この記事では、「クライシス(Crysis)」シリーズを紹介・解説していく。
「Crysis」は、人間に加えて、エイリアンとの死闘も描くSF・FPSシリーズになっており、現在まで『Crysis』『Crysis 2』『Crysis 3』の三部作と、『Crysis Warhead』という一本のスピンオフが発売されている。
この記事では、「Crysis」をスピンオフも含めて紹介・解説している。
Crysisシリーズを解説
Crysis(クライシス)

原題 | Crysis(Remastered) |
対応機種 | PC,PS4,Xbox,Switch |
プレイ時間~ | 10時間~ |
ストーリー | リンシャン島で、北朝鮮軍が謎の発掘作業を進める。その作業に参加する研究者からのSOSを受け取ったアメリカ政府は、極秘作戦部隊を現地に送り込む。「ナノスーツ」と呼ばれる特殊装備を身に着けた兵士たちは、その発掘作業を調査する。 |
『Crysis』は、記念すべきシリーズの一作目。
実質的な前作『FarCry』をベースにしたゲーム内容になっており、広いジャングルを舞台にしたオープンなプレイ環境と、アクションでもステルスでも遊べる自由度の高さが特徴として挙げられる。
この「オープンなプレイ環境」と「自由度の高さ」は、『FarCry』の特徴でもあったが、あのゲームでは全体的な難易度の高さもあり、その面白さを楽しむために超えるべきハードルが少し高かった。
その点、『Crysis』では「ナノスーツ」と呼ばれる特殊装備を用意することで、”オープンなプレイ環境”で、”自由に遊ぶ”ためのハードルを下げており、より多くのプレイヤーが、より手軽に、このシリーズの面白さに触れられるようにしている。

具体的には「マキシマム・アーマー」は、一時的な防弾チョッキとして銃撃戦をサポートし、「マキシマム・クローク」は、一時的な透明化によってステルスプレイをサポートするというように、「ナノスーツ」の機能が一種のチートとして機能し、プレイヤーが様々な遊びに挑戦できるように後押しする。
そんな「ナノスーツ」のおかげで、プレイヤーは、『FarCry』よりもはるかに手軽にこのゲームの面白さに触れられるようになり、様々な戦法を駆使しながら敵を一人残らず狩っていく。

そして、この「狩る」がこのシリーズのもう一つの面白さ。
プレイヤーは「ナノスーツ」を駆使し、敵兵を倒していくが、相手はあくまでもただの兵士なので戦力差は当然あり、必然的に、プレイヤーは有利な立場から敵を”狩る”ことになる。
ジャングルに迷い込んだ兵士を息を潜めて待ち受けるプレイヤーは、まさに捕食者であり、そんな”捕食者”として敵を翻弄しながら戦っていくことが、このゲームのもう一つの面白さであり、”FPSとしてのCrysis”を特徴付ける要素になっている。

ただ、こうした面白さも前半まで。
エイリアンが主な敵となる後半は、ゲーム内容がガラッと変わり、それまでの自由度の高さだったり、敵兵と「ナノスーツ」で遊んだりだったりが出来なくなり、単調なエイリアン撃退ゲームに姿を変える。
『FarCry』もそうだったように、この前後半で作風がガラッと変わる点は、開発元である「Crytec」の作風とも言えるが、この”前半の面白さを自ら捨てる”判断は、批判的に語られる部分である。
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Crysis Warhead(クライシス ウォーヘッド)

原題 | Crysis Warhead |
対応機種 | PC |
プレイ時間~ | 5時間~ |
ストーリー | Crysisの主人公とともにリンシャン島へと送り込まれたサイコ。彼はCrysisの裏側で進行していた極秘作戦に参加し、別の角度から北朝鮮軍の動向を探ることに。 |
『Crysis Warhead』は、『Crysis』のスピンオフ。
『Crysis』にも登場した”サイコ”を主人公とし、『Crysis』の裏で進行していた極秘作戦をプレイする。
このスピンオフの特徴は、アクションの密度が高くなったところ。
『Crysis』はオープンなプレイ環境で、自由に遊べる点が特徴だったのに対し、今回は直線的なプレイ環境で、”ある程度”自由に遊ぶCrysisとなり、マップの広さや自由度と引き換えに、演出重視の作風になっている。

マップが直線的なので移動時間が短縮され、短いスパンで演出も挿入されるので、『Crysis』と比べるとアクションの密度が高くなっており、演出特化型Crysisとして上手く差別化されている。
また、『Crysis』と比べて難易度が低く、銃や弾薬もたくさん落ちているので、敵陣に特攻するランボープレイがもっとも理にかなった遊び方となり、”サイコ”という渾名に負けない暴れっぷりも楽しめる。
本編と続けて遊ぶスピンオフとして、良い意味で変化がある。

