原題 | Prey |
対応機種 | PC,PS4,Xbox One |
プレイ/クリア時間 | 25時間~ |
硬派なRPG。
自由度の高いゲームプレイと、意味のあるスキルシステムがウリで良い意味でクラシックでモダンなゲームになっている。
紹介
どんなゲーム?
【Arkane Studios】が送るSF要素を持つFPS系RPG。
最近のゲームで言えば『バイオショック』に近い作風になっており、宇宙ステーション【タロスI】を自由に探索しながら、このステーションで起きた出来事を調査する。
また、ゲームとしては非常に自由度の高い一作。
同スタジオの過去作『ディスオナード』のように進行ルートを自分で作り出し、スキルや腕で困難な状況を切り抜けていく作風になっている。
Preyのストーリー
ある実験の被験者となった主人公「モーガン・ユウ」。
しかし、実験は思わぬ方向に転じ、宇宙ステーション「タロスI」が突如謎の地球外生命体に襲われてしまう。
想像を超えた能力と比類なき武器の数々、そして“ひらめき”を駆使し、全人類の運命を切り開け。
評価
【Pros】硬派なRPG系FPS
良くも悪くも一般受けする作品ではない。
- シビアなリソース管理
- 計画的な主人公の育成
- 試行錯誤を求める攻略
これらのことが当然のように求められる。
最後までアイテムポーチが一杯になることはなく、先を見越したアイテムの使用や回収は必須であり、スキルの伸ばした方も中盤以降のゲーム内容を大きく左右する。
要するに、無計画に進めていると必ず痛い目に遭う。
内容的には『バイオショック』を何倍も難しくしたものに近く、他のゲームでは味わえないサバイバル感が堪能できる一本になっている。
【Pros】自由度の高いゲームプレイ
このゲームは、様々な選択肢を提示するが、それを生かすも殺すもプレイヤー次第。
【ハッキング】や【マインドジャック】を使えば、直接手を下すことなく敵と戦え、マグカップに擬態すれば、人間やミミック(敵)さえも通れない隙間から先へ進めたりする。
また、【グルーキャノン】で強引に”自分だけのルートを開拓”することも。
『Prey』は首尾一貫してプレイヤーの意思を尊重する。
そして『デウスエクス(2012)』のように、「こうしたらどうなる?」という問いに対して、きちんと答えが用意されていることが大半であり、色々と試すことに意味がある。
- 様々なスキルを組み合わせてエリアを攻略する
- 「試す」ことが攻略する上で重要
確かに、これらは骨の折れる作業。
けれども、時間を掛けた分だけプレイヤーに報いてくれる内容になっており、そうしたコアな部分は非常に面白い。
「不親切」「とっつきにくい」「難しい」の三拍子揃った中身だが、決して悪いゲームではない。
【Cons(欠点)】ロード画面が多い
00年代にタイムスリップしたような不便さ。
まず、このゲームに【ファストトラベル(瞬間移動)】は用意されていない。
なので、わざわざ目的地まで足で移動する必要があり、複数のエリアを跨ぐミッションをプレイする際などは非常に間延びした印象を受ける。
また、このゲームはシームレスではない。
エリア毎にロード画面が入るので、長い移動時間+ロード画面を我慢しないといけない。
幸い、私はSSDにインストールしたのでロード時間自体は気にならなかったが、エリア移動の度に登場するロード画面には辟易させられた。
【Cons(欠点)】無駄な手間が多い
このゲームでは非常にお世話になる【クラフト】は、妙に手間が掛かる。
端的に言えば”即席で作れない”ストレスがある。
何かを作成する際は、【リサイクラー】まで出向いて材料を作り、そして【分子成形機(=アイテム作成機)】に先ほどの材料を彫り込んでアイテムをクラフトする。
この【分子成形機】と【リサイクラー】が別々の場所に設置されていることが多々あり、「クラフト素材を作ったのに肝心の分子成形機がない!」という状況が生まれている。
…
確かに本作は”往年の名作へのリスペクトで溢れている”。
そして、それが強烈な個性にもなっているのだが、その一方でトレンドを追うことには無頓着であり、せっかくの”個性”が色褪せている瞬間がある。
総評
硬派かつ自由度の高いRPG。
プレイヤーの発想力を邪魔しない柔軟なゲームプレイと、意味のあるスキルシステムはゲームに深みを与えており、良い意味でクラシックでモダンなゲームに仕上がっている。
ただし、遊ぶ人を選ぶ作品である点は注意。
本作は『デウスエクス』や『バイオショック』との共通点が多く、この2作のファンであればほぼ間違いなく楽しめるはずだが、逆に言えばそれ以外の人たちは合わない可能性が高い。
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少なくとも私は、続けて2周目を開始したほどには気に入ったが。
(※アップデートで「ニューゲーム+(強くてニューゲーム)」が追加された)