原題 | Crysis 2 |
対応機種 | PC,Xbox(互換),PS3 |
プレイ時間 | 9時間~ |
『Crysis 2』は、前作『Crysis』の続編。
今作は、舞台を”木々が生い茂る”南国の島からニューヨークへと移し、さらにオープンなゲームから直接的なゲームへと生まれ変わるなど、作風が一変している。
なお、ストーリーは”前作の続き”。
一応、ゲーム内でこれまでの流れは説明されるが、前作を遊んでおいた方が理解は早いと思う。
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評価
ジャングルから市街地へ(PC専用タイトルからゲーム機向けタイトルへ)

2007年に発売された前作『Crysis』は、当時の最先端を行く”PC泣かせな”グラフィックが大きな話題を呼んだFPSであり、PCの性能をフル活用し、広大な島を、圧倒的な映像美で描いていた。
しかし、今作は”PC専用タイトルで、PCの性能をフル活用し、最先端のグラフィックを実現した”前作とは異なり、PS3やXbox 360向けにも展開されたことで、必然的にゲームは縮小化している。
分かりやすいところでは、ゲームの舞台が広いジャングルから狭いコンクリートジャングルへと変わった。
当然、こうした目に見えた縮小化は、今作を前作の直接的な続編として見た場合、一種の寂しさを感じさせるものではあるのだが、「縮小化がゲームをダメにしているか?」と言われると、決してそうではない。
というのも、舞台がジャングルからコンクリートジャングルへと変わっても、”ナノスーツの力を借り、敵を翻弄しながら狩っていく”部分が、依然としてこのゲームの核として残っているから。
高い位置から敵を銃撃 隣のビルへの大ジャンプ
確かに、今作では、ゲームの舞台が木々で生い茂ったジャングルからビルに囲まれたニューヨークへと変更され、各チャプター毎に用意されていた中規模かつオープンなエリアも、小規模かつ直線的なエリアに置き換わっている。
けれども、「クローク(一時的な透明化)」を使って姿を現し、消しを繰り返して敵を混乱させ、彼らがあたふたしているところに銃弾をぶっ放していく戦闘は今作でも健在であり、“優位な立場から敵を狩っていく”面白さは、舞台が変わってもそこにちゃんとある。
いや、市街地という特徴を活かした”高低差”のあるエリアデザインのおかげで、狩りがより面白くなっていると言っても良いかも知れない。
「ストレングス(筋力アップ)」を使って屋根や足場までジャンプすれば、敵の頭上を陣取ることができ、あとはそこから銃を乱射することも、偵察した後にまた地上に戻ってステルスキルしていくこともできる。もちろん、戦闘中に屋根や足場などをピョンピョン飛び回り、敵を混乱させつつ戦うこともできる。
要するに“高低差”のあるエリアデザインによって、「ナノスーツ」の「ストレングス」が”使える能力”となり、その利点を活かした狩りの面白さが生まれているのだ。
前作と比べると、今作はほぼ別ゲーに近いのだけれど、このゲームの核となる”ナノスーツを使って敵と戯れる”部分はより強化されており、”Crysisとしては着実に進化している”。
本命はエイリアン戦か

前作『Crysis』のエイリアン戦は”消化試合”に近く、クリアするために仕方なく遊んでいたところがあったが、今作はエイリアン戦も面白い。むしろ、本命と言っても良いくらい。
前作やそのスピンオフ『Crysis Warhead』に登場したエイリアンは、空中を浮遊する”凧”のようなイカ型エイリアンだったが、今作のそれは二足歩行で、人間の敵よりも硬く、俊敏に動く。
人間の敵は簡単に倒せるが、エイリアンは雑魚でも結構手強く、無計画に突っ込んでしまうと簡単に倒されるので、エリアの構造や遮蔽物を利用し、しっかり弱点を撃ち抜かないといけない。もちろん、ナノスーツの「クローク」や「アーマー」も使い倒す。
特に中盤以降は、雑魚エイリアンの強化版やボス的なエイリアンも登場することで、より白熱した戦闘が繰り広げられ、良い緊張感と手強い戦闘が楽しめる。
FPSとしても、”弾が当たっているのか、当たっていないのか分からなかった”前作のエイリアンとは異なり、今作は被弾すればピシャピシャとエイリアンの体液が飛び散り、ヘッドショットを決めるとプチッと頭が潰れるので、撃つ気持ち良さも意識されている。
エイリアン戦が抜本的に手直しされたことで、全編に渡ってアクションゲームとして安定したクォリティになっており、その点は今作のもっとも大きな改善点と言える。
中盤以降は中だるみ、あと敵はおバカさん?

ゲームとしては中盤でネタ切れ気味なので、個人的には、現在の2/3くらいのボリュームでも良かったと思う。
中盤以降は、雑魚エイリアン=>中ボスエイリアン=>ボスエイリアンのセットの繰り返しが目に付く上に、ボスエイリアンが毎回同じ面子なので、「またお前かよ()」と思いながら遊んでいた。しかも、そのボスキャラが硬くて、手間の掛かるボスだったので、二回目以降はただただ辛かった。

あと、人間の敵があまり賢くなかった。
遊んだ感じでは、進行ルートを見つけるのに苦労しているようで、意味なく階段を行き来したり、遮蔽物をわざわざこちら側に飛び越えてきたりなど、色々と苦労されていた。
これは”エリアが狭くなり、モノが密集している”今作だからこその問題と言えるかも知れない。
幸い、ゲームを台無しにするものではないけれど。
PC版の話

正直、PCゲームとしては残念な仕様が目立つ。
ゲーム機版に合わせたと思われる狭い視野は慣れるまで気持ち悪いし、画面の右半分を占める銃も視認性を損なわせている。また、クイックセーブは無くなり、その代わりのチェックポイント(復活地点)も間隔がやけに長い。
PC版を遊ぶ人は、Modを導入して改善した方が良い
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総評
今作は、失ったものは多いものの、Crysisの核となる部分を発展させた続編になっており、ナノスーツを駆使した狩りやエイリアンとの戦いなど、アクションゲームとして着実に進化した一作だった。
ただ、前作ファンは『Crysis』の続編というよりは、”Crysisのクローンゲーム”くらいの気持ちで遊んだ方が、過度に期待せずに済んで良いと思う。
なお、Crysisがリスクを負ってジャングルや諸々を捨てた一方で、翌年に発売された『ファークライ3』が舞台をジャングルに戻し、Crysisのようなゲリラ戦やオープンな環境を活かした自由度の高いゲームプレイなどを実現し、大ヒットした、というのは何とも皮肉な話に思えてしまう。
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