ちなみに、『Crysis』で批判された”前後半でゲーム内容が異なる”点も配慮されており、今回は敵兵とエイリアンを交互に登場させることで、ゲーム内容に統一感をもたせている。
『Crysis Warhead』は、いわゆる”Crysis三部作”に含まれておらず、よってリマスター化される可能性も低く、遊べるのはPCだけという不遇の一作ではあるが、演出特化型Crysisとしてはもちろん、サイコというキャラクターを掘り下げるCrysisとしても面白い一作になっている。
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Crysis 2(クライシス2)

原題 | Crysis 2 |
対応機種 | PC,PS3,Xbox |
プレイ時間~ | 9時間~ |
ストーリー | 前作Crysisのエイリアン(セフ)がニューヨークを侵略し、大都市は壊滅的な被害を受ける。そんなセフに襲われ、瀕死の重傷を負ったアルカトラズは、ナノスーツを身につけることで延命する。アルカトラズはセフの暴走を食い止めるべく、セフとの戦いに身を投じる。 |
『Crysis 2』は、『Crysis』の直線的な続編。
前作(やスピンオフ)は、PC専用タイトルとして開発されたので、PCスペックをフル活用した高い表現力や鬱蒼としたジャングルを描写することが可能だったが、今作はゲーム機向けにも展開されたことで、必然的にそちらに合わせる形になっている。
例えば、ゲームの舞台が広いジャングルから狭いコンクリートジャングルへと変わり、オブジェクトの密度や破壊表現も”控えめ”になっている。

ただ、「ゲーム機仕様になってダメになったか」と言われるとそうでもなく、『Crysis』にもあった「狩り」の面白さはそのままなので、ゲーム内容はガラッと変わっても本質的な部分は守られている。
というよりも、今作は市街地という特性を活かした高低差あるマップのおかげで、敵を頭上から襲ったり、地上と足場を行き来して敵を混乱させたりができるので、より「狩り」が面白くなっている。

ちなみに、今作ではエイリアン戦も手直しされている。
二足歩行のザコは機動力でプレイヤーを追い詰め、大型のボスは破壊力でプレイヤーを圧倒する。プレイヤーはエリアの特徴や周囲の武器を利用し、そんなエイリアンと戦っていく。
前作の”浮遊する凧のようなイカ型エイリアンをただ撃つだけ”のエイリアン戦よりも、はるかにアクションゲームとして面白くなっており、この部分はCrysisとして間違いなく進化している。
前作と比べると色々と制約の多いCrysisではあるが、そんな中でも、このゲームの面白さを上手く抽出し、それを発展させているので、「これはこれで面白い」と言えるCrysisになっている。
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Crysis 3(クライシス3)

原題 | Crysis 3 |
対応機種 | PC,PS3,Xbox |
プレイ時間~ | 7時間~ |
ストーリー | 依然としてセフとの戦いが続くニューヨーク。一作目で、主人公・ノーマッドたちの上官だったプロフェットは、サイコとともに、セフとの最後の決戦に挑む。 |
『Crysis 3』は、『Crysis 2』の直線的な続編にして”Crysis三部作”を締めくくる完結編。
基本的には前作を発展させた続編だが、舞台がジャングルと化したニューヨークで、マップのサイズもやや広くなっているので、前作ほど窮屈さがなく、一作目の開放感が若干戻って来ている。

「前作からこう変わった」と言えるものはそう多くないが、あえて言えばエイリアン戦がさらに改善されており、今作ではエイリアンの武器を使うことで、ボス級以外はサクサク倒せるようになり、爽快感が増している。
また、エイリアンの種類も増えており、印象に残るエイリアンが多い。

一方で、新たに登場した「弓矢」は強すぎてゲームを壊し気味。
「弓矢」は使用しても「クローク」が解除されない上に、敵をステルスキルできるので、「クローク」と組み合わせて使っていれば、ほとんどの場面を楽に制圧できてしまい、戦術もプレイスキルも何もいらない。
今作は「敵を翻弄し、狩る」というよりは「敵を安全地帯から排除する」に近く、『Crysis』や『Crysis 2』の面白さでもあった、捕食者として敵を狩っていく部分が薄れている。
最後にストーリーは、三部作の完結編らしい結末が用意されているので、シリーズファン必見。ただ、今作が初Crysisだと「?」がたくさん浮かぶと思われるので、その点は注意。
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オススメのクライシスは

- Crysis
- Crysis 2
私はこの二つのCrysisをオススメする。
『Crysis』は、やはり広いマップを舞台にした自由度の高さが面白い。遠くから米粒ほどの敵兵を狙撃してもよし、リスク承知で特攻して大暴れしてもよしというように遊びの幅が広くて、ここは一作目だけの面白さになっている。
『Crysis 2』は、高低差を活かした”狩り”が面白い。一作目と比べるとスケールダウンしている感は否めないが、高低差を取り入れることで”狩り”の面白さを底上げしており、新生Crysisとして楽しめる。また、エイリアン戦も改善されていて、エイリアンとの白熱した戦いも面白い。
まとめ
以上、”【2021年版】オススメの「クライシス(Crysis)」を全て紹介/未プレイでも遊べる?プレイする順番は?なども”でした。
当サイトでは、他にもレビュー記事や特集記事を公開していますので、ぜひそちらも読んでみてください。