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【評価・感想】『マンハント』レビュー

ゲームレビュー
ゲームレビュー
この記事は約5分で読めます。
原題Manhunt
対応機種PC,PS2
クリア時間11時間~
ストーリー“謎の人物”に家族を人質にとられた死刑囚の主人公。自由と引き換えに、殺人ビデオの撮影に協力させられる。主人公は狂気の街”Carcer City”で、狂人たちと戯れる。

『Manhunt』は、2003年に発売された「Manhunt」シリーズの一作目。
「Grand Theft Auto」シリーズの開発元として知られる「Rockstar North」が手掛けたステルスアクションゲームになる。

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著者情報
Kakihey

2014年末より当サイト「Kakihey.com」を運営中しています。現在までに300本以上のゲームレビューを公開しています。基本的にPCでゲームを遊んでいます。

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評価

本当の意味で”暴力的なゲーム”

2001年に発売された『Grand Theft Auto III』。
“現実世界をモデルにしたリアルな仮想空間で、好き勝手に遊んで良い”という自由を実現したこのゲームは、多くのゲーマーを虜にし、世界的な大ヒットへと繋がった。しかし、その内容ゆえに、ゲームが持つ暴力的な側面に批判的な声が集まってしまい、以降、GTAにおける暴力的な表現の是非は、ホットなテーマになってしまった。

GTAの暴力的な表現が問題視される中、ある意味、”Rockstarなりの回答”とも言える形で登場したのが、今回取り上げる『Manhunt』になる。

『Manhunt』は、GTAの暴力的な部分をじっくり煮詰めたようなゲーム。
本作は「出来る限り残虐な方法で敵を処刑して、ハイスコアを狙う」ことが目標のゲームになっており、暴力から逃れることはできない。GTAでは、ストーリーを進めなくても、ただ車を運転する、街を観光すると言った楽しみ方ができたが、本作の場合は、あえて言えば、そうした逃げ道が存在せず、ストレートに暴力的なゲームになっていると言える。

その上で、本作は避けては通れない暴力を、(当時としては)強烈な描写で表現しており、その執拗とも言える暴力への拘りが、このゲームを特徴付ける要素になっている。
敵にヘッドショットを決めた際は、何やら見えてはいけないものが見えるし、周囲に飛び散る血痕も、ゲームっぽい真っ赤な血の色ではない。また、ステルスキル(処刑)時は、手に持った武器を器用に使った”クリエイティブ”なキルを何通りも見ることができ、その確実に敵を仕留める攻撃の数々が強烈な存在感を放っている。

Rockstar Games作品ならではの丹念な仕事が、本作では暴力的な表現の面で発揮されており、飾り気のない暴力性がゲーム全体を覆っている。

イージーなステルス、ハードなアクション

プレイ部分に絞って書くと、本作は、ステージクリア型のゲーム。
“Carcer City”と呼ばれるイカれた都市が舞台になり、その中にある墓地や刑務所、地下鉄の駅などがステージになっている。各ステージは、ほとんど一本道な作りだが、複数のルートが用意されていたり、エリア内を探索することができたりなど、少しだけ広がりがある点が特徴。

また、ジャンルとしては、ステルスアクションゲームになる。
ステルスプレイはそこまで難しくなく、暗闇にいれば敵に発見されないことを利用して、わざと音を立てて敵を誘導して、やってきた敵を順番に片付けていくだけで、そのエリアを制圧できてしまうくらい簡単。ただし、相手が複数だったり、銃を持っていたりすると、かなり厳しい戦いになるので、基本的には、ひっそりと行動することにはなる。

敵をステルスキルする際、敵を長くロックオンすることで、もっとも残虐な方法で処刑できるのだが、そのために待っている時間が、本作のステルスプレイで、一番スリルを感じた瞬間だった。

あくまでも、ゲームの目的は敵を処刑することなので、簡単に敵を誘き寄せられるようになっているのだと思う。そうしたゲームなので、ステルスゲームとしては、かなり割り切った作りをしている。

一方でシューティング面は、古の洋ゲー的なバランス。
後半は手強い敵との撃ち合いが増えて来るのだが、そこでは地形や行動パターンを考慮して、賢く立ち回る必要が出て来る。初見泣かせな敵の配置も少なくなく、進行ルートを誤ると瞬殺される。そうしたゲームだが、セーブはひとステージ内で2,3回しかできないため、場合によって、また長い戦闘をやり直すこともあり、かなり根気よく遊ばないといけない。

個人的には、銃撃戦には緊張感があり、慎重にクリアリングして進んでいくのが面白いと思ったが、それにしてもシビアな銃撃戦になっている。

ゲームとしては、ロケーションが多彩で、最後まで遊ぶと「Carcer Cityとはどんな街か?」が分かるようになっている点は非常に良いし、肝心のプレイ部分も手堅い作りで、初見泣かせな部分を考慮しても、しっかりした出来。

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総評

本作は、堅実なステルスアクションゲームだった。
このゲームは、暴力的な部分がよく話題に上がるため、暴力的なゲームの文脈で語られることが多いが、意外にも(?)、ステルスやアクションの完成度が高く、ステルスアクションゲームとしても、十分楽しめるゲームになっていた。

プレイ面以外では、「敵を処刑する理由は”撮影”のため」「ロケーションがコロコロ変わるのは様々なシチュエーションで”撮影”するため」というように、ストーリーとゲームプレイに一貫性があり、非常に完成されたフォーマットが存在することも、本作の優れた点として挙げておきたい。

本作は、Rockstar Gamesのもう一つの名作。

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