【評価/感想】『マフィア3』/リンカーン、怒りの反復作業【批評/レビュー】

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原題MAFIA III
対応機種PC,PS4,Xbox One
発売日2016年10月7日
開発元Hanger 13
備考公式サイト

実に6年ぶりの新作となった『MAFIA III』。
元々の開発元は解散し、前作の開発元も吸収合併されたこともあり、本作は2K Gamesの新設スタジオである「Hanger 13」が開発を担当。

今作ではベトナム戦争から帰還した黒人を主人公に、公然と人種差別が行われていた激動の時代を描いており、古き良き時代を舞台に、イタリアンマフィアの暗躍を描いた過去作とは大きく雰囲気が変わっている。

なお、過去作との繋がりはファンサービスレベル。

▼ストーリー▼

ベトナムの戦場でリンカーン クレイは知った。
ファミリーとは生まれた場所ではない。命を懸ける対象のことだ。

ファミリーをイタリアン マフィアによって皆殺しにされたとき、彼の心に暗い炎が灯る。
新たなファミリーを築き、戦場仕込みの非情さで犯人に復讐を果たすのだ。

公式サイト

▼MAFIA レビュー▼

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GTAよりも自由

自由度が高い

今作はUbisoftのテンプレートに沿っている。
すなわち、”目的だけが指定され、あとは好きに遊べる”タイプの作品であり、『ファークライ3』や『ウォッチ ドッグス』にも似た箱庭制圧型のミッションが特徴だ。

なので、大半のミッションはアクションでもステルスでも攻略可能であり、エリア内の敵を銃で一掃して攻略しても良いし、闇に紛れて一人ずつテイクダウンしていくのもアリなのだ。

プレイ面は手堅い

まず、シューティングとしては堅実な作り。
銃声や反動は心地良く、被弾した場所によっては即死し、痛みに悶絶する敵のリアクションも悪くないので、シューティングの質は上々。
また、敵がプレイヤーを見失う点も面白く、その際はベトナム仕込みのゲリラ戦的な戦い方に持ち込めるので、単に撃ち合うだけのワンパターンな戦闘にはなっておらず、総じて一定以上の質は確保されている。

その一方でステルスは必要最低限
ただし、「口笛(誘導)」「死体運び」「テイクダウン」と言った基本的なアクションは用意されており、”メインはアクション”であることを考えればこちらも十分な出来。

なお、ステルスプレイ自体は、『ウォッチ ドッグス』並にカジュアルなものであり、様々な層のプレイヤーが気軽に挑戦できるバランスだ。

サポート面も充実

プレイヤーをサポートするガジェットや支援が充実している。
仲間に支援を要請すれば、警察の手配をリセットしたり、増援を派遣してくれたりするので、アクションやステルスと組み合わせることで、より攻略の幅が広がる

後述するが、反復的な作業が目立つ作品ゆえに、ミッションにおける自由度の高さは嬉しい。

野心的な「会合」

【会合】はとても面白い。

まず、【会合】とはキャンペーンを一定まで進めると発生するミニゲームであり、ここでは腹心の部下らに“強奪した”シマを分配するのだが、主人公と腹心らの思惑が激突するのでとても面白い。

例えば、一人を贔屓にしていると他の腹心が反旗を翻す可能性がある。
今作はマルチエンディングを採用しており、【会合】の結果によっては腹心が寝返ることもあるので、腹心Aにシマを分けた時の「特典」は欲しいが、「あっちにも分けないと刃先がこっちに向くよな…」なんてことを考えさせられるのだ。

欲を言えば

腹心の不満が主人公だけに向くのではなく、主人公に贔屓にされている別の腹心にも向くようなダイナミックさがあれば、より一層面白いものになったはず。

これは次回作以降に期待だ。

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全体的に粗い

反復的な作業が目立つ

『MAFIA III』は復讐の物語だ。
敵に家族や友人を惨殺された主人公Lincoln Clayが血の復讐を果たすお話であり、彼の全ての行動がその復讐に直結している。

しかし、相手は巨大な犯罪組織だ。
そこでLincolnは、いきなり本丸に突撃するのではなく、敵のビジネスを一つずつ強奪することで体力を奪い、相手が孤立無援になった瞬間、一気にケリを付けることにした。

基本的にメインミッションもこれに準じている。
すなわち…

  • 中ボスを倒す。
    • 裏ビジネスの強奪/幹部の排除。
      • 情報屋を締め上げる/一定額まで損害を出す。

と言った破壊工作のセットを繰り返す、反復的な内容になっている。
そして中ボス戦的な「幹部との対決」自体も、毎回コピペに近い内容であり、全く同じ攻略法が通用してしまう。

はっきり言って芸はない。
1作目『MAFIA』の濃密な演出と凝りに凝った舞台設定とは、比べること自体が無礼なレベルであり、1作目よりも劣ると言われた『マフィア2』よりも淡白だ。

すでに述べた通り、箱庭制圧型のミッション自体の自由度は高いものの、コピペミッションを誤魔化すほどではない。

関連記事>>>『マフィア3』の気になる点。

ボス戦自体はユニーク

ただ、中ボスを倒した先のボス戦だけは、特別な舞台と演出で用意されている。
時にはビルに押し入り、時には豪華客船に乗り込みボスと対決するのだが、なかなか凝っていて面白く、こうしたものがもっとあれば良かった。

形だけの人種差別

何かと【人種差別】が強調されているが、上手くゲームプレイに落とし込まれていない。

プレイ中に「人種差別」を意識させられるのは、「有色人種入店禁止」の店を見掛けたり、地区によって警察の手配システムが変わる時くらいであり、「人種差別」を強調している割には、ゲーム内でそれを意識させられる場面は意外と少ないのだ。

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総評

ドキュメンタリー調で語られる血の復讐劇は面白く、最後までプレイする動機にもなった。
また、「会合」のような野心的なゲームシステムも登場し、今後のシリーズ展開に期待が持てる内容だ。

ただし、今作のベースとなる部分は5,6年前で思考停止しており、それが全体的な評価を下げる結果に繋がっている。

▼DLC レビュー▼