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オープンワールドは本当に必要か?【評価・感想】『RAGE 2』レビュー

4.0
ゲームレビュー
ゲームレビュー
この記事は約5分で読めます。

原題 RAGE 2
対応機種 PC,PS,Xbox
プレイ/クリア時間 15時間~

👍Good

  •  テンポがよく、爽快感溢れる戦闘
  • オープンワールドゲームだけれど、過度に水増しされていない

👎Bad

  • (21年1月時点では)バグが残っている
  • オープンワールドの必要性

『RAGE2』は、前作『RAGE』の直接的な続編。

今回は、「id Software」協力のもと「ジャストコーズ」シリーズの「Avalanche Studios」が開発を主導したオープンワールドゲームになっている。

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著者情報
Kakihey

2014年末より当サイト「Kakihey.com」を運営中しています。現在までに300本以上のゲームレビューを公開しています。基本的にPCでゲームを遊んでいます。

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評価

前進あるのみ、ハイテンポな戦闘

前作『RAGE』は、大量の鉛玉を敵の肉体に撃ち込んでいく戦闘と、一つ間違えると画面が真っ赤になる(出血演出)硬派さが特徴のFPSだったが、今作は間に『DOOM』を挟んだからか、“DOOM: RAGE”とも言うべき”純粋に殺戮を楽しむ”ハイテンポなFPSに生まれ変わっている。

今作は、敵の体力をゴリゴリ削っていくFPSというよりは、急所にきっちり命中させて敵を瞬殺していくFPSであり、大勢の敵を次々と撃ち倒し、捻り潰してゆく。

特にPC版は無規制ということもあり、「さすがに命が軽すぎる」と感じるくらい敵を無茶苦茶にできるので、ビジュアル的にも爽快な戦闘が楽しめ、左クリックの連打が止まらない。

なお、「脳筋FPSか?」と言われればそれは違って、「RPG持ちは厄介だから先に倒そう」「あの敵は硬いから、周囲の雑魚を先に片付けよう」という具合に、激しい戦闘の中で敵のタイプを瞬時に判断し、決断していくことを繰り返すので、むしろ頭脳的なFPSと言える。

敵はフェルトライトと呼ばれる欠片をドロップする。それをかき集めることでアップグレードができるし、体力も少しだけ回復する。

※フェルトライト(画像赤枠)

さらに、今作は”プレイヤーに前に進むことを求める”作りになっており、爽快さと同時に、非常にテンポの速い戦闘も楽しめる。

今作では、倒された敵が「フェルトライト」と呼ばれる欠片をドロップする。

「フェルトライト」は、アップグレードに使用するスキルポイントであり、回復アイテムでもあるのだが、すぐに消失するという性質を持っている。

この「フェルトライト」の存在は、プレイヤーが積極的に攻める動機となり、敵の銃弾を浴びながら次々と敵を倒し、そして「フェルトライト」をかき集めることで体力を回復しながら、さらなる殺戮を、最後の一人を倒し切るまで楽しむ、という今作の戦闘を可能にする。

  • テンポの良い、ハイスピードな戦闘
  • プレイヤーが最前線に出て戦う

こうした”プレイヤーが最前線に出て、積極的に敵を倒していく”戦闘は、前作との明確な違いになっており、前作とは違った意味で、今作は銃を撃ちまくる楽しいFPSになっている。

ただ、”プレイヤーが最前線に出て、敵を次々とミンチにしていく”作風は、言い換えればオープンワールド系FPSならではのオープンな環境を活かした遊びはできない、ということでもあるが。

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空っぽのオープンワールド

RAGE 2はオープンワールド化されており、ミッション間はマシンで移動する。

今作は「ジャストコーズ」や『マッドマックス』などで有名な「Avalanche Studios」開発ということで、前作『RAGE』で弱かったオープンワールド要素を”Avalanche Studiosのノウハウで埋める”と思われた。

だが、実際は”RAGEにオープンワールド要素が中途半端な乗っかった”ような形になっており、『マッドマックス』のようなだだっ広い砂漠を猛スピードで走り抜ける面白さも無ければ、迫力満点のカーアクションが繰り広げられることも無く、ただ次の目的地に向けて車を走らせるためだけにオープンワールドがある、という感じ。

(前作『RAGE』にあったバギー戦はサイドミッション化されており、オープンワールドを移動中に敵車両と戦闘になることはほとんどない)

また、オープンワールド自体も、車で走り抜けることを想定した作り込みであり、車を降りて廃墟に入ってみても「空っぽの箱だった」ということが少なくないし、何かありそうな場所も「ミッション用のステージだった」ということが大半。

そうしたオープンワールドなので、今作では敵と激しく撃ち合った後に、ただ車で移動するだけの虚無の時間が生まれてしまっており、毎回ここでゲームの流れが寸断され、盛り上がりに水を差される。

「移動=バギー戦」と役割がはっきりしていた分だけ、前作の方がマシだったように思う。

理想は「フォールアウト」、最低でも『マッドマックス』くらい探索心をくすぐるオープンワールドや、車(タンク)を活用した遊びを用意して欲しかった。

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バグが多い

少なくとも私の環境では、PC版は─

  • マウス操作時に車のアップグレード画面を開くとフリーズする
    ※箱コンを挿せばOK
  • メニューのタブを切り替える際にプチフリーズする

と言ったバグが残っている。

自分の場合は、ラスボスを倒した後のムービーでクラッシュしてしまい、ラスボス前から再開するはめになった(再挑戦する気力がないのでそのまま放置)。

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総評

今作は一流のFPSと、二流のオープンワールドゲームを一つにしたような一作だった。

『DOOM』ベースの戦闘は、延々と敵を倒していくゲームではあるが、その繰り返しを”退屈に感じさせない”くらいよく出来ており、今作最大の長所になっている。

ただ、オープンワールドは空っぽであると同時に、せっかくの戦闘の良さを損なわせている瞬間もあり、今作の足を引っ張る要素になっている。

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