原題 | Medal of Honor |
対応機種 | PC,PS3,Xbox 360 |
プレイ/クリア時間 | 6時間~ |
現代戦をテーマにした良作FPS。
9.11後の世界を舞台にいち軍人の目線から淡々と戦争を描く点がユニークで、肝心のキャンペーンも時間を費やす価値のある内容になっている。
紹介
どんなゲーム
ミリタリー系FPS。
少なくともキャンペーン(ソロプレイ)は、「コールオブデューティー(以下CoD)」のそれに近い作りをしているが、今作の方がよりリアリティ重視の作風になっている。
今作は9.11後のアメリカの中東での戦争をモチーフにしており、「タリバン」や「アルカイダ」と言った実在する組織が敵として登場する。
メダル・オブ・オナー(2010)のストーリー
「タリバンを中心とした反米勢力が大規模な攻撃を計画している」という情報を入手したアメリカ政府は、現地に大規模な作戦チームを送り込むのだった。
評価
【Pros】CoD4との違いは現実ベースの設定
- FPS
- リニアなキャンペーンモード
- 現代戦
- 2010年発売
今作はこのような特徴を持つ作品になっているので、07年発売の『コールオブデューティー4 モダン・ウォーフェア(以下CoD4)』と比べられるのは当然と言える。
けれども、CoD4と同じ”現代戦”をテーマにしながらも今作はちゃんと差別化できている。
具体的には、CoD4がヒロイックな視点から戦争を描いていたのに対して、こちらは徹底して”いち隊員”、”いち兵士”の目線から戦争を描いており、同じテーマでも方向性は全く異なるものになっている。
さらに、舞台設定もリアル志向。
- 時代は9.11の後
- 中東での軍事作戦をプレイする
- アルカイダやタリバンがそのままの名前で登場する
なので、作品全体のトーンは、映画で言えば”実際の出来事をベースにした”『ゼロ・ダーク・サーティ』や『ローン・サバイバー』に近く、別の世界での出来事ではなく、自分が生きているこの世界での出来事だと感じさせる作風になっている。
- いち隊員、兵士の目線から描かれるストーリー
- リアルな時代・舞台設定
これらの特徴は、”強力なライバル”であるCoD4と比べた際に際立つ”今作の強み”になっており、現実ベースのストーリーを展開することで上手く差別化できている。
【Cons(欠点)】リアルな舞台設定と、アンリアルなミッション
前述の通り、確かにストーリーや舞台設定はリアル志向。
だが、肝心のキャンペーンは大勢の敵を少数のチームが撃破していくアンリアルな展開が多くを占め、一方でストーリーや舞台設定に沿ったリアルな展開は数える程度しか用意されていない。
リニアなFPSのキャンペーンとしては『コールオブデューティー4 モダン・ウォーフェア』の幻影を追っており、良くも悪くも無難な作りになっている。
総評
ユニークな切り口のミリタリー系FPS。
現実ベースに拘ったストーリーや舞台設定は他のミリタリー系FPSとは一線を画する部分であり、キャンペーン自体も”アンリアル”ではあるが時間を費やす価値は十分にあるクォリティに仕上がっている。
決して100点満点ではないが、このクォリティのFPSはそう簡単には見つからないはず。
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