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【評価・感想】『ダイイングライト2 ステイヒューマン』レビュー

ゲームレビュー
ゲームレビュー
この記事は約6分で読めます。
原題Dying Light 2: Stay Human
対応機種PC,PS5,Xbox SeriesSX
プレイ時間24時間~
ストーリー前作から約20年後の2036年。危険な世界を冒険する”流浪人”の一人エイデンは、生き別れた妹ミアを探してヨーロッパの都市”ヴィレドー”へとやってくる。そこでミアの居場所を知る男”ワルツ”の行方を追う。

今作は2022年に発売されたオープンワールド・アクションRPG。2015年に発売された『ダイイングライト』に続くシリーズの二作目になり、今作では前作と同じ世界で、新しいストーリーが描かれる。

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著者情報
Kakihey

2014年末より当サイト「Kakihey.com」を運営中しています。現在までに300本以上のゲームレビューを公開しています。基本的にPCでゲームを遊んでいます。

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評価

※Steam版・23年1月時点での最新バージョンを遊びました

2015年に発売された前作『ダイイングライト』は、『デッドアイランド』のゲームシステムと『ミラーズエッジ』の軽快な移動を組み合わせたユニークなオープンワールドゲームだった。

『デッドアイランド』から近接戦闘と武器のカスタマイズ要素、『ミラーズエッジ』からはパルクールを取り入れたゲームになり、「爽快感ある残虐な戦闘」と「オープンワールドでの軽快な走り」が楽しいゲームだった。特にパルクールは、単調になりがちなオープンワールドでの”移動”を”遊び”に変えてくれる要素として、非常に大きな存在だったと言える。

その後、2016年には追加ストーリーとして『ダイイングライト ザ・フォロイング』が発売され、一作目のストーリーはそこで一区切りつくことになった。

今作は、その『ダイイングライト』をベースにした二作目。

ゲームとしては、基本的には前作を受け継ぐ形だが、当然、新要素や改善された点もあり、この記事では「前作とはどう違うのか」を中心に今作を振り返っていく。

パルクール、コンバットを比較する

「前作経験者であればすぐに馴染める」というくらい前作『ダイイングライト』との共通点は多いのだが、全面的に改良と拡張は行われていて、特にパルクールに関してははっきりと・・・・・違いが分かる。

最初は「そんなに変わったかな」と思っていたのだが、直後に前作をまた遊んでみると、主人公の動作やジャンプの飛距離などが全然違うことに気づいた。

違いを挙げ出すとキリがないのだが、中でも大きいと感じたのは「体の重さに引っ張られる」という感覚がなくなったことで、これによりパルクールの快適さが一段と増した。ある意味、前作の方がリアルだったのかも知れないが、今作では体の重さを感じることがなく、流れるような”走り”が楽しめるようになっている。

その上でスキルをアンロックしていくと、より速くより高くパルクールできるようになり、それに慣れてしまうともう前作には戻れなくなるのではとさえ感じる。前作のパルクールも十分軽快な動きだったが、壁をよじ登り、建物と建物の間を駆け抜けていくスピード感は、今作の方が上で、”パルクールゲー”としての進化を感じる。

ちなみに賛否両論ある(?)パルクール時のスタミナ消費は、私は悪いとは思わなかった。

絶対に必要とも思わないが、「登るルートを考える」「スタミナを上手に管理する」と言った面白さが生まれていて、決して改悪ではない。下にゾンビの群れがいる中、スタミナぎりぎりで登りきった時の安堵感は今作だけのもの。

また、パルクールをサポートする道具として「パラグライダー」「グラップリングフック」も用意されている。

どれもパルクールと”併用”するものなので、万能ツールというわけではないが、ルートをショートカットしたり、安全に地上に着地したりする際に便利で、あるとないでは移動の快適さが全然違う。パルクールだけでも問題なく遊べるが、そこにパラグライダーやグラップリングフックを組み合わせることで遊びの幅がぐっと広がり、オープンワールドでの移動がより楽しくなる。

なお、今作のグラップリングフックは、前作のようなワイヤーアクション(ジャストコーズ的)ではなく、引っ掛けたロープにぶら下がり、ジャンプするものになっている(ターザン的)。

個人的には、パルクールの出番を奪わず、共存できる方向になっていて、これはこれで上手くバランスが取られていると思ったが、あのワイヤーアクションが好きだった人には改悪に思えるかも知れないので、そこは注意点として挙げておく。

パルクール以外では戦闘面も同様に強化され、新しいコンボや本格的なステルス要素などが導入された。

私が遊んだ限り、ここはパルクールほどの違いは感じなかったが、今作でもカスタマイズしたお気に入りの武器で、敵を豪快に切り倒していくのが楽しく、前作同様に生々しくも爽快な戦闘が用意されている。ゴア表現も健在で、ついつい色んな角度から切ってみたくなる。

加えて、前作と同じく、最初はザコ相手でもやや苦戦するが、中盤以降はザクザクと倒していけるバランスも良く、プレイにしっかり変化がある。

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オープンワールドゲームとして

オープンワールドゲームとしては、前作『ダイイングライト』と同じスタイルと言って良い。

比較的ゆったりと遊べる日中と強敵も出現するスリリングな夜間の繰り返しが特徴で、その一日の中でクエストやチャレンジなどを遊んでいくという”ダイイングライトらしい”オープンワールドゲームになっている。

そこへ今作では”同一マップ内でのファストトラベル”や”夜にゾンビに発見されると始まるチェイス”など、いくつかの追加要素が盛り込まれており、前作を踏まえた上で、しっかりと今作ならではのオープンワールドを作り上げている。

それら以外では、オープンワールドが多様化したのも特徴になる。

高層ビルが立ち並ぶ市街地から歴史を感じる旧市街地(?)まで、様々な地区やランドマークが用意されており、前作よりも幅広い範囲をカバーしている。当然、今作では高層ビルにも登ることができ、それをパルクールで登っていくスリルは一度体験してみる価値あり。

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マルチエンディング、選択する意味

プレイ面以外では、ストーリー上で「選択」できることが大きな違い。

「二大勢力のどちらに肩入れするか」によってストーリーの展開は変化し、街の様子も変わっていく。ストーリーの大枠は大きく変わらないようだが、そこに至るまでのルートはいくつも用意されており、どの道を通るかはプレイヤー次第になっている。

こうした仕組みのある他のゲームと同じように、今作も白黒はっきりしないグレーな状況で、自分なりに決断を下していくのは非常に面白いし、その結果が街や住民の変化として反映されるのもまた面白い。どちらの立場も理解できるところがあるゆえに、どの選択も常に悩ましい。

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総評

前作はお気に入りの一本だったが、今作もそれに負けず劣らずの一作だった。

前作同様にパルクールとオープンワールドの組み合わせは見事にハマっているし、血しぶきを浴びながら敵を斬り倒していく戦闘も楽しく、新要素の”選択”も、この世界で生き残ることの意味を考えさせる面白い要素になっている。

あえて書くべき不満点もなく、非常に面白い二作目だった。

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