シリーズを完走したので、シリーズ作品を一つずつ振り返り紹介していく。最後にはストーリーの意外な繋がりも紹介しているので、ぜひ読んでみて欲しい。
レッド・デッド シリーズ
レッド・デッド・リボルバー
原題 | Red Dead Revolver |
ストーリー | 1880年代。無法者たちに家族を奪われたレッド・ハーロウは、賞金稼ぎになり犯人たちを追い詰めていく。 |
『レッド・デッド・リボルバー』は、2004年に発売されたシリーズの一作目。当初はカプコンのもとで開発されていたが、その後「Rockstar Games」が引き取り、「Rockstar San Diego」のタイトルとして、PS2やXbox向けにリリースされた[1]。
このシリーズは、今ではリアル志向な西部劇ゲームでオープンワールドゲームだが、本作の時点では、違うところも多い。
西部劇のゲームだけれど、ファンタジー成分が強めなボスやシーンがそれなりに存在する。西部劇の世界を再現する一方で、西部劇とファンタジーをミックスした奇妙な世界も作り上げており、シリーズの中でも異色の作風と言える。
また、ゲーム的にはオープンワールドゲームではなく、チャプターごとに進行するゲームという違いもある。チャプターの合間にアイテムを補充したりできる小さな町は用意されているが、オープンワールドらしいのはそこくらいで、雰囲気作りのための空間に近い。
しかし「デッドアイ」や決闘など、『レッド・デッド・リデンプション』へと受け継がれた要素もいくつかあり、全くの別ゲーではなく、シリーズのルーツを感じさせる一作目になっている。
もう一つのレッド・デッド・リデンプション?
なお本作の翌年には、一足先に西部劇のオープンワールドゲームである『GUN』が発売された。
「Neversoft」が開発し『GUN』は、「グランド・セフト・オート(以下GTA)」スタイルのオープンワールドと西部劇をミックスさせた『レッド・デッド・リデンプション』との共通点が多い作品だった。オープンワールドは、当時としてもかなり狭い方だが、馬に跨って放浪できるくらいの広さはあり、ストーリーを進めたり、小遣い稼ぎをしたりと、それなりに遊びが充実している。
いま振り返ると、”もう一つのレッド・デッド・リデンプション”とも言える作品だった。
レッド・デッド・リデンプション
原題 | Red Dead Redemption |
ストーリー | 1911年。捜査当局に家族を囚われた元ギャングのジョン・マーストンは、家族の解放を条件に かつての仲間を捕える任務を請け負う。 |
『レッド・デッド・リデンプション』は、2010年に発売されたシリーズの二作目。2005年に技術デモが限定公開され、その時点では一作目の直接的な続編だったようだが、最終的にはシリーズをリブートする形になり、”レッド・デッド・リデンプション”としてリリースされた。
今作はGTAスタイルのオープンワールドゲームになり、Rockstar Gamesファンにとって馴染み深いゲームへと刷新された。GTAと同じように広大なオープンワールドを放浪しつつ、それぞれのエリアでミッションを遊び、ストーリーを進めていく。
オープンワールドは、当時のRockstar Games作品では特に多様性に満ちた世界だった。
GTAと比べると、オープンワールドは殺風景だが、今作では40種類近くの野生動物を登場させ、様々なランダムイベントも用意することで、生きた世界を作り上げている。少なくとも当時のRockstar Games作品では、こうしたオープンワールドの描き方はまだ珍しかった。
オープンワールド以外では、武器ホイールやエイム時の視点の切り替えなど、当時のGTAよりもモダンなアクションゲームだったという点も特徴だった。ちなみに、今作のオープンワールドやゲームシステムなどは、2013年に発売された『グランド・セフト・オート5』にも受け継がれており、遊び比べてみると、両者に共通点が多いことが分かると思う。
もちろん、今作ならではの要素もあり、それは名誉。
今作ではプレイヤーの行いが名誉として反映され、良い行いを積み重ねて行けば名誉が上昇していき、人々が好意的に接してくれるようになる。この世界も悪事に手を染めた方が効率的に稼げるが、今作では良い行いをすると、名誉としてきちんとプレイヤーに還元されるので、善人で居ようとすることが決して損ではない仕組みになっている。
GTAと比べると罪を犯すことの心理的なハードルが高く、意図としてはオープンワールドでの行動と、主人公のキャラクター性に一貫性を持たせるためだと思うが、そうした試みもこのシリーズならではの特徴と言える。
