対応機種 | PlayStation 3、Xbox(互換) |
プレイ時間 | 16時間~ |
ストーリー | 冷戦の時代、ネイキッド・スネークは、ソ連の科学者ソコロフを亡命させる任務を与えられる。その過程で、スネークはソ連のある一派が計画する陰謀の存在を知ることになる。 |
今作は、「メタルギア」シリーズの五作目。
現時点(2022年4月)では、シリーズでもっとも古い時代を描き、一作目『メタルギア』へと繋がるネイキッド・スネーク、ビッグボスの物語の始まりとなる作品になっている。
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評価
ステルス✕サバイバルの融合
今作の特徴は、「スタミナ」と「CURE」によるサバイバルな体験にある。
今作では、「スタミナ」が主人公の空腹度を示す一種のバロメータになっており、定期的に食べ物を食べて、ゲージを回復させないといけない。もし、これを疎かにすると、”照準がブレる”などの悪影響が出る。
次に「CURE」は、主人公の怪我などを治療することを指す。今作では、主人公が撃たれたり、骨折したりすると、その都度治療画面を開き、負傷した箇所ごとに”適切な”治療を施さないといけない。これも放置していると、体力の最大値が減ると言った悪影響が出る。
スタミナ | 一種の空腹度。定期的に食べ物を食べないと、プレイに悪影響が出る。 |
CURE | 怪我などを治療すること。放置していると、体力の最大値がジリジリ減っていく |
ただ、実際はさほど難しいものではない。
少なくとも難易度Normalでは、厳格な体調管理は必要なく、食料やアイテムの確保も難しくない。主人公の体勢やバックパックの重量などによってスタミナの減る速度が変わり、減りすぎるとプレイに支障をきたすが、食事をとればすぐに回復する。怪我に関しても、放置していると体力ゲージが減っていくが、治療自体は治療画面からすぐに出来る。
「では、無意味な要素なのか?」と言われるとそうではなく、ジャングルを生き抜く緊張感を演出し、サバイバルしている感を味わわせてくれる要素としては、十分機能している。
スタミナがジリジリ減っていくので、主人公の体勢やバックパックの重量などには自ずと意識が行くし、怪我したくないので、敵との交戦は出来るだけ避けて遊ぼうともする。“強要されないが、意識はさせられる”良いバランスで、私にとっては理想的な塩梅だった。
今作では、ジャングルがただの背景ではなく、そこから”サバイバル”という新しい遊びに発展させており、ステルスとサバイバルを組み合わせることで、ジャングルでの過酷な任務を、スネークと同じ目線でプレイヤーも体験できるようにしている。
ジャングル
今作のエリアは、ほぼジャングル。
エリアごとに小分けされているとは言っても、PS2時代のゲームとは思えないほど鬱蒼としたジャングルが再現されており、そこでは様々な動植物が生息している。加えて、主人公を包み込むように、様々な音が聞こえてくる。
ジャングルの再現度の高さは、一見の価値がある。
ステルスゲームとしては
今作(サブシスタンス以降)から3Dカメラが導入され、一般的なステルス(アクション)ゲームに近くなった。
一方で、「ソリトンレーダー」と呼ばれる敵の位置をリアルタイムに反映するミニマップが廃止されたので、『メタルギアソリッド』や『メタルギアソリッド2』のスタイルに慣れ親しんだ人からすれば、難しくなったと感じるかも知れない。
ただ、「ソリトンレーダー」ほど便利ではないが、「カムフラージュ」と呼ばれる新システムのおかげで、敵の目を掻い潜るハードルは下がり、ステルスプレイ自体の難易度は決して高くない。適切なフェイスペイントとユニフォームを選び、カムフラージュ率を65%以上に保っていれば、容易にステルス状態は維持できる。また、CQCと呼ばれる近接格闘術や使い勝手の良い麻酔銃なども新たに追加された。
“実践して覚えろ”というスタンスなので、最初は取っ付きにくく感じるが、ゲーム自体はプレイヤーへのサポートが充実しており、見た目ほど、第一印象ほど難しくない。最後の手段として、銃を乱射しながら突き進んでいくこともできる。
少なくとも、同時期の「スプリンターセル」よりは易しい。
“遊び”が満載
無線での他のキャラクターとのコミカルなやり取りや、思いもよらない方法で倒せるボス、真面目なカットシーンの中で差し込まれる独特なユーモアなど、”遊び”が満載。
一本道なステルスゲームなのに、再プレイする度に新たな発見がある。
総評
ステルスとサバイバルを組み合わせる斬新さや、ステルスゲームの枠に留まらない多種多様な遊びなど、他のステルスゲームとは一線を画する内容になっており、発売から20年近く経過しようとしている今でも、まったく色褪せていない。
当然、シリーズモノとしては、「メタルギア」のオリジンを描くストーリーやキャラクターなども強く印象に残り、シリーズの原点にして、頂点とさえ感じる。
非常に残念に感じるのは、今作も含めて「メタルギア」を遊ぶ環境はかなり限られてしまうことだ。
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初版:2015年8月8日 9:28 PM