原題 | Red Dead Redemption 2 |
機種 | PC,PS4,Xbox One |
プレイ/クリア時間 | 50時間~ |
👍Good
- 広大なオープンワールド
- 異常に作り込まれたゲーム世界
- 濃密なストーリーと演出
- セミ・リアル要素
👎Bad
- スロースターター
- 手配システムは時に理不尽
紹介/解説
どんなゲーム?
ジャンルとしてはGTA型オープンワールドゲーム。
- 広大なオープンワールド
- 濃密なストーリーと演出
- 山ほど用意されたメイン/サイドミッション
などが特徴として挙げられる一作になっている。
前作が未プレイでも大丈夫?
前作が未プレイでも楽しめる。
というのも、今作は前作『レッド・デッド・リデンプション』よりも前の時代を描く続編だから。
もちろん、”前作を知っているからこそ分かる面白さ”はあるが、今作をプレイした後に前作に挑戦してもそれはそれで面白いので、今作がシリーズ初でも大きな問題にはならない。
なお、主人公のアーサー・モーガンは今作で初登場したキャラクター。
ちなみに、上記事では前作のストーリーをネタバレ込みで解説している。
レッド・デッド・リデンプション2のストーリー
主人公アーサー・モーガンを含むアウトローたちは、そんな時代の波に揉まれながらも、この過酷な西部で生き残るべく抵抗を続ける。
RDR2の特徴
一人称視点(FPS)モードに対応
今作も一人称(FPS)モードに対応している。
そして、一人称視点は─
- 一人称視点でのガンファイト
- アイテムを手に取り観察できる
- 動物の解体を至近距離から観察できる
などが特徴になっており、一人称視点ならではの高い没入感が魅力。
もちろん、乗馬時も一人称モードでプレイ可能。
無料でオンライン版もプレイ可能
追加料金無しで、『レッド・デッド・オンライン』がプレイ可能。
このモードでは”決まった主人公”ではなく、キャラメイクした自分の分身(男/女)でプレイできる。
なお、『レッド・デッド・リデンプション2』にはCo-opやマルチプレイはなく、完全なシングルプレイゲームになっている。
外部記事>>>『レッド・デッド・オンライン』の詳細
PC版はModに非公式対応
↑記事で紹介しているように、PC版向けにユーザー作成のModが多数公開されている。
評価
【Rockstar Games】の新作は常にジャンルを前進させる。
それは12年発売の前作『レッド・デッド・リデンプション』も同様。
同作では”当時はまだ珍しかった野生動物が独自の生態系を築く”オープンワールドを用意し、そこに往年の西部劇へのラブレターとも言えるパロディや引用をふんだんに盛り込むことで、”ビデオゲームにおける西部劇”を定義した。
- Rockstar Gamesの新作は常にジャンルの一歩先を行く
今作も、そうした”Rockstar Gamesの新作”に恥じない一作。
【Pros】より深みを増したゲーム世界
まず、オープンワールドは流石の完成度。
木々の一本一本まで手作業で植え付けられたゲーム世界は、どの瞬間もウソがない。
鉄道を中心に栄える町は住民や流れ者で溢れ返り、文明化から逃れたフロンティアでは”200種類以上の野生動物が日々”食うか、食われるか”の過酷な生存競争にさらされている。
そして、ハードスペックの向上によってグラフィックは格段に向上。
体に積もる雪や足跡に出来る水たまりなど、ディテールへの拘りは凄まじいものがあり、今後何年にも渡って”目指すべき目標”とされるレベルである。
主人公はその土地に根付く存在
前作『レッド・デッド・リデンプション』では、主人公の行いが名誉/名声ゲージとして完全に視覚化されていた。
しかし、今作ではそれに加えて当事者や関係者が主人公の行いを記憶し、彼らの言動にそれが反映されるという要素が加わっている。
単に広いオープンワールドがあるのではなく、そこでの行いが人々に認識されることによって、前作以上に”ゲーム世界に影響を与えている”という感覚が強くなっている。
“時の経過”もユニーク
今作のゲーム世界には”時の経過”が存在する。
以前立ち寄った時は建設途中だった家が、次に訪れた時には完成していたり、さらに時間が進むとその家を購入した夫婦に出会えたりする。
それ以外にも、一部のサイドミッションでも”時の経過”が持ち込まれている。
昼夜のサイクル自体は何も珍しくないが、今作のように”実際に時を刻む”ゲーム世界というのはあまり多くなく、これは非常にユニークな点である。
“時の経過”は主人公の髪やヒゲが伸びるとは別次元のリアリティを生む。
…
今作のオープンワールドは総じて完成度が高く、【Rockstar Games】作品のみならず、他のオープンワールドゲームと比べても頭一つ抜きん出ている。
【Pros】主人公の体調管理は”程よい緊張感”を生む
今作では育成/体調管理要素が強化されている。
同じく【Rockstar Games】が生んだ傑作『グランド・セフト・オート サンアンドレアス』のそれよりも意味を持った要素になっている。
【基本ステータス】とは?
