原題 | Remember Me |
機種 | PC,PS3,Xbox 360 ※日本語版無し |
発売日 | 2013年6月3日 |
開発元 | Dontnod Entertainment |
備考 | 公式サイト |

自作コンバットがユニークなアクションゲーム。
近未来の、ディストピアな世界を舞台にしたストーリーもよく練られており、”隠れた良作”として推したい一作。
紹介
どんなゲーム?

『ライフ イズ ストレンジ』より。
近未来のパリを舞台にしたディストピア要素を含むアクションゲーム。
開発は『ライフ イズ ストレンジ』で知られるDontnodであり、彼らが得意とするストーリーテリングにも注目したい一作。
なお、本作のパブリッシングはカプコンが担当したものの、日本発売はスルーされた。
PCは日本語化できる
Remember Meのストーリー
2084年のパリ。
この世界では人々の記憶が商品化されており、一つの企業がそれを独占的にサービス化していた。主人公Nilinはそれに対抗するレジスタンスとして、謎の人物Edgeに導かれるままに死闘を繰り広げていく。
評価
【Pros】ユニークな自作コンボ
今作は格闘戦に軸が置かれている。
肝心の戦闘システムは『バットマン アーカム・アサイラム』で称賛された”Freeflow Combat”をモデルにしており、手軽な操作で敵をビシバシと倒せる爽快感がウリだ。
- 「バットマン アーカム」シリーズ的な戦闘
正直、戦闘面は「どこかで見たぞ」という感じではあるが、それでも“プレイヤー自身がコンボを自作できる”【Combo Labs】はとてもユニークなゲームシステムになっている。
コンボ名 | 効果 |
Damage | 攻撃力を上げる |
Regeneration | 体力を回復する |
S-Pressen | 特殊能力のポイントを貯める |
上記3種類の技を自在に組み合わせて「オリジナルコンボ」を作成する。
例えば【Regeneration】を中心にコンボを組めば体力回復型コンボとなり、それを【Damage】と交換すれば攻撃型コンボの完成という具合。
2度目だが、「Combo Labs」はとてもユニーク。
最初の取っ付きにくさは玉に瑕ではあるが、自作コンボを意識した戦闘は他とは一線を画する部分である。
【Cons(欠点)】退屈な”Memory Remix”
今作の舞台は”人々の記憶が「商品」として扱われる”近未来の世界。
主人公Nilinはそれに抵抗するレジスタンスの一員であり、彼女は人々の記憶を編集する【Memory Remix】の達人。
- 主人公は【Memory Remix】を通して他人の記憶が編集できる
なので、【Memory Remix】はストーリー的にも重要なパートになっているのだが、ゲームとしては非常に退屈させられる要素となっている。
- 【Memory Remix】はゲームとしては退屈な要素
なぜなら、「正解」まで何度もやり直しさせられるからだ。
このパートは単に”他人の記憶をムービーとして再生し、その中からあらかじめ用意された「編集点」を探し出すだけのミニゲーム”になっており、一つの「正解」のために何度もやり直しが発生する。
- 【Memory Remix】は何度もやり直しが発生する
個人的には複数の正解を用意して欲しかった。
【Memory Remix】がストーリー上の分岐点であればもっと意味のある要素になっていたはずであり、その方がストーリー的にもマッチしているように思える。
【Cons(欠点)】戦闘のテンポが悪い
やけにテンポが悪い。
例えば、元ネタとも言える『バットマン アーカム・アサイラム』では”敵の攻撃をカウンターで防ぎ、反撃する”が、今作の場合は”敵の攻撃を知らせるアイコン”が表示されると、一旦攻撃を止めて回避行動を取らないといけない。
- 敵の攻撃を「防御」する度に流れが途切れる
なので、戦闘のテンポが悪い。
特殊な敵もテンポを悪くする
中盤以降、正攻法では倒せない特殊な敵が数種類登場する。
壁から飛び掛かって来る敵や、ライトを当てないと姿が見えない敵は、登場する度に戦闘の流れを遮る存在になっており、決して悪くはないが、良くもない存在になっている。
【Combo Labs】自体は良いアイデアだが、それを上手く活かせていない。
総評
欠点はあれど、良作のアクションゲームに仕上がっている。
小粒ながらもユニークな戦闘システムは面白く、ストーリーも含めて綺麗にまとまっている。
そして、新興スタジオの1作目である点を考慮すれば十分な出来。
後に『ライフ イズ ストレンジ』で大成功を収めたスタジオなので、今後のシリーズ展開に期待したい。