原題 | Saints Row IV |
対応機種 | PC,PlayStation,Xbox,Switch |
プレイ時間 | 15時間~ |
ストーリー | セインツのボスは、ついにアメリカ合衆国の大統領に。しかし、ゼン帝国を名乗るエイリアンが地球に襲来し、ホワイトハウスが攻撃されてしまう。ボスたちはエイリアンから人類を救うべく、バーチャルなスティール・ポートで大暴れする。 |
今作は、「セインツロウ」シリーズの四作目(※メインシリーズ)。『セインツロウ』『セインツロウ2』『セインツロウ ザ・サード』と同じく、「グランド・セフト・オート」風のオープンワールドで大暴れする。
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評価
スーパーパワーとパロディを楽しむ
前作『セインツロウ ザ・サード』では、まだ以前の作風に戻せる余地を残していたが、今作は、舞台がバーチャル空間ということで、スーパーパワーを全面に押し出した、奇抜で何でもアリな作風へと進化(?)した。
今作では、大ジャンプをして空を飛んだり、火の玉を敵に投げつけたりなど、あのヒーローやこのヒーローを連想させる技がいくつも用意されており、プレイヤーはそれらを使い倒し、豪快に遊んでいく。もう、車で目的地まで移動したり、敵をちまちま攻撃したりしなくて良い。
“主人公のスーパーヒーロー化”と聞いた時は、「ゲームが大味になるのでは」と心配したが、圧倒的なパワーとスピードで敵を叩いていくパワープレイは、無双的な楽しさがあり、大味だが、面白さの方が断然勝る。
また、今作はパロディや過去作ネタを楽しむゲームでもある。
例えば、生身の主人公たちは宇宙船にいるのだけれど、これは『マスエフェクト』のパロディ。『マスエフェクト』ではアンダーソン大佐を演じ、「セインツロウ」ではジュリアスを演じたキース・デイヴィッドが本人役で出演し、その両方のキャラクターっぽいものを演じている。他にも『マトリックス』や『メタルギアソリッド』などのパロディが含まれる。
さらに、『セインツロウ』『セインツロウ2』への言及も盛りだくさん。
キース・デイヴィッドのくだりもそうだし、バーチャル空間での後日譚的なエピソードなどもそうで、過去作ファンに向けたファンサービスに力が入っている。実質的なリブートだった「ザ・サード」と比べると、今作は一作目からのファンにも配慮した内容で、初期作のファンでも意外と楽しめるかも知れない。
ミッションは多彩
ミッションは、ジャンル混合で面白い。
『セインツロウ ザ・サード』のように、オープンワールドで大暴れするものもあるが、『Halo』や『マスエフェクト』のように、宇宙空間で大暴れするものもあり、ストーリーの特性を活かして、何でもあり。「ザ・サード」のミッションはコピペ感もあり、盛り上がりのわりに淡白な印象を受けたが、今作にはそうしたものはなかった。
なお、ゲーム自体は「ザ・サード」を踏襲しており、ゲームプレイやゲームシステムはほぼ同じ。よって、ゲーム自体については「ザ・サード」のレビューを読んで欲しい。
欲を言えば…
正直、敵の種類はもう少し欲しかった。
ザコのエイリアンがどれも同じで、中ボスにあたるミュータントも同様。さすがに何度も相手していると飽きてくるところがあり、地区ごとに異なる敵が居ればなお良かったなと思う。
総評
今作は『セインツロウ ザ・サード』をよりギャグっぽくした作風で、騒がしくて楽しい。
単純にスーパーパワーを駆使し、オープンワールドで大暴れするのは楽しく、他のオープンワールドゲームではなかなか体験できないパワーとスピードが味わえる。また、パロディや過去作ネタを盛り込んだミッションの数々は、元ネタのセインツロウ的な解釈として面白く、予備知識があれば、両者の違いを楽しむこともできる。
ただ、過去作ネタやパロディを楽しむ面が強いので、予備知識がないと支離滅裂なストーリーがさらに支離滅裂に感じるかも知れないし、パロディ的なプレイ部分も面白さが伝わりにくいかも知れない点は注意して欲しい。
【追加ストーリー】ギャット・アウト・オブ・ヘル
機種によって未配信だったり、プロダクトコード形式(中古だと使用済みの可能性が高い)だったりするので、購入する前に必ず確認して欲しい。PC版は、Steamで単体購入できる。
原題 | Saints Row: Gat out of Hell |
プレイ時間 | 5時間~ |
対応機種 | PC,PlayStation,Xbox,Switch ※PC版以外は、日本では単体購入できない(?) |
ストーリー | 地獄を支配するサタンにボスが誘拐された!ジョニーとキンジーは、どこかスティール・ポートにも似た地獄に乗り込み、ボスを救出すべく、サタンと対決する。 |
今作は、『セインツロウIV』の単体購入、プレイできる追加ストーリー。
過去作とは異なり、自作キャラクターで遊ぶことはできず、プレイアブルキャラクターとして用意されたジョニー・ギャットか、キンジー・ケンジントンのどちらかで遊ぶことになる。ちなみに、キャラクターの変更はゲーム内の拠点でいつでも出来る(ストーリー的にはジョニーが主人公と言って良いが)。
ゲーム自体は、基本的には「IV」。
オープンワールドは、地獄風にアレンジされた「スティール・ポート」のコンパクト版になり、アクティビティも「IV」と同じもの、もしくは地獄風にアレンジしたものが再登場している。メインミッションは、「ザ・サード」に近く、メインミッションとして組み込まれたアクティビティなどを遊び、進めていく形になる。
ゲームの大部分が「IV」から流用されたもので、かつ「IV」の半分くらいのボリュームなので、「IV」のスーパーヒーロー路線が気に入った人が、「IV」をクリアした後に遊ぶのに丁度良い追加ストーリーだと思う。一応、ストーリーの最後では、一作目から続くストーリーのオチも用意されている。
個人的に、翼のおかげで自由に飛べるようになったことが一番嬉しい追加要素だった。
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