まず、今作には【基本ステータス】が存在する。
【基本ステータス】は時間経過と共に減少していき、そのまま放置しているとスタミナや【デッド・アイ】などに悪影響を及ぼす。
なので、プレイヤーは常に【睡眠】や【食事】に気を配る必要があり─
- 長旅の途中でも簡易キャンプを設営して休息を取る
- 腹を満たすために野生動物を狩って調理する
ということをしないといけない。
要するに、今作ではこれまでのようにノンストップで行動し続けることは出来ないのだ。
愛馬にも【基本ステータス】がある
定期的にエサをやったり、休息させてやる必要がある。
また、今作では馬に【親密度】が用意されているので、ちゃんと世話をしないといけない。
…
【基本ステータス】はゲーム全体を引き締めてくれる。
【基本ステータス】が”単にセーブするだけだった”睡眠に意味を与え、長旅が”ただの長い移動”ではなく、文字通り命を削る冒険に感じられるものへと変貌させている。
空腹の中、メインキャンプから遠く離れた場所に一人居る孤独感と恐怖心は、なかなか他のゲームでは味わえないものがある。
【Pros】狩りが意味ある要素に
まず、今作では敵を退治する以上に「キャンプの管理」は重要。
プレイヤーは定期的に─
- 野生動物を狩って食料を補充する
- 現金を集めて「寄付」する
などして仲間を食わせる必要がある。
そして、「キャンプ」の登場によって”狩りが生まれ変わった”。
もう「狩り」は形だけの要素ではない
「肉」=>「食料」になったことで”狩り自体の重要性が増している”。
それに伴い、今作では狩り要素が完全に作り直されており─
- 臭いで感づかれないように風向きを意識する
- 仕留める時は”苦しめないように”弓矢などで一発で仕留める
- 腐らないうちに亡骸をキャンプまで持ち帰るか、諦めてその場で解体するかを選ぶ
などを重視するリアル志向のものに進化している。
「キャンプ」の登場によって「狩り」が意味ある要素に昇華されており、このシリーズで欠けていた最後のピースがようやくハマった。
【Pros】”余白”から生まれる高い没入感
確かに無駄の多いゲームである。
- 倒した敵からアイテムを回収する際はポケットに手を伸ばす
- 狩った獲物から肉を切り取る際は文字通り解体する
- 料理する際は実際にナイフで肉を刺し、それを火元で炙り、食らう際も口元までナイフを持っていく
- 室内を物色する際は棚や引き出しを開けて初めてアイテムの有無が分かる など
効率化とは無縁のゲームプレイ。
今作では”他のゲームでは半自動化されたり、丸々省略される”部分を実際に操作させるので、近年のオープンワールドゲームの中でも特にテンポの悪いゲームと言って良い。
だが、その無駄から生まれた「余白」こそが唯一無二の魅力。
日常の細かな作業を通してプレイヤーはアーサーとの距離を縮め、【基本ステータス】を中心とした”疑似生活”を送る中で、プレイヤーはゲーム世界に生きる一人のガンマンに感情移入していく。
こうした感覚は徹底的に効率化されたゲームでは決して体験できないものであり、「余白」を楽しめる者だけに許された贅沢なのである。
【Pros】主人公の挙動も没入感を高める
一部で「もっさりした動き」「操作性が悪い」と言われているが、私はそれも含めての良さだと思っている。
確かに”まどろっこしい”操作性ではあるのだが、それが”ゆったりとした独特な時間軸を持つフロンティア”と上手く調和しており、その人間臭いアニメーションも魅力になっている。
むしろ、私はキビキビ動かれると興ざめしたはず。
上でも述べたが、今作は「余白」が唯一無二の魅力を放つ作品。
それは徹底したリアルな描写と人間臭いアニメーションから生まれた産物であり、どれか一つでも欠けていれば今作の魅力は半減してしまっていたとさえ感じる。
ゲームによっては快適さを追求した操作性も当然アリだが、今作の場合はその操作性も含めての”良さ”だと感じるのだ。
【Cons(欠点)】スロースターター
2時間近く、チュートリアルが続く。
前作『レッド・デッド・リデンプション』ではすぐにオープンワールドに放り出され、個々のミッションをプレイする中でチュートリアルが展開されたが、今作は最初の2時間がチュートリアルを兼ねた一本道的なミッションになっており、非常にスロースターターな印象を受ける。
【Cons(欠点)】新たな手配システムは一長一短
今作では手配システムがより現実的になっており、一般人に犯行の瞬間を目撃されると彼らは「目撃者」となり、保安官の所へと急行する。
これ自体は面白いのだが、理不尽な面もある。
GTAシリーズと同じく、今作でもやはり”周囲には誰も居ない”はずなのに犯行がバレることがあり、どれだけ用心しても“ゲームの設計上の問題”から完全犯罪が発覚してしまうのは納得できない点である。
総評
プレイ前の期待値を大きく上回った傑作。
今作ではセミ・リアル化と相互作用を特色とした「没入型オープンワールド」とも呼べるゲーム世界を用意し、そこへかつて存在した職人気質な古き良き洋ゲーのエッセンスと、最新技術を投入することで、唯一無二の作品に仕上げている。
今作は『レッド・デッド・リデンプション』の続編でも、西部劇版GTAでもなく、『レッド・デッド・リデンプション2』という一つのジャンル、一つの作品なのである。
コメント
RDR2はFarcry2に似た野心的なゲームデザインで、個人的には滅茶苦茶楽しめました。ですが野心的である故一般的なゲームユーザーからは面白く感じるまでに辞めてしまう人が多くそこらへんが少し残念かなと思います。
FC2は私も楽しめました
確かにあのゲームも、面白さを感じるまでの道が長いですね
RDR2の場合も冒頭の雪山が長く、ゲーム内のルールを理解するまではやや取っ付きにくい感がありますね