原題 | Splinter Cell Chaos Theory |
対応機種 | PC/Xbox One(互換)/PS3 |
ストーリー | 「伝説のスプリンターセル」サム・フィッシャーは、ペルー某所の海岸沿いのゲリラ基地へと向かった。 誘拐されたエンジニア、モルゲンホルトの救出と、引き出された情報の回収または抹消がその任務である。 誘拐したのはペルーのゲリラグループ「人民の声」。そのリーダーであるヒューゴ・ラセルダは情報戦で革命を起こそうとしていると言う。その計画はより大きな陰謀へと繋がっていく… 引用 – Wiki |
今作も、スパイ系ステルスゲーム。
これまでと同じく、今作も「暗闇」を活用したステルスゲームになっており、それをベースにした地道なスパイ活動と、現実の世界情勢を反映したストーリーが特徴として挙げられる。
なお、今作は一作目『スプリンターセル(1)』を手掛けた「Ubisoft Montreal」開発。
評価
非直線的なマップと複数の潜入手段
まず、一作目『スプリンターセル(1)』も、二作目『スプリンターセル パンドラ トゥモロー』も「一本道を進むゲーム」という点では共通していた。
その点、今作では必ず複数のアプローチ方法が用意されている作風へと転換。
例えば、序盤の「Bank」というミッション。
このミッションの目的は”銀行の金庫に忍び込んで紙幣を盗むこと”なのだが、金庫へのアプローチ方法は複数用意されており、順番にエリアを攻略していくことも、逆にバラバラに攻略していくことも出来る。
なお、進むルートによって敵との接触が回避できたり、難所だと思った場所が楽に突破できたりするので、これまで以上に探索や尋問の重要度が増している。
- 目的地へは複数のアプローチ方法が用意されている
そして、これは今作の全てのミッションで見られる特徴。
よって、今回は過去作のような「予め引かれた一本の線の上を進んでいる」という感覚よりも、「自分で描いた線の上を進んでいる」という感覚の方が強く、この自由度こそが今作最大の特徴と言える。
一作目と二作目のいいとこ取り
一方で過去作の良さも、ちゃんと引き継いでいる。
一作目ほどではないが、今作にも試行錯誤しながら突破口を探るパズル的な部分は残っているし、前作のような演出重視のミッションも存在する。
要するに、今作ならではの自由度の高い潜入ミッション以外にも、過去作で見られたタイプのミッションも用意されているということであり、全体的にバランスの取れた作品になっているのだ。
成熟したゲームシステム
基本的に、今作も一作目『スプリンターセル(1)』の延長線上にあり、一作目のゲームシステムを改善した前作『スプリンターセル パンドラ トゥモロー』の改良版とも言える中身。
ただし、今作は2つの画期的な要素を取り入れている。
ノイズメーターで足音が見える化
まず、1つ目は【ノイズメーター】。
今作では周囲の環境音と主人公が発する物音が【ノイズメーター】として表示されるので、主人公の音が周囲の環境音よりも小さいのか、大きいのかということがひと目で分かるようになっている。
- 【ノイズメーター】を見れば、周囲の環境音と主人公が発する音のボリュームがひと目で分かる
「音」の見える化はこのシリーズにとって画期的。
過去作では、”敵に察知されて初めて”自分の足音の大きさに気づくことが多々あり、それが発見されやすさにも繋がっていたので、【ノイズメーター】の登場によってリスタート回数が減っている。
OCP機能付きピストルで電子機器を一時的にマヒさせる
次に【OCP機能付きピストル】も嬉しい追加要素。
これを使えば破壊音を立てることなく、電子看板や電球などの電子機器を一時的に麻痺させられるので、比較的安全に暗闇を作ることができる。
これまた過去作では、破壊音を聞かれたり、破壊した電子機器が見つかったりして敵が警戒状態に入ることが多々あったので、”一時的にマヒさせられる”【OCP機能付きピストル】は多くの場面で重宝する。
…
【ノイズメーター】と【OCP機能付きピストル】は、まさに”かゆいところに手が届く”追加要素になっており、ステルスプレイのハードルをグッと下げてくれる。
非直線的なマップはデメリットも
『スプリンターセル』や『スプリンターセル パンドラ トゥモロー』は、直線的なマップデザインだったので、真っ直ぐ進んで行けばゴールまでたどり着けたが、基本的に今作でそれは通用しない。
過去作と比べると、今作は非直線的ゆえに「次にどこに行けば良いのか」が分かりにくく、エリア内でモタモタすることが多々あった。また、せっかくショートカット出来ても、「任意のミッションを見落としていないか」と不安になり、戻ることも稀にあった。
非直線的なマップは、自分の方法でミッションを攻略していくことが面白い反面、過去作のようなテンポの良さやスマートさが失われてしまっているように感じた。
総評
順当進化した「スプリンターセル」。
多くのものを一作目『スプリンターセル(1)』から流用しながらも、自由度の高い潜入の導入や追加要素などによって”これまででもっとも成熟したスプセル”になっており、旧「スプリンターセル」の集大成とも言うべき一作に仕上がっている。
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初版:2015年12月4日