原題 | Grand Theft Auto III |
対応機種 | PC,PlayStation,Xbox,Switch etc |
プレイ時間 | 15時間~ |
ストーリー | 銀行強盗に成功するも仲間に裏切られ、一人逮捕された主人公。幸運にも、主人公が乗っていた護送車が何者かに襲撃され、脱獄に成功する。主人公はリバティーシティの裏社会に潜り込み、自身を裏切った者たちを追跡する。 |
『グランド・セフト・オートIII』は、前作『グランド・セフト・オート2』の約2年後に発売された作品で、”3Dグラフィックに完全移行した最初のグランド・セフト・オート”になる。
今作からシリーズは”3D Universe”と呼ばれる第2世代へと進み、『グランド・セフト・オート バイスシティ・ストーリーズ』までは同じ世界を共有している、という設定になっている。なので、別のシリーズ作品のキャラクターがカメオ出演したり、出来事に言及されたりする。
関連記事>>>【評価・感想】『グランド・セフト・オート トリロジー決定版』レビュー
評価
GTA型オープンワールドゲームの誕生
今作は、見下ろし視点から三人称視点へと代わり、グラフィックも、3Dグラフィックへと完全移行した”新生グランド・セフト・オート”の一作目だった。
現在では、今作の影響を受けた作品がたくさん存在するので、このゲームを今遊んでも、数多くある内の一つのように感じるが、この頃の「グランド・セフト・オート」を、幸運にもほぼリアルタイムで遊べた私は、初めて遊んだ時の衝撃が今でも忘れられない。
“人や車で溢れかえる本物そっくりの都市があり、その中で自由に遊べる”というコンセプトを実際に体験した瞬間に、それまでのゲームに対する固定観念が粉々に砕かれ、新しい価値観が形成されていった。あまりに衝撃的な体験だったので、誇張ではなく、本当に遊びながら震え上がってしまった。
「え、車に乗れるの?」「ええ、銃も撃てるの?」「犯罪も犯せるの?」と驚きの連発で、遊び始めてすぐは「一体何が始まったんだ…」と状況が全く飲み込めなかった。
話を元に戻す。
オープンワールドゲームとしては、2Dグラフィックだった『グランド・セフト・オート』『グランド・セフト・オート2』を3Dグラフィック化したもので、やっていることは本当に何も変わらない。
“大都市を自由に散策でき、ミッションを受けるも、受けないも自由”は今作でも同じだし、それぞれの雇い主に命令されるままに、簡単すぎるお使いから派手で危険な大仕事までやらされるというのも同じ。
ただ、やっていることは同じでも、ドライビングにしてもシューティングにしても、2Dゲームと3Dゲームでは求められるプレイスキルは全く異なるので、ゲーム体験としては別物に近く、2D世代と3D世代はきちんと棲み分けられている。
“完全3Dグラフィック化された最初のグランド・セフト・オート”ということで、ドライビングやシューティングは少し難があるけれど、どれも最低限遊べるレベルではあり、コンテンツも過不足なく詰め込まれているので、オープンワールドゲームの元祖にして、スタンダードなゲーム内容になっている。
“III”の優れているところ
ミッションにおける自由度の高さは、今作の魅力。
現在の「グランド・セフト・オート」は、ミッション進行はガチガチに固定化されているけれど、”III”の時点ではそれがまだ緩くて、プレイヤーが”遊べる”余地が残されている。
例えば、敵の逃走用車両を事前に破壊したり、進行ルートをトラックで塞いだりできる。当然、逃走用車両が無くなれば、敵は徒歩で逃げるしかなくなり、進行ルートを塞いでしまえば、敵は逃げ道がなくなり、あとはプレイヤーに倒されるだけとなる。
「これはズルじゃない?」と思うようなことでも、ゲーム側は「あり」としてくれるので、多くのミッションでは、敵陣に特攻する前の攻略法を考える段階から面白い。
“自分で攻略法を考える”という面白さは、シリーズを重ねる度に失われていくので、この点に関しては、今遊んでも面白く、ユニークに感じるところになっている。
信頼度なきゆえの”カオス”
“III”には、前作『グランド・セフト・オート2』の「信頼度」とよく似た要素が存在し、今回は、メインミッションを進めていくと、一部の犯罪組織と敵対関係になる。
ただ、前作の「信頼度」とは違い、今回はプレイヤー側で”調整”できないので、一度失った信頼はそのままとなり、そのせいで相手の縄張りに入る度に集中砲火を浴びる。ミッションによっては、これのせいで余計に難しくなっているものもある。
私は敵に襲われる心配なく、オープンワールドを探索したり、サイドミッションを遊んだりしたい。
トリロジー決定版
2021年に発売されたリマスター版こと『グランド・セフト・オート トリロジー決定版』については、上記のレビュー記事で詳しく書いている。
総評
『グランド・セフト・オートIII』は、現在まで続く「グランド・セフト・オート」やオープンワールドゲームの元祖であり、言うまでもなく、ゲーム史に残る偉大な作品の一つ。
オリジナル版は発売から20年近く経過したことで、時代を感じさせる部分がちらほらとあったが、「トリロジー決定版」が発売され、今風にアップデートされたバージョンを遊べるようになった。
現在では、今作をベースにした最新の「グランド・セフト・オート」やオープンワールドゲームが存在するので、今から今作を遊ぶ理由はそう多くないかも知れないが、ある意味、”すべての始まり”ではあるので、このシリーズやジャンルのファンであれば、一度は手に取ってみて欲しい。
▼関連記事▼
- 【評価・感想】『グランド・セフト・オート(GTA1)』レビュー
- 【評価・感想】『グランド・セフト・オート2(GTA2)』レビュー
- 【評価/感想】『グランド・セフト・オート3/GTA3』レビュー👈
- 【評価/感想】『グランド・セフト・オート バイスシティ/GTA VC』レビュー
- 【評価/感想】『グランド・セフト・オート サンアンドレアス/GTA SA』レビュー
- 【評価・感想】『グランド・セフト・オート リバティーシティ ストーリーズ/GTA LCS』レビュー
- 【評価・感想】『グランド・セフト・オート バイスシティ ストーリーズ/GTA VCS』レビュー
- 【評価/感想】『グランド・セフト・オート4/GTA4』レビュー
- 【評価・感想】『グランド・セフト・オートIV ザ・ロスト・アンド・ダムド(GTA4 TLAD)』レビュー
- 【評価・感想】『グランド・セフト・オート ザ・バラッド・オブ・ゲイ・トニー (GTA TBoGT)』レビュー
- 【評価・感想】『グランド・セフト・オート チャイナタウン・ウォーズ(GTA CTW)』レビュー
- 【評価/感想】『グランド・セフト・オート5/GTA5』レビュー
初版:2016年1月15日 9:37 PM