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【評価・感想】『グランド・セフト・オート2(GTA2)』レビュー

ゲームレビュー
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この記事は約6分で読めます。
原題Grand Theft Auto 2
対応機種PC,PS1 etc
プレイ時間12時間~
ストーリーどこかにある架空の都市(Anywhere City)を舞台に、プレイヤーは様々な犯罪組織から仕事を請け負い、この街で数々の悪事に手を染めていく。

今作は、前作『グランド・セフト・オート』の約2年後に発売された作品で、メインシリーズとしては、”2D世代最後のグランド・セフト・オート”になる。

ちなみに、時代設定は(現時点では)シリーズで唯一の近未来になっており、『Fallout』を彷彿させるレトロフューチャー的な世界観が特徴。

関連記事>>>【三部作を総復習】『グランド・セフト・オート トリロジー 決定版』までにIII、バイスシティ、サンアンドレアスを振り返る

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著者情報
Kakihey

2014年末より当サイト「Kakihey.com」を運営中しています。現在までに300本以上のゲームレビューを公開しています。基本的にPCでゲームを遊んでいます。

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評価

洗練されたGTA1

今作を一言で表せば、“洗練されたグランド・セフト・オート(1)”。

ゲームとしては、前作をそのまま流用したような内容だが、前作を遊んだ時に感じた不満点の多くがきちんと解消されたことで、前作とは比べ物にならないくらい遊びやすくなっている。

おそらく、一番大きな改善点は難易度の見直しだろう。

前作では生身の状態で被弾すると即死し、アーマー(防弾チョッキ)を着ていても数発で倒されたが、今作では生身の状態でも5発まで耐えられ、アーマーを着ていればさらに10発まで耐えられるようになり、銃撃戦での生存率が高くなった。

また、ヘルスやアーマー、銃などが見える場所に、無限湧きという形で配置されるようになり、常に万全の状態でミッションに挑めるようになったことも大きい。前作では、それらは”隠しアイテム”っぽい存在で、探し出すだけでも一苦労だった。

あと、警察の弱体化も大きい。

前作では、星1でも消えることはなかった(もしくは消えるまでの時間が長かった?)が、今作では路地などに身を隠していればすぐに消える。さらに、逮捕されるまでに猶予もあり、仮に警官にボコられても逃げられるだけの余裕がある。

今作では、「たったこれだけで死ぬのか(逮捕されるのか)」が本当に少なくなった。

そして…待望の途中セーブも実装された。

今作では、マップ内の教会(Jesus Saves)で5万ドル支払えばセーブできる。よって、今回は仮にミッションに失敗してしまっても、逮捕されてアイテムを没収されてしまっても、わざわざチャプターの頭からやり直さなくて良い。

アクション面以外では、マップも改善された。

前作のマップは、橋や高架道路が入り組んでいて、目的地に向かうだけでも一苦労だった。対して、今作は”橋で地区を区切る”ことはせず、抜け道もたくさん用意されているので、強引でも、矢印の通りに進めば目的地に到着できるようになっている。

また、今作は各地区の中心(各犯罪組織の縄張りの中心)に必ず矢印が向くので、仮に迷子になっても、その矢印を頼りに各地区の中心まで戻れば、自分の現在地をすぐに把握できるようにもなっている。

ちなみに、セーブできる教会(Jesus Saves)も、テレビの中継車のアンテナの向いている方向にある。

前作は相応の根気と忍耐力の先に、ゲームシステムやコンセプトを楽しむ褒美が用意されているような感じだったけれど、今作の方は、より手軽に、より素直にゲームシステムやコンセプトが体験できるようになっている。

“信頼度”は数少ない新要素

「信頼度」は、数少ない新要素の一つ。

今作では、各チャプター毎に3つの犯罪組織(ヤクザ/ザイバツ/ロシアンなど)が登場し、プレイヤーのエリア内での振る舞いやミッションの結果によって、それらの組織との信頼度が変化する。

例えば、組織Aの構成員を殺せば組織Aとの関係が悪化し、逆に組織Aのライバル組織の構成員を殺せば、組織Aとの関係が改善されるというように。

犯罪組織との関係を良くするメリットは、その組織の縄張りに入っても攻撃されなくなることだけだが、そのメリットはあまりにも大きいので、この「信頼度」はゲームを進めていく上で鍵となる。

で、「信頼度」自体は面白い要素ではある。

“それぞれの組織の顔色を伺いながら遊ぶ”というのは、危ない綱渡りをしているようなスリルがあり、取った、取られるの裏社会を生き抜くシビアがひしひしと伝わってくるし、自分の行動がゲーム世界に影響を与える面白さもあった。

ただ、「信頼度」は片方の犯罪組織の構成員を消すだけで簡単に調整できる上に、ストーリー的な変化も生まないので、ゲームに深く関わらない表面的な要素に感じられ、この辺りは少し残念に感じた。

欠点は一部の狂った難易度とミッションの長さ

前作『グランド・セフト・オート』と比べると、ミッションの難易度は全体的に上手く調整されているが、一部のミッションの難易度は狂ったほど高く、運良くクリアできたものがちらほら・・・・ある。

あと、一回のミッションが長い。

中盤以降は、いくつかの手順を踏ませるミッションが多くなるが、ミッション中の途中セーブは不可なので、最後の方で失敗してもミッションの頭からやり直しになり、失う時間が重い。

今回は、ミッション中でもヘルスやアーマーを回収しに行けたり、信頼度を調整できたりする余裕はあるけれど、一つのミッションに時間を費やせば費やすほど、失敗した時に失う時間も多いというジレンマがある。

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総評

今作は、前作が確立したゲームプレイを洗練させた二作目になっており、”初期(2D世代)グランド・セフト・オートを代表する作品”と言っても良いくらい、完成度の高い一作に仕上がっている。

まだまだ相応に忍耐力を要するゲームではあるけれど、操作性や難易度などが改善されたことで、前作と比べると非常に遊びやすくなり、2Dアクションゲームとして、一皮剥けた作品になっている。

現在では、ゲーム丸ごと無料ダウンロードできる上に、ワイドスクリーン化もできるので、気になった人はとりあえず手に取って、この頃の「グランド・セフト・オート」を体験してみて欲しい。

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