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【評価・感想】『スナイパーエリート5』レビュー

4.0
ゲームレビュー
ゲームレビュー
この記事は約6分で読めます。
原題Sniper Elite 5
対応機種PC,PS5,Xbox Series etc (22.05.31時点)
プレイ時間10時間~
ストーリー1944年のフランス。米軍の凄腕スナイパー、カール・フェアバーンは、ナチスが秘密裏に研究を進める極秘プロジェクトを阻止すべく、各地の戦線でナチス相手に大暴れする。

今作は、「スナイパーエリート」シリーズの五作目。

時系列的には『スナイパーエリートV2』と『スナイパーエリート4』の間になるが、例によってストーリー的な繋がりは薄いので、今作から遊んでもまったく問題ない。

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著者情報
Kakihey

2014年末より当サイト「Kakihey.com」を運営中しています。現在までに300本以上のゲームレビューを公開しています。基本的にPCでゲームを遊んでいます。

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評価

ソロプレイ(キャンペーン)について書いています

スナエリ4から順当進化

奥のお城にも行ける(内部も作り込まれている)

スナイパーエリートV2』から『スナイパーエリートIII』、そこから『スナイパーエリート4』へと、シリーズを重ねる度に大きな変化があったが、今作に関しては「4」の改良版に近く、(ソロプレイに限れば)「4」を遊んだことがあれば、これと言って目新しいものはない。

今作も広い箱庭型のマップを、各々のプレイスタイルで攻略していく作風になり、サムおじさんのようにステルス重視で遊ぶことも出来るし、ベケットのようにスナイパーを駆使してひと暴れすることもできる。もちろん、ミッション目標も複数あり、自分の順番でクリアしていける。

よって、ベースとなる部分は「4」とほとんど変わらない。

ただ、遊んでいると分かる改善点は多い。「スコープからでも敵をタグ付けできる」「中腰移動がスピードアップした」、「ジップラインなどのショートカットが充実している」など、プレイ面は前作より気が利いている。また、マップは”広いだけで何もない”空白部分が減り、密度が高くなっている。さらに、今回はエリア内を敵のトラックや戦車が頻繁に巡回しており、移動にも一定の緊張感が生まれ、前作よりも締まっている。

確かに、今作は前作とほとんど変わらない。しかし、SE5=>SE4と遊ぶと「4が不便に感じる」くらいの違いはあり、「スナイパーエリート」としては着実に進歩している。個人的には、「ヒットマン」のように、今作のゲームシステム上で前作を遊んでみたかったなと思う。

ちなみに、「ヒットマン」のような事故死に見せかけたキルも出来る。

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よりステルス志向に

ステルスゲーマーに朗報。『スナイパーエリートIII』以降、ステルスゲームとしての色合いが強くなっているが、今作ではそれがさらに加速している。

まず、今作では攻撃に「非殺傷Pacifist」が加わった。

これまではステルスキルしか出来なかったが、今作では殴打などで敵を”気絶”させることができる。また、銃弾にも非殺傷系が追加され、「メタルギアソリッド」で麻酔銃を撃つ感覚で、敵を無力化できる。

他にもカバーに入った状態からのキル/気絶が可能になったり、敵を誘導できる口笛の使い勝手が良くなったりしている。特に口笛は、前作『スナイパーエリート4』のように他の敵にまで警戒が広がることが減り、非常に使い勝手が良くなった。

このようにステルス周りがさらに充実したこと、おまけに、非殺傷だとミッションクリア時にXPブーストしてくれることで、今作では特にステルスプレイが無難なプレイスタイルになっている。

私の場合、基本はステルスプレイで遊び、狙撃ポイントを見つければ、そこから狙撃し、またステルスプレイに戻るという遊び方をしていた。私の中では、完全に”スナイパーがフィーチャーされている”ステルスゲームという認識で、“Sneaker Elite”として遊んでいた。

タグ付けしていない敵も透視で確認できる

ステルスゲームとして見た場合、確かに『スプリンターセル ブラックリスト』『メタルギアソリッドV ファントムペイン』ほどプレイ面は洗練されていないが、それらの作品で出来ることは一通り出来る上に、今作では『ヒットマン』の”インスティンクト(透視能力)”のようなものまで登場しており、時おり粗っぽくも手堅く楽しめるステルスゲームになっている。

また、良くも悪くも様々なステルスゲームから特徴的な要素を拝借しているだけあり、ゲーム自体は取っ付きやすく、あまりステルスゲームを遊ばない人にも易しい内容かと思う。

今ではステルスゲーム自体が廃れ気味なので、今作のようにそこそこの規模のマップがあり、その中でしっかりステルスできるのは、それだけで価値があると思う。

ちゃんとスナイパーらしいこともできる

ただし、”スナイパーゲー”としては、あまり期待しない方が良いかも。

エリア内の好きなところから狙撃するというよりは、決まった狙撃ポイントから狙撃することが多い。狙撃ポイントは丁度ターゲットが狙える位置にあり、かつ銃声をかき消してくれるサウンド・マスクもセットであるので、ここ以外で狙撃するメリットはあまりない。逆に言えば、そこからであればスナイパーゲーとして楽しめる。

今作に関しても、ステルス色が強い作風になっており、”スナイパー(がちょっと得意な)エリート(兵士)を操作するステルスゲーム”と認識しておいた方が、実際に遊んだときにガッカリしなくて良いと思う。

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気になったところ

向こう側には行けない(実質的な壁)

まず、マップの開放感が薄れた気がする。

生垣や段差などで向こう側に行けないことが多く、自ずとゲーム側が用意したルートへと誘導されがち。オープンなマップだけれど、「お前はこっちを通るんだよ」というような窮屈さも覚える。前作『スナイパーエリート4』と比べると、目に見えて誘導されている感がある。

あと、これはアップデートで改善されるはずだが、少なくとも発売時のバージョンは細かなバグが目立つ。「ロードしたら倒した敵(アイテム持ち)が消失した」「倒した敵がブルブルして謎のダメージを受けた」など、クリアに支障はないが、地味イラなバグが目立った。

今回、ゲームパスで遊んだので心象はそこまで悪くないが、もしSteamで予約購入していれば、返金も頭をよぎったと思う(PC版だとGPUファンが引くほど回るので、結局Xbox版を遊んだし)。

※バグはアップデートで修正される可能性大

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評価

今作も、良いステルスゲームだった。

ステルスゲーム好きとしては、そっち方面の強化が好印象。前作『スナイパーエリート4』と比べて、より奥深く、洗練されたステルスゲームになり、クリアしてしまうのが惜しく感じるくらいには楽しめた。

ただ、それだけに細かなバグが散見されるのは残念。もし今から買う予定の人は半年くらい待った方が良いかも知れない。過去作での対応を見ていると、アップデートは継続的に行われるはずなので、遊ぶのはもう少し先でも良いと思う。

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