アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝(Uncharted 4: A Thief’s End)【感想 評価 批評 レビュー】

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『Naughty Dogs』の看板タイトル「アンチャーテッドシリーズ」の最終章。本シリーズの顔である、主人公ネイサン・ドレイクの”最後”の冒険を描く物語は、そのゲームプレイ面と共に高く評価されている。

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どこまで行ってもアンチャーテッド

ディテールへの強い拘りを感じさせるグラフィックは、シリーズ一番であると同時にPS4ゲームの中でもトップクラスだと断言できる。足元に散乱するゴミから、ジャングルの草木に至るまで一切の妥協を感じさせず、さらには遠景描写も非常に優れている。

同スタジオの前作『ラスト・オブ・アス』でも、映像の美しさとディテールへの執着心には関心したが、今作はそれを軽々と上回っており、主人公を取り囲むゲーム世界はまるで生きているように感じられ、正に職人技と呼ぶに相応しいアートでプレイヤーを楽しめせてくれる。

その一方で13時間にも及んだキャンペーンは、正直に言ってプレイ前の高い期待値を超えることはなかった。というのも、キャンペーンのフォーマットが一作目からほぼ変化しておらず、確かに安定はあるが「単に映像が綺麗になっただけ」と感じることが多かったからだ。

一本道を突き進んでいき、その合間に敵と戦ったり、謎を問いたり、崖をよじ登ったりするのだが、それらは過去3作で散々してきたことであり、さすがに食傷気味に感じられたのだ。

新技のワイヤーアクションは、これまでよりも大きく跳ぶことを可能にするので、非常に爽快感があって面白く、それを使うことで見飽きた壁登りも楽しくなるし、それを用いた戦闘も派手で面白い。しかし、それを除けば終始”いつものアンチャーテッド”になっており、ゲームプレイ面では先ほども述べたように、プレイ前の期待値を超えることはなかった。

個々の面では着実な進歩も

プレイ時間の大半を占める撃ち合いは今作も白熱している。特に今作ではTPS面が相当強化されており、ヒットマークとリアクションは敵に弾が当たったことを視覚的に知らせてくれ、主人公が放つ銃の銃声や反動もそれらしくなったことで、敵との撃ち合いは過去3作の中では断トツで爽快だ。

また、今作も『マックス・ペイン3』並に遮蔽物が崩れ去り、過去作同様にグレネードが投げ込まれてくるので、常に主人公を動かし続けながら戦うことになり、その中で敵の頭を点と点で繋ぐように撃ち倒していくことが非常に気持ちが良く、是非ともマウスでガシガシと遊びたいと思えるTPSになっている(自分なりの最上級の褒め言葉)。

また、本格的に導入されたステルスプレイも忘れていけない。過去作では戦闘前に敵の頭数を減らすためだけに存在していたが、今作では発見されても再び隠密状態に戻ることが出来るようになったので、撃ちっぱなしの過去作よりも多彩な遊び方でエリアを制圧できるようになっている。

それに加えて、大半の戦闘がファークライシリーズの”拠点解放”的な構造に刷新されたこともあり、敵をマークして順番に倒していくことで、隠密状態を維持したまま切り抜けられる場面が増え、攻略の幅が過去作よりも広がっているのも嬉しい。

さらに、『ラスト・オブ・アス』よりも強化された仲間との共闘も機能しており、過去作では単に援護するだけだった仲間が、羽交い締めにされた主人公を助けたり、積極的に敵を絞め落としたりするなど、個々の面では着実に進歩している。

一長一短のワイドリニア

一部「ワイドリニア」と呼ばれる構造のチャプターが存在する。これは「オープンワールドではないが、リニアでもない」構造を指し、過去作のような極端な一本道ではなく、脇道に逸れることも出来るというもの。

公式デモでも登場する「マダガスカル」では、広いエリアでジープを走らせるのだが、その道中では洞窟や古い見張り塔を見掛けることになる。今作では、プレイヤーが望めばそれらを探索することが出来るし、無視して先を急ぐことも出来る。さらに意味もなくジープから降りて周辺を探索することさえ出来るなど、プレイヤー側にも一定の自由が与えられているというわけだ。

ワイドリニアのチャプターでは、主人公らの会話に耳を傾けながら車を走らせるその行為自体が面白いし、悪路を走ったり、滝に突入したりする度に仲間たちが発する豊富な台詞と掛け合いには感心させられるだろう。

しかし、それと同時に蛇足感も覚える。リニア特有のテンポよく物語が進む長所は無くなり、かといってオープンワールドゲームに匹敵する寄り道もないので、自由気ままに探索を楽しむ一方でどっち付かずで蛇足感も覚えたのだ。

私には実験的な意味合いが強いと感じられた”ワイドリニア”だが、収集物を集める以外の寄り道が欲しかった。中には超簡単なパズルも用意されていたが、それをさらに発展させたものがあれば良かった。

総評

アンチャーテッドシリーズの集大成。いつものアンチャーテッドである一方で、個々の要素は非常に洗練されており、最高の”アンチャーテッド体験”を堪能することが出来る一作になっている。