私自身は”面白さに直結しない”リアリティでも大歓迎なのだが、残念ながら今作のそれはプレイの邪魔をしており、その強い拘りは必ずしも成功とは言えないのだ。

総評

開発元がCrytekからUbisoftへと代わったが、自分の思うように遊ぶというプレイの本質は変化しておらず、その硬派なプレイからは良い意味でPCゲームっぽさが漂う。

私利私欲に塗れた正義の内情を描く社会派なストーリーや、どこまで行っても後味の悪さが残る結末など、シリーズの中でも異質な一作ではあるが、それらとリアル志向のゲームプレイが『Far Cry 2』を「唯一無二の大傑作」へと昇華させており、私のオールタイムベストの仲間入りだ。

次の記事>>>『Far Cry 2』が楽しくなるTipsを紹介する。

スポンサーリンク

シェアする