今作は一作目『レッド・デッド・リボルバー』の精神を受け継ぎつつ、シリーズを刷新したリブート作品になり、GTAで培ったオープンワールドゲームのノウハウと、一作目のゲームシステムを組み合わせて、シリーズを再定義した一作になる。
レッド・デッド・リデンプション アンデッドナイトメア
原題 | Red Dead Redemption: Undead Nightmare |
ストーリー | 本編の終盤頃(?)。ゾンビや謎の生物が大量発生。ジョン・マーストンは家族を救うべく、この危機にたった一人で立ち向かう。 |
『レッド・デッド・リデンプション アンデッドナイトメア』は、2010年に配信された「リデンプション」の追加ストーリー。西部劇とホラー映画をミックスした異色の作品になり、プレイヤーは”ある出来事”をきっかけにゾンビやクリーチャーなどが出現した世界を冒険する。
ゲーム自体は、”アンデッドなリデンプション”。ゾンビに襲撃された町や駅を解放するミニゲームなどもあるが、基本的には「リデンプション」のゲーム内容がそのままアンデッド仕様になったもの。
一方でストーリーの方は、本編の後を描くトンデモなエピローグになっており、あのキャラクターがこんなことになったり、あんなことになったりする世界で、もう一つのエンディングが描かれる。
もちろん(?)正式なストーリーではないようだが、本編のユニークなエピローグになっている。
レッド・デッド・リデンプション2
原題 | Red Dead Redemption 2 |
ストーリー | 1899年。大仕事が失敗し、追われる主人公たち。捜査当局の執拗な追跡をかわし続けるが、そんな彼らの前にも文明化の波が容赦なく迫っていた。 |
『レッド・デッド・リデンプション2』は、2018年に発売されたシリーズの三作目。前作『レッド・デッド・リデンプション』の前日譚になる。
今作は「Rockstar Games」の各スタジオが、それまでに手掛けてきたオープンワールドゲームの中で、最大規模の作品。PS4やXbox One向けの専用タイトルになったことで、オープンワールドの規模とディテールが格段に増し、一つの生きた世界を完全に作り上げている。
マップが広い、表現力が高いと言ったひと目で分かるもの以外にも、大量に用意されたランダムイベントや時間経過に合わせてゲーム世界が変化する仕組み、そして主人公の言動を人々が記憶する点などにより、“この世界の一員として振る舞わないといけない”と思わせる説得力が生まれている。
そして、こうしたゲーム世界を下地にしたプレイ面は、生活シミュレーターとも言える作り。
今作には、『グランド・セフト・オート サンアンドレアス』のような体調管理システムが存在する。主人公の状態を表す「基本ステータス」は、プレイする中で下がっていき、場合によってはプレイに悪影響を及ぼすので、プレイヤーは食事や睡眠、入浴などをある程度意識して遊ばないといけない。
朝は食事を摂り、コーヒーを飲み、長旅になりそうならその準備をして出発する。と言った遊びができ、こうした日々な営みも遊ばせるところが生活シムっぽい部分。余白の部分もしっかり遊ばせることで主人公への没入を促すという作りで、その時間の贅沢な使い方が今作のオープンワールドゲームとしての特徴と言える。
前作は、「レッド・デッド」シリーズをGTAスタイルのオープンワールドゲームとして、見事復活させた作品だったが、今作はそこへ生活シム的な要素を取り入れ、”没入型オープンワールドゲーム”とも言える作品へと発展させた。
個人的に、人間くさいもっさりした挙動をはじめ、利便性を犠牲にしてでもリアルな描写にこだわり、その中で生活ごっこをさせるという点は、『グランド・セフト・オートIV』とよく似ていると思う。
ストーリーの繋がり
ストーリー的な繋がりだが、『レッド・デッド・リデンプション』『レッド・デッド・リデンプション2』は完全に繋がっており、「2」と「リデンプション」は前篇と後篇として見ることができる。
ストーリー自体は、それぞれ単体でも楽しめるが、「リデンプション」全体の物語としては『レッド・デッド・リデンプション2』から始まり、『レッド・デッド・リデンプション』で完結するので、可能であればまとめて遊んだ方が良い。
なお『レッド・デッド・リボルバー』の方は、『レッド・デッド・リデンプション』『レッド・デッド・リデンプション2』の方では伝説や噂話として登場する。
まとめ
以上、”【まとめ】「レッド・デッド」シリーズを全て紹介”でした。
同じく、Rockstar GamesのGTAシリーズのまとめ記事も公開